アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
301943 米国議会で議論噴出のTPPと「為替操作禁止条項」 ―なぜ日本のマスメディアでは報じられないのか (1)
 
黒川慧 ( 27 栃木 会社員 ) 15/03/10 PM08 【印刷用へ
コチラから引用
米国議会で議論噴出のTPPと「為替操作禁止条項」 ―なぜ日本のマスメディアでは報じられないのか
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◆日本の交渉参加時点からあった米国の批判

 2013年7月に日本がTPP交渉に参加してから1年半が過ぎた。ちょうどこの3月で参加表明から丸2年が立とうとしている。参加表明の翌月の4月、日米の二国間協議が行われ、自動車や農産品の関税問題などの議論が実質的にここからスタートしたことになる。

 以来、今日に至るまで、私には不可思議なことがある。2013年4月の日米協議の時点から米国が強く主張してきた「為替操作禁止条項をTPPに盛り込む」ということについて、日本の報道では一貫して扱われてこなかったという点だ。

 この為替操作禁止条項とは何か。

 2013年4月時点で、米国内では日本の参加がほぼ確実とされ、その上で、米自動車業界などの間では「日本が意図的に円の価値を引き下げていることで国内自動車メーカーの競争力を不当に高めている」との批判が広がっていた。サンダー・レビン下院議員(民主党、ミシガン州)は、米政権が4月12日に日本のTPP協議参加を表明したことに対し、日本が自国通貨を「操作している」と公然と非難。またミシガン州選出議員団中16人全員が、様々な機会に「為替操作」をしているとして日本を非難している。

 こうした産業界や議員の不満を受け、5月にはTPPに為替操作に対する新たな規定を追加するようオバマ大統領に求める書簡に署名した米超党派議員が200人近くに上った。ロイターによると、この書簡は「為替操作への対策で合意することが必要だ」とし「為替に関する規定を盛り込むことで、不公平な通商慣行と闘い、米国の労働者や企業、農業経営者にとり公平な場を作ることができる」としている。書簡は、ジョン・ディンゲル議員(ミシガン州、民主党)やリック・クロフォード議員(アーカンソー州、共和党)など超党派の下院議員がとりまとめている。

 その後、2013年7月の日本の交渉参加を経て今日に至るまで、日本の円安誘導政策に対する米国産業界からの不満は一貫して続いている。

 2014年1月には米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)が、TPPに為替操作規制を設けるよう呼びかけを行った。「不公正な競争利益を得ないよう、TPP参加国は為替レートを操作しないことを約束すべき」とのこの主張は、まさに日本の自動車メーカーが米市場で優位に立つ恐れを懸念してのものだ。

AAPCマット・ブラント会長は記者会見で「為替操作により、最も有望な貿易協定でも台無しになりかねない」と指摘。「TPPの最終合意には、政府介入でなく市場が為替レートを決めるという、強力で実施可能な通貨規律が盛り込まれる必要がある」と述べ、TPP参加国が外貨保有や外国資産買い入れによる介入などに関し情報を透明化するよう要求、規則違反が見つかった場合、違反国への関税上の優遇措置を最低1年間停止することを参加国に認めるとしている。

続く
 
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