日本人と縄文体質
308715 縄文時代を骨相学から語る(2)〜縄文人を骨から蘇らせる
 
田野健 HP ( 55 兵庫 設計業 ) 15/10/22 AM02 【印刷用へ
>縄文人は骨相学の点からも他地域では現れない特徴をいくつも有しており、非常に注目すべき存在らしい。308364

今日の投稿はこの記述から著書「骨が語る日本人の歴史」の内容を紹介したい。(文章転載は大量の文字数になるので、抜粋する事をお許し)

【ありがたき哉、貝塚遺跡】
日本列島の各地に散らばる貝塚遺跡はありがたい。縄文人の痕跡を守護する。そもそも貝塚は当時の海岸線沿いに分布していたのだが、今の海岸線からは奥まったところ、一段高い丘のような場所にある。一般に縄文後期に気候が温暖化して海岸線が海進現象で後退したためである。
貝塚は海砂に覆われる。そこに人為的に集めた貝殻が多く堆積し、炭酸カルシウム分が優勢で土壌の酸性度が弱くなる。それによって人骨、動物骨の保存状態が非常に良い。出土する人骨の数は膨大な数(全国で1万人以上のオーダー)に上り、後のどの時代人にもまして縄文人については多くの事をしることができる。人口は希薄だったのに大量の亡骸が残っている。
貝塚はゴミ捨て場のイメージとは程遠い。生活廃棄物が捨てられてはいるが、集落の中心をなす生活空間であり、儀礼の場であり、死者を葬る墓場でもあった。

【縄文人の骨相、人相を探る】
縄文時代の人々、縄文人とはいったいどんなタイプの人だったのか?どんな顔立ちや体形を特徴としていたのだろうか。保存性の高い貝塚で守られた事で、1万体に上る人骨から世界の石器時代人のなかでもいちばん詳しく調べられている。そして、多くの特徴がある。
まず骨格が全体に骨太で頑丈であり、ことに下肢の走行筋、租借筋などの筋肉群の付着部がよく発達していた事は特筆に価する。中世や江戸時代人とは容易に区別できる。大腿骨や上腕骨などの下肢や上肢の骨はむしろ小さめでコンパクトだが、その重量感はなんとも言えないほど頼もしい。頭骨はさながら鬼瓦のようである。
頭顔骨も独特である。寸詰まりの大顔もさることながら、もっとも特徴的なのが、きわめて大きくて強くカーブした前に突き出る鼻骨。それとともに強くエラの部分が発達し、全体に厚く大きく頑丈な下顎骨である。かなりの「鼻骨顔」であり、かなりの「あご骨顔」である。
なぜ縄文人の骨格はかくもユニークなのか。たしかなことは「氏」の問題ではない。「育ち」の問題なのだ。なにも特別な系譜に連なることではなく、彼らの独特な生活活動と生活基盤、つまりは生活の総体にこそ理由がある。

【縄文人の身体ー顔型と体形】
縄文人は鼻と顎が特徴的である。鼻筋の通る出鼻大鼻、エラの張る受け口気味の下顎が2大ポイント。それに加えてとても寸の詰まった彫の深い横顔、おもわずのぞきこみたくなるような顔である。眉間が盛り上がり、目許がくぼむ奥目で鼻が高くそびえるから、とても顔の彫が深いのである。
後頭部が「絶壁頭」を為す者はおらず、たいていは「才槌頭」額の円くて広い「おでこ顔」は女性でも少なかった。ともかくユニークな顔立ちである。平均身長は成人男性で158cm、女性では147cmほどしかない。身長が低いわりに腕や脚は長めの体形であった。脚の長さの身長に比する率は52%、最近の日本人と変わらず、他の時代と比べると大きい。肩幅は細目ながら、腰まわりは大きめだった。それにより下肢の筋肉が発達していたからかなり均整が取れ、まるでクロスカントリーの選手のような体形だった。現代人に比べたら、女性のほうも筋肉質、ことに下半身が頑丈だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上、抜粋、要約ーーー

これら縄文人の骨の特徴はほぼ1万年間ほぼ同じで、また地域による格差もほとんどなかったそうである。(多少の差異はあるが)
それは縄文時代の日本列島が置かれていた環境が東西、南北大きくは変わらなかった事を示している。そしてその生活を支えた基盤は採取、狩猟も然ることながら、漁撈活動にあった。

次の投稿で、縄文人の身体特徴を漁撈の観点から紹介したい。
 
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308725 縄文時代を骨相学から語る(3)〜外耳道骨腫が多発した縄文人 田野健 15/10/22 PM05

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