脳回路と駆動物質
304613 脳の男女による差異とその背景
 
二郎板 ( 24 奈良 会社員 ) 15/06/03 PM10 【印刷用へ
日常の会話や行動の節々から感じ取れる男女の脳構造の違いというものがよくテレビ番組や雑誌等で取り上げられているが、結局どういった差異があり、どのような背景があるのでしょうか。


早稲田大学の森川友義教授は人類史的な脳科学の視点から、「目的脳」を持つ男性と「共感脳」を持つ女性という分類をしています。
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 我々の遺伝子の進化は非常に遅く、狩猟採集時代の遺伝子を引きずっています。農耕社会から産業社会になるまでの期間が大変短かったため、遺伝子が追いついていないのです。
 狩猟採集時代においては、男性は、狩猟している最中に会話をしていたら獲物が逃げてしまうので、必要最低限の目的のある会話しかしなくなり、その結果、「目的を解決するための解決脳」になっています。
 一方の女性は、いつ獲物に襲われるか分からないので、声をだすことで互いの存在を確認しなくてはいけませんでした。そのため、目的がなくても会話をする必要があり、女性の脳は、声を出して共感し合う「共感脳」というものに進化しました。

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また神経内科医の米山公啓も同様の事を男女の右脳と左脳の接続の差異によるものとして説明しています。
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 女性が会社に対して愚痴を言っているとき、それを聞いた男性は「そんな会社、やめちゃえよ」などと言いがちである。それを聞いた女性は「そんなことを言って欲しくないの」と言い出す。アドバイスしたと思った男性は、なぜ女性が怒り出したのか分からないままだ。

 男脳で考えて良かれと思って言ったことが、女脳で考えると決して解決にはならないという不条理な状況が起こる。これは日常的に起きていることだ。いったい何がいけないのだろうか。

●脳の構造の違いはごくわずか

 肉眼的に脳を見て、男女の区別はほとんどできない。わずかな違いがあるとすれば、左右の脳をつないでいる脳梁と呼ばれる部分の後ろ側が、女性のほうは少し大きい。この違いによって、女性は左右の脳を広く使い、男性は右脳的な追求型の脳の使い方をする。その結果が様々な行動の違い、発言の違いになってくると考えられる。

●広く脳を使う女脳

 女性は左右の脳を使いながら会話するが、男性は言語中枢のある左脳を使う。これはリアルタイムで脳内血流を見るfMRI(機能的MRI)が使えるようになって分かってきたことだ。

 そのために、女性は会話をしながらも広く情報を取り入れて会話すると考えられる。だから会話の内容がどんどん飛んでいくことになる。つまり、女性にとって会話は結論を出す手段ではなく、あくまでもコミュニケーションのための方法である。

 一方、男性はどうしても会話といっても、そこに意味を見いだそうとするし、会話には結論がなければいけないと考えてしまう。

●結論を出したい男脳

 脳内物質の一つであるテストステロンの影響もあって、男性は相手を論破する、あるは結論を出すことに意味を見いだそうとする。

 女性から相談を受ければ、そこにはっきりしたアドバイスを出すことに意味があると思い、つい言い切ってしまったり、結論を出してしまうことになる。アドバイスをしながらも、実は自分の優位性を示そうとする意識が働いてしまうわけだ。

●女脳が欲しいのは答えではない

 女性の相談や悩み事において、欲しいのは答えではなく“共感”だ。「大変だね」の一言があれば、女脳は救われるのだ。

 しかし、男性はなかなかその「大変だね」が言えない。どうしてそこで躊躇するのか、理解できない相手が悪いと判断して、早く行動を起こし、結論を出すほうが正しいと思ってしまうのだ。そこにも追求型の脳の特徴がある。

●男脳のメリットも活かす

 女性への共感がしにくい脳も、仕事では有利に働く。あるものを徹底的に改良していく、例えば「100グラム以下にする」といった数値目標があれば、それに向かって努力できるのも男脳の特徴である。

 女脳を男脳で理解することは、かなり難しい話である。だから、男脳では理解できないものがあることを知っているかどうか、そこが重要と言えるだろう。

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人類史的・脳科学的視点から二つの記事を紹介しましたが、現代社会での男女の溝を埋めるような風潮も、自身の性による脳の特性を活かしつつ相手の言動の裏にある脳回路に思いを馳せてあげると自然と解消され、ジェンダーを問題視することが減るのではないでしょうか。
 
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