国家の支配構造と私権原理
305360 文明史D 【主に2800年前〜2000年前頃】 国家の確立と古代宗教の成立
 
井上宏 ( 40代 新潟 建築コンサル ) 15/06/27 PM11 【印刷用へ
略奪闘争と戦争の勝ち抜き戦の帰結として武力支配国家が成立。支配階級による武力支配⇒身分制維持と徴税、さらにそのために農業という生産様式と婚姻制(生涯固定の一対婚制)が徹底されていく。
このようにして、国家は部族共同体を解体し、人々を身分序列の元に再統合していく。

※あらゆる国家は、戦乱の後、武力支配国家として登場する。そして武力を維持するためには、徴税が不可欠。徴税のための徴税官が官僚制の始まり。そして軍・官僚を養うためにさらに徴税が必要になり、庶民に重税がのしかかる。支配階級の身分上位には富が集中し、戦争圧力が緩むと消費階級として堕落していく。

参照:
リンク 軍と官僚制の罠 〜古代国家の官僚制〜
227625「2600年前ほぼ同時に登場した社会統合観念=古代宗教」
リンク「2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期」 他
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※国家と宗教に焦点をあて、前投稿とやや時代をラップさせている。

4500年前 メソポタミア楔形文字
3750年前 ウル・ナンム法典(世界最古の法典)。農地の管理や姦通罪の規定。このころ土地の私有制が始まっている?
3600年前 中国・殷で甲骨文字。
3300年前頃〜
・モーゼ出エジプト
・インドでバラモン教の聖典「リグ=ヴェーダ」成立
この頃アルファベットの元になるフェニキア文字成立。

3000年前頃〜
・メソポタミアにはヘブライ王国、アッシリア王国
2800年前頃〜
・騎馬を用いた遊牧騎馬部族登場(スキタイ、メディア人、後に匈奴)。
・中国では、周滅亡→諸侯が覇を争う春秋戦国時代へ
・インドではバラモン教、種姓(ヴァルナ)制という身分制が成立

★2700年前頃 
・アッシリア(セム系)がオリエント統一、騎兵を用いた常備軍+地方派遣の官僚で過酷な支配。
・インド各地に十六王国並存

この頃、都市国家・部族国家を超えた広域支配国家(帝国)が成立し始め、異民族による支配(exアッシリア)が行われるようになる。これらの国では、各部族支配のためにも、多方面の敵に対抗するためにも、武力を統合強化する必要があった。

そのために、部族を超えた統合機関(軍と官僚制)を整備し、身分制を制度化していった。具体的には各部族の長を貴族や将校・官僚(身分によって序列化)として統合機関に組み込み、支配体制と身分制が固められていった。
一方で、それらとは縁のない大多数の庶民は、支配階級と統合機関維持のための収税・収奪対象として、生涯固定の身分へ固定されていった。
こうして、部族共同体は解体され、国家によって吸収・再統合される。守護神信仰は消滅し、固定身分制からの救い欠乏として、ほぼ世界同時に古代宗教が登場してくる。

★2650年〜2500年前頃 
この頃同時期に守護神信仰に代わって古代宗教が登場、その後にそれぞれの地域で巨大な帝国が成立していく。
・2650年前頃 ゾロアスター教 (→後にアケメネス朝ペルシャで採用)
・2550年前頃 ユダヤ教、(唯一神ヤハエェ信仰、選民思想、律法主義) の成立 →後のキリスト教 (→帝政ローマで公認)
 インドで仏教  (→後にマウリア王朝で採用)
・2500年前頃〜中国で諸子百家、儒教や法家  (→後に秦・漢帝国へ)

このように世界宗教がこの時期、勢ぞろいする。ここでも東洋と西洋はその思想に大きな違いをみせる。収奪の激しい中東・西洋では、あの世での救い⇒非現実の神(終末思想・一神教)へと収束した。

部族共同体が色濃く残り、集団が激しい縄張り闘争を繰り広げる中国では、その統合をどうするかが課題となり、現世の部族や人間関係を律する現実規範(ex仁義信や忠孝など序列規範)へと収束した。

これらの思想が生み出されたことによって、始めて部族を超えた国家(〜帝国)が統合されていく。

2500年前頃 アケメネス朝ペルシア、ギリシア東部〜メソポタミア〜エジプト〜イランを統一。集権的な国家体制の原型を作った。中東各地の支配層を役人(官僚)として税を徴収。貨幣制度、度量衡の統一と各地をつなぐ駅伝制などによって巨大帝国を実現した。

2500年前 ペルシア戦争(ギリシアvsアケメネス朝ペルシア)
2350年前 マケドニア・アレクサンドロス帝国
2300年前頃 インド、マウリヤ朝。アショーカ王インド統一。

前272年 共和政ローマがイタリア半島を統一。
前221年 秦、中国統一、法による厳しい支配、文字・貨幣・度量衡を統一。しかし15年で崩壊。
前202年 漢の中国統一、次いで、匈奴との戦いで西域へ拡大
前146年 カルタゴ滅亡
前27年 帝政ローマ
30年 キリスト刑死
200年頃 ローマ各地にキリスト教教会
※ローマ社会の下層部から拡大。ローマ社会は、共同体を失い正邪の羅針盤を喪失しているので『騙せば官軍』の世界。この構造を見抜き、それを布教戦略として成功したのがキリスト教。ダブルスタンダードなど、この『騙し』を利用して勝ち抜くやり方は、その後の金貸しや近代市場に引き継がれていく、白人社会の著しい特徴。
 
  List
  この記事は 305150 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_305360
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
文明史D【主に2800年前〜2000年前頃】 国家の確立と古代宗教の成立 「日本を守るのに右も左もない」 21/04/09 AM00
310872 世界の鉄器文化 :鉄器農機具の使用が統一国家形成を可能にした。 松重臣 16/01/01 PM06
310676 龍信仰の起源を探る 匿名希望 15/12/28 PM09
305363 文明史E 【5200年前〜700年頃】 国家と古代市場 井上宏 15/06/28 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp