西洋医療と東洋医療
302315 病院の倒産を予防する医学
 
小平健介 ( 40代 埼玉県春日部市 専門職 ) 15/03/22 PM03 【印刷用へ
健康診断を初め、様々な病気の検査は、タイトルの通り、病院の収入を保証するものになっているのではないか。

病院だけでなく、製薬会社や医療機器会社・・・「医療」に関わる全ての企業の倒産を予防しているだけと言えるのではないか。
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医者が患者をだますとき
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第8章 予防医学が予防しているもの

病院の倒産を予防する医学

知人の医者からこんな手紙をもらった。
「人々に希望を与え、世の平和に貢献するために、医者だからこそできることとは何だろう」
私は返事を出した。
「医者をやめることだね」

治療医学の救いようのなさはこれまで見てきた通りだが、予防医学もそれに劣らずひどいものである。現代医学が人々の生活を管理しようとするとき、予防医学は格好の口実に使われてきた。予防医学こそ、現代医学が生み出した巨大な魔物のようなものなのである。

「問題を未然に防ぐため」を口実に、権勢欲に溺れた連中が、やりたい放題なのは周知の事実で、例えば、国防総省は「国民を敵から守る」という使い古された大義名分で、年間数千億ドルにもおよぶ軍事費を使っている。その大半は役にも立たないことに費やされているが、とはいっても、国防総省は「敵が襲ってこないのは、多額の軍事費のおかげである」と主張することはできるだろう。

では、医学界は、「病人がいないのは、多額の国民医療費のおかげである」と言い張ることはできるだろうか。国民の健康管理という聞こえのいい名目を掲げて、やはり毎年数千億ドルもの費用が投入されているが、現状は、国民医療費が高騰すればするほど、病人は減るどころかますます増えていく一方である。

アメリカは国民皆保険制度のない国である。

(中略)

国民皆保険制度を導入しようという議論も一部でされているが、この制度にあまり期待は寄せられまい。将来のことを考えると、健康面と財政面でさらに深刻な事態を招くことにもなりかねないからだ。たとえ、無料で医療が受けられるようになったとしても、病気そのものが減ることなどはありえないことだし、すでに濃厚で過剰となってしまった医療をこれ以上増やしてどうしようというのだろう。

「医療こそが健康管理の最適の手段である」
医学界はこう言って国民を教化してきた。確かにその狙いは見事な成功を収めた。だが、医療イコール健康管理という発想は、個人の健康をむしばみ、家庭を崩壊させるどころか、国の財政を圧追して一国を破産に追い込みかねないほどの危険な考え方なのである。

予防医学の名のもとに現代医学が行っていることは、意味がないばかりか、きわめて危険な行為ですらある。前にも説明した通り、健康診断と称する儀式は、むだで危ない検査の連続である。ただし、これは運がよければの話だが、検査を受けることで、人は医者という名の聖職者から「許し」を得ることだけはできるだろう。

健康診断では、医者の問診にしたがって、まず、患者は妻や親友にも話したことのない病歴を洗いざらい告白しなければならない。そして、聴診器(これが故障していることがよくある)で体をくまなく調べられると、今度は尿をコップに入れて、看護婦に渡すという辱めを受けなくてはならない。

打腱器で仰々しく膝をたたかれてこの儀式は終わり、そのあと医者から「異常所見なし」と申し渡されれば、晴れて無罪放免となるが、しかし、運が悪いと「要精検」と宣告されて専門医のもとに送られ、さらに手の込んだ方法で懲らしめにも似た検査を受けるはめになる。

集団検診で受けるスクリーニング検査(未発症段階での健常者か否かのふるい分け)の様子は、シェークスピアの戯曲『問違いの喜劇』を彷彿させる。これは、互いに似ていることから二組の双子が聞違えられ、大騒動を巻き起こす喜劇である。しかし、検診によって患者が肉体に受ける被害は、喜劇などと言って済まされるものではない。

結核の集団検診は、徹底検査が必要な患者を選別するにはきわめて効果的な方法だが、医者の手にかかって、この検診は医療機関の倒産を防ぐ「予防経営」とも言うべき手段に成り果ててしまった。

結核は、一万人に一人発症するかしないかという伝染病である。だが、ツベルクリン反応で一次結核症とでも診断されたらただでは済まない。いずれイソニアジド(通称アイナー)という劇薬の結核治療剤が、数カ月間にわたって執拗に投与されつづけることになるからだ。そればかりか、近所や職場の人が陽性者の存在に気がつき、もし、社会的差別を受けようものなら、精神的にも深く傷つくおそれさえある。

ツベルクリン反応で陽性と出ても、たいていの場合伝染を心配することはないだろう。ただし子供の場合は、そのことを親戚を含めて誰にも言わないように母親に注意をしておく義務が医者にある。
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(引用以上)
 
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