国家の支配構造と私権原理
304918 文明史年表B 【4200年前〜3500年前】 3800年前頃コーカサス〜地中海沿岸で戦争の常態化→略奪集団だらけに
 
井上宏 ( 40代 新潟 建築コンサル ) 15/06/13 PM07 【印刷用へ
参考:245346「3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と
         山賊・海賊だらけになった」
   245315「ギリシア〜ローマ史まとめA 4000年前〜3200年前 
         ミケーネ文明登場、「海の民」」
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★4200年前〜4000年前の寒冷期
コーカサスで戦争が始まり(コーカサス戦争)、イラン高原からの遊牧部族本体の侵攻→印欧語族Rの敗者が四方に大移動を始める。アナトリアへは4000年前のルウィ族、3900年前のヒッタイト族が相次いで侵攻。ギリシアへは4000年前クレタ島にアカエア人が侵入。

4200〜4000年前 コーカサスから印欧語族の一派が西欧へ侵入し、原欧州人(ケルト人)が北方や南欧の僻地に追いやられる。

4000年前セム族がバビロニア建国。メソポタミアのシュメール人は絶滅し、それ以降メソポタミア地方はセム族に支配される。

※4200〜4000年前の段階では各地に侵入した印欧語族も部族として移動した可能性が高い。一般的に考えて、略奪集団(山賊)は一時しのぎで目先に餌のありそうな所に向かうが、共同体質を残した部族であれば、餌があろうがなかろうが部族共同体維持の可能性が高い、つまり戦争が避けられる僻地に向かうはずで、だからこそ共同体質を温存することになる。

では、山賊集団がいつどのようにして登場したのか?⇒戦争が常態化したからである。そうなれば必ず滅ぼされた部族や戦争捕虜→奴隷が登場し、滅亡部族の生き残りや逃亡奴隷が山賊集団と化す。

そして、戦争が常態化した分岐点が3800年前の温暖期と考えられる。
3800年前の印欧語族の第二次移動からは様相が変わる。

★3800年前 温暖化。コーカサス地方の印欧語族が第二次移動を始める。
これは温暖化に伴うコーカサス地方の乾燥化によるもので、それに伴ってコーカサス地方の印欧語族が東西へ移動し始める。3800年前には印欧語族アーリア人(R1a)がイラン高原に侵入、更に3500年前にはインダス川流域に侵入していった。西欧にも侵入し、ヨーロッパ先住民=ケルト人を更に辺境へと追いやる。
ギリシアにも3800年前に印欧語族アカイア人が再び侵入。
アカイア人第二波はペロポネソス半島に入り、3600年前ミケーネ文明を建て、3400年前にクレタ文明滅亡に追い込む。

3680年前 セム系民族ヒクソスが地中海東沿岸からエジプトに侵入し、馬と戦車で武装してエジプトを支配した。3580年前には、ハム族がヒクソス人からエジプトを再び奪還し、新王国を築く。このときに追い出されたヒクソス人がミケーネに流れた?(ヒクソスの文明とミケーネ文明には強い共通性が見られる)

3600年前 ギリシア各都市国家の中央集権化、階層化が進む。
3600年前 南下して来たアカイア人によってミケーネ(ミュケナイ)文明始まる

※ミケーネは大きな砦を備えた好戦的社会であり、略奪や海賊行為などを行っていた。3300年前からはアカイア人がアナトリア西岸に植民し、都市国家を作った。ミケーネ文明の一つピュロス(エピルス?)では、大規模な宮殿奴隷が存在した。奴隷所有は個人にまで及んでおり、地方の青銅工にまで奴隷所有が見られたとされる。
また、ミケーネ文明の特徴の一つである円形墓からは、それまでよりも圧倒的に豪華で大量の副葬品が出土している。これも、他部族から略奪してきたものだと考えられる。

※このようにミケーネ文明を建てたアカイア人第二波は略奪集団であったと考えるべきだろう。
こうして、3500年前には略奪闘争の玉突きによって、地中海沿岸とメソポタミア・コーカサスには略奪部族の支配国家、あるいは山賊・海賊しか存在しない状態になったと考えられる。
そこで共同体規範を維持しているのは遊牧部族だけであり、それ以外は山賊上がりの連中が支配している。
 
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305150 文明史C【3500年前〜2500年前】 山賊・海賊によってつくられたギリシャ・ローマ 井上宏 15/06/21 AM01

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