企業を共同体化するには?
307063 「値段」のない小さなレストラン
 
達磨防人 15/08/22 AM10 【印刷用へ
 こういう互助精神は読んでいても気持ちのいいものですが、それを持続させる仕組みにいかに変えるのか参考になるでしょうか?

リンクより引用
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好きなだけ食べて、好きなだけ払う店

「うちは誰もが気軽に楽しめるカジュアルレストランです」。そううたう店は多いが、本当の意味で「誰も」を受け入れているレストランなどあるだろうか?
「払えるお金はないが、食わせてくれ」。そう懇願する貧しい人がいたとしても、商売である以上、無銭飲食を許すわけにはいかない。この資本主義社会、結局、お金を払わなければ何も買えないのだ。
そう世知辛さを受け止めていたが…。「貧しさを解消するのは『善意』だ」といわんばかりに、本当に「誰も」を受け入れている レストランを見つけてしまった。「好きなだけ食べて、好きなだけ払ってください。払えなければ払わなくて結構です」。そんな人々の「善意」と「道徳観」だ けで成りたつレストランの実態に迫る。

■あれ、値段が書いていない…

 その噂のレストラン「Jon Bon Jovi Soul Kitchen(以下、JBJ Soul Kitchen)」は、ニューヨーク州のお隣、ニュージャージー州のレッドバンクという小さな町にある。創業2011年、「ここは、コミュニ ティ・レストランです」というが、クリントン前大統領や数々のスターシェフも来店したと聞く。一体、普通のレストランと何が違うのか。

 一番大きなポイントは、非営利であること。 Jon Bon Jovi SoulFoundationというNPO法人の管轄下にあり、来店客が支払ったお金は、店の利益や収益ではなく、すべてコミュニティへの「寄付金」となる。

 さて、そのレストランだが、ダイナーのような大衆食堂をイメージしていた。しかし思いのほか、外観、内観、ともにモダンなルックスでデートにも利用できるレベル。席に案内され、メニューを手渡される。だが、そこには「値段」が表記されていない。

(中略)

■「働くから食わせてくれ!」

 アペタイザー、メインにデザートのコースでいただいた食材のほとんどはオーガニック。店の前には小さなファームがあり、そこからの採れたて野菜を使っている。すべて新鮮で美味しく、量も申し分ない。おまけに食後にコーヒーまで出してくれた。ひとしきり満足しながら「一体いくらなんだろうね、チップを足したら割といきそうだよね」と話していると、一人のウェイターがテーブルへお会計票を。しかし、運ばれてきたのは「お会計」ではなく「メッセージカード」。開いてみると、そこにはこう書かれてた…。

「お支払いは方法は、キャッシュ、もしくは1時間のボランティアから選べます。お支払いいただいた金額はすべて寄付金となり ます。寄付の最低金額はお一人様あたり10ドル(約1,200円)から。それ以上払っていただいたぶんは、払えない人へのギフトチケットとして使用させていただきます」
 たとえば、二人で食事をし、一人5ドル上乗せして、15ドルずつ合計30ドルを払ったとする。すると、そのエクストラぶんの10ドルで明日、もしくは近い将来に空腹で店に駆け込んできた一人分の胃袋を満たしてあげることができるのだ。

(中略)

 「働くから食べさせて欲しいって、皿洗いや掃除など、自分がここでできる“何か”を申し出る人が多いのよ」。職なしホームレスだった人が、ここで皿洗いを継続的に続け、知り合ったボランティアメンバーの紹介でほかのレストランのパートタイムとして雇われたケースもあるそうだ。社会復帰への第一歩として、また、職業訓練の場としても機能している様子をうかがわせる。

(中略)

■貧しさは努力で解消できない

 格差が広がるアメリカ。「貧しいのは努力が足りないからだ」という意見も少なくないが、そうだと決めつけて何もしないのは「いかがなものか?」という風潮は強くなっている。確かに、貧しい者を排他的に扱ったところで、国民の幸福値があがることはないのだから。
「アメリカ人の6人に一人が、空腹をかかえ、5家庭に1家庭が、水準以下の貧困にあえいでいる」と、レストラン創始者のジョン。彼は、こういった所得格差を解消するカギは「善意」にあると説く。失業や減給をくらうと、人々はまず食費から削ろうとする。すると、どうしても栄養価 が高く、バランスの良い食事を取るのは難しくなる。「食べることは、生きることに直結する、生命の根幹だ」。善意で貧しい人々に労力や金銭を施すということは、人々に幸福を与える。人々が幸福になれば、そこから新しいインスピレーションが生まれる。これがイノベーションにつながる、と未来へのHope(希望)を描く。同店の掲げる「HOPE is Delicious(希望こそ、美味だ)」は、そんな考え方に所以する。

 なにより、人々がこのレストランで食べた料理、過ごした時間にどれだけの価値を感じ、どれだけ店のビジョンに共感するか。来店する者たちの価値観を信用し、店の存続の運命を委ねる。そんなJBJ Soul Kitchenの心意気に、胸が熱くなった。
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(引用おわり)
 
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