未知なる回路:気・霊感・予知
306157 「未来を予測するスキル」は訓練で高められる
 
真鍋一郎 ( 26 鹿児島 会社員 ) 15/07/19 PM06 【印刷用へ
これから起こる事を予測する力は、繰り返し訓練をすることで高めることが出来るようである。
以下の実験から得られた結果から、その予測の精度を高める方法をいくつか上げている。

複数の見解を比較検討したうえで予測すること、チームによる予測は常に個人の予測に勝ること等が結果として現れている。。

以下(リンク)引用
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予測に関する研究で最もよく知られているのは、ペンシルベニア大学のフィリップ・テトロックによるものだ。2006年の名著Expert Political Judgmentは重要な背景知識を提供してくれる。彼は研究の中で、識者や外交の専門家たちに地政学的な出来事を予測してもらった(ソ連は1993年までに崩壊するか、など)。その結果を総合的に分析したところ、「専門家」は「あてずっぽうなチンパンジー」に勝るところがなく、比較的簡単な統計的アルゴリズムよりも一貫して成績が悪かった。これはリベラル派であれ保守派であれ同様で、肩書きや資格にかかわらず共通していた。

しかしこの時、テトロックは予測に役立つかもしれない1つの思考スタイルを発見した。複数の見解を比較検討したうえで予測する傾向にある人は、1つの確固たる考えだけを基に予測する人よりも正解率が高かったのだ。テトロックは哲学者アイザイア・バーリンの表現を借用し、前者をキツネ、後者をハリネズミと呼び、次のように説明している。

「知的志向の強いハリネズミは、1つの確固たる原則を信じている。論理は単純化すべきであるという大原則を、他の新たな出来事にも適用しようとする。一方、より折衷主義的なキツネは多くの小さな事象を把握している。そして世界の急速な変化に対しても、目先的な解決策を生み出そうとする」

前掲書の刊行以来、テトロックと彼の同僚は地政学的な予測を競う大会を定期的に実施し(私も参加したことがある)、予測の精度を向上させる要因の発見に努めてきた。

主な発見は、予測とは無謀な挑戦ではないということだ。大会の参加者は、やみくもに判断するよりもはるかに良い成績を上げていた。たとえば、スーパーボウルの勝者はどちらか、というような二者択一の予測の場合、無作為に選べば間違える確率は50%だ。ところが、最も優秀な予測者は誤答率を一貫して半減できていたのだ。

さらに特筆すべきは、優秀な予測者は予測の精度を時とともに高めていったこと、そして研究者がいくつか特定の条件を加えることで精度が向上したことだ。つまり2つ目の発見は、予測能力は伸ばせるということだ。それを可能にする要因は何か。研究から得られた知見を以下にいくつか挙げよう。

●知性は予測の役に立つ
調査サンプルとなった予測者は総じて賢いが、その中でも各種の知能テストで高得点を上げた人たちは、より正確な予測をする傾向が見られた。ただし知性の影響は、トーナメントの終盤よりも序盤のほうが大きかった。したがって、不慣れな分野で最初に予測する時は、知性が大いに役立つようだ。その後誰もがその分野に慣れてくると、知性は助けになるものの、当初ほど大きな効果を持たなくなる。

●専門知識も予測の役に立つ
政治知識を問うテストで高得点を取った予測者ほど、予測結果が良い傾向が見られた。これは当り前だと思うかもしれないが、先述したテトロックの過去の研究を思い出してほしい。専門知識が役立つという証拠はほとんど得られなかったはずだ。当時は肩書きや資格と予測精度との間に相関性は認められなかった。しかし対象分野についての専門知識が本物であれば、予測に寄与するようだ。

●予測精度は訓練によって向上する
大会でトップクラスの成績を上げたスーパー予測者たちは、常に他者を上回っていたが、その精度は回を重ねるごとに上がっていった。ポイントは訓練の量だと思われる。彼らはより多くの予測を行い、大会のフォーラムにも頻繁に参加していた。

●チームによる予測は常に、個人の予測に勝る
参加者たちを無作為に分け、一部は単独で、残りはチームで予測をさせるという実験をした。ただし最近のHBR論文「いま明かされる集団思考のメカニズム」にもあるように、集団による判断には相応のミスやバイアスがつきまとう。そこでこの実験では、効果的に協力するための訓練をチームに施した。結果、チームの一員となった人たちのほうがより正確な予測をした。

チームワークは、スーパー予測者にも有益であった。大会1年目を経て、優秀な予測者たちでチームを構成したところ、さらに精度が上がったのだ。しかも「スーパーチーム」ならではの特徴があった。他のチームは時とともにメンバーが各自の考えに執着し始め、意見が割れていったのに対し、スーパーチームは協調を深めていったのだ。

●頭が柔軟な人ほど正確な予測ができる
これは、テトロックが示したキツネとハリネズミの違いを思い出させる。参加者の自己申告によるキツネかハリネズミかの分類は、実際の成績と相関しなかった。しかし思考の柔軟性を試す一般的なテストを実施したところ、その結果は予測の精度と一致した。心理学者の中には、柔軟性は時間が経ってもほとんど変わらない性格特性と考える人もいる。しかし一部の研究によれば、人間の柔軟性は状況によって変化する。

●急ぐと予測精度が下がる
検討する時間が長いほど、予測精度は高かった。これは特に、グループでの予測者たちに顕著であった。

●再検討と修正によって、予測精度は高まる
これは頭の柔軟性とまったく同じではないが、何らかの関係があると思われる。参加者には、1度下した判断を振り返り、新しい情報を参考にして予測を修正する機会が与えられていた。頻繁に予測を修正した人は、そうしなかった人よりも成績が良かった。

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