アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
302023 メルケル首相の訪日の目的がドイツ大手紙で紹介されていた〜日本の報道記事との比較は重要
 
惻隠之心 ( 59 大阪 会社員 ) 15/03/13 AM02 【印刷用へ
大きく2つ〜まずはバイエルン地方のエルマウで開催予定の議長国としてのG7の準備と、二つの記念日にちなんだそれぞれにデリケートなテーマ。
・一つ目のテーマは福島の悲劇から丸4年を迎える日は、エネルギー政策についてまったく触れないというわけにはいかない。安倍首相は、原発の再稼働を宣言しているが、ドイツからみるとそれは誤りに思われること。
・二つ目のテーマは今年は第二次世界大戦後70年。日本は近隣諸国に惨劇をもたらしたが、ドイツと異なり、今日にいたるまでその責任を正面から引き受けてこなかった。右寄りの安倍首相は、戦争犯罪を相対化しようとさえしていること。
これらの他国に向けての表立った助言はしばしば意図とは逆の効果を生むことを承知しているので、日本への批判は避け、その代わり、なぜドイツが自らの選択を正しいと考えているかを描写すること。

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・メルケル独首相の訪日レポート(南ドイツ新聞)以下引用します
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・メルケル首相、「丁寧な批判」という形での日本訪問
首相在任10年になるアンゲラ・メルケルは、これまで無数の外国訪問をこなしてきたが、このような形で挨拶されたのはおそらく初めてだった。「おはようございます、首相」。そう挨拶したのは、アシモという名前の小柄な男性。普通の人間と同じことがたくさんできるんだ、と証明するべく、アシモは部屋を歩き回り、サッカーボールを蹴ってみせ、跳んだり走ったりしてみせた。本当に嬉しそうにそんなふうにするものだから、メルケル首相も大喜び。なにしろ、アシモは人間ではなくて、人間ロボットなのだ。

東京に着陸したばかりのメルケル首相の最初のアポイントは未来博物館。そしてアシモのおかげでテクノロジー好きな首相には、まずは幸先のよい出だし。ところがロボットが首相にお別れするときになったとき、すっかり魅了された首相が彼に近づいて握手をしようと手を差し出したところ、こともあろうにロボットは握手ができないのだった。アシモはそこに呆然と突っ立ったまま。メルケル首相の欲するところをどうやら理解できないようなのだ。
首相の意図が理解されないというのは、けれど、この日、これ一回きりのことではなかった。
・メルケル首相、批判せず、描写する
メルケル首相の訪日の目的は、バイエルン地方のエルマウで開催予定のG7の準備をすることだった。今回はドイツが議長国を務めることになっているが、東京とベルリンの関係はいたって良好。ロシア問題であれ、ウクライナ問題であれ、シリア問題であれ、両国の足並みは揃っている。けれど今回、首相は、日本行きにあたり、東京ではあまり人気のなさそうなテーマも一緒に携えていった。二つの記念日にちなんだそれぞれにデリケートなテーマだ。
まず、この水曜日は、福島の悲劇から丸4年を迎える日。このタイミングでの訪日で、エネルギー政策についてまったく触れないというわけにはいかない。安倍首相は、ガウ(原子力発電所で想定される最大規模の事故)にもかかわらず、原発の再稼働を宣言している。ドイツからみるとそれは誤りに思われるが、メルケル首相は他国に向けての表立った助言はしばしば意図とは逆の効果を生むことを承知しているので、日本への批判は避け、その代わり、なぜドイツが自らの選択を正しいと考えているかを描写するにとどめることにした。

日本の大手新聞、朝日新聞の社屋で行なわれた会合で、メルケル首相は原子力支持者から反対者へと自らが転向したパーソナルな経緯について語った。そうすることで、関心を引き、ひいては説得することができれば、と考えたからだ。
しかし、このことで首相が強い印象を与えることはなかった。その日の夕刻の共同記者会見において、安倍首相はメルケルの言葉を冷たく差し引いた上で、「日本は福島以前にはエネルギーの三分の一を原子力に負うていた」と述べ、将来においても、原子力発電を廃止することはあり得ないということを表明した。
さらに明白なのは、もう一つのテーマについての安倍首相の理解の欠如である。今年は第二次世界大戦後70年。日本は近隣諸国に惨劇をもたらしたが、ドイツと異なり、今日にいたるまでその責任を正面から引き受けてこなかった。右寄りの安倍首相は、戦争犯罪を相対化しようとさえしている。そんなわけで現政権にとってリベラルな朝日新聞は目の敵なのである。

安倍人脈は、慰安婦問題での朝日新聞の数年前の誤報道を利用することで、従軍慰安婦たちのたどった悲劇について、これを根本から疑問視しようとする。こうした背景を踏まえたからこそ、メルケル首相は今回の訪日に際し、敢えて朝日新聞への露出にこだわったわけであり、そこには彼女の明確な意思表明があったのである。

・より実りのあった、天皇との会談
もちろん月曜日、メルケル首相は日本の政府と直に渡り合うようなことはしていない。その替わりに、メルケル首相は自らの経験について淡々と語ったにすぎない。「ドイツは第二次世界大戦勃発の責任、ホロコーストの責任を負っているにもかかわらず、国同士の共存に再び仲間入りを許されました。それは自らの責任を認めたからなのです」とメルケルは語った。「過去の徹底的な検証や反省の作業が、和解を可能にした条件の一つなのです。ドイツはけれど、幸運でもありました。なぜなら、近隣諸国が和解のための手を差し出してくれたからです」と。

日本がこうしたオブラートにくるまれた批判をどのようにかわすかが端的に見て取れたのがNHKのメルケル首相訪問の扱いであろう。会合の場所がかの悪評高き朝日新聞であったということを、NHKの報道は伏せた。そしてメルケル首相のスピーチに関しては、ごく一部を抜粋したに過ぎず、そこでは「ドイツが和解への意志を持った近隣諸国に恵まれたことは幸運だった」ということだけが紹介された。彼女の言葉の中での「自らの責任を引き受けなければならない」という部分はカットされていた。安倍首相もまた、共同記者会見においてメルケル首相のスピーチにはまったく触れなかった。

安倍首相やアシモが、メルケル首相の訪日をややこしいものにしたせいか、天皇陛下との会談はことの外、スムーズに運んだ。天皇陛下は長年にわたり、魚類や海の研究に高いご関心を持たれている。そのような方と温暖化問題や海域保護の問題についておしゃべりをするのは素晴らしい。いずれも、今夏のG7のアジェンダの重要なテーマである。会談は予定時間を超過し、連邦首相府が後ほど誇らしく報じたところによれば、メルケル首相はワーグナー自身によるタンホイザーのピアノ用編曲譜の大変希少な初版を陛下に贈った。ご自身もチェロをお弾きになり、クラシック音楽愛好家であられる陛下に気に入っていただけたことだろう、とのことだ。

以上。特にコメントはいたしません。今回のメルケル首相の訪日が、ドイツの大手新聞の一つではこのように報道されているのだ、ということをご紹介したかっただけです。

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