環境破壊
30814 止まない環境破壊
 
斎藤幸雄 HP ( 38 愛知 建築士 ) 02/05/14 AM00 【印刷用へ
先日、自然観察会の仲間との会話で、水道水の話題になりました。

「高度浄水処理施設が出来て確かに水道水はうまくなった。しかし、家庭排水の合成洗剤が川へ流され続けている。水がうまくなって安全になったといっても、それは人が飲む水だけの話であって、川の水がきれいになった訳ではない。相変わらず川には合成洗剤の泡が浮いている。」

高度浄水処理施設は、安全でおいしい水を供給してくれます。快適さ利便さの追求・科学技術の発達がそれを可能にしました。

その一方で、相変わらず家庭排水は以前と同じように川へ流され、農薬をはじめとするさまざまな微量有機物、いわゆる環境ホルモンも同様に存在しています。おいしい安全な水道水が供給できるようになったいっても、川の水質自体が変わったわけではありません。

科学技術の発達により、その川の水を安全でおいしい水にすることが出来るようになりましたが、そのことがかえって危機意識を薄れさせ、環境破壊の問題を捨象することを可能にしてしまっているのではないでしょうか。とりあえず、考えなくてもおいしい安全な水が飲めてしまいます。

また、高度浄水処理施設で使われる技術が、自然の川底で見られるような微生物による水の浄化作用を利用したものでありながら、その自然の川を破壊しつづけているとは皮肉なことです。

今の高度浄水処理施設で対応できる水質の汚染度を超えれば、さらに高度な浄水処理技術が開発され、再び安全でおいしい水が供給されるかも知れません。しかし、私的な快適さ便利さを求め、それが繰り返されれば環境は悪化しつづけ、環境破壊が止むことはありません。水道水が安全であっても、川の水の危険な物質は生態系に蓄積され、やがて食料として人の口に入ることになります。

快適さ便利さを実現した科学技術の発達は、結果として環境破壊を促進してしまう危険を孕んでいるようです。それは、快適さ便利さの追求が、私的な解脱としての快美幻想への可能性収束であることの必然なのだと思います。
 
  List
  この記事は 30710 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_30814
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
30827 善意の傍観者 川田宏子 02/05/14 PM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp