市場は環境を守れない、社会を統合できない
29936 「共生適応」を生み出した闘争圧力の中身
 
吉国幹雄 ( 49 鹿児島 講師 ) 02/05/02 PM05 【印刷用へ
「共生(取引)適応」について、もう少し考えてみたい。

>それに対して、お金という評価指標だけが異なっているが、それはお金の母胎を成す取引or交換という方法が、闘争(能力)適応や集団(統合)適応とは異なる、共生(取引)適応(この取引関係は、闘争関係からの抜け道であるとも云える)の原理に基づいたものだからである。(29834)

私は、「共生」とは、「一つだけでは独立して存在できず(生物にならず)、二つがそろって相互作用があって初めて生物(共生体)として存在できる」(4123)と考えていた。確かに、その相互作用とは単純な生産物の交換関係(アリとアリマキとの関係)から、ミトコンドリアと始原真核細胞との共生に見られる遺伝子の交換関係まで、生命体の構造や種々の生命システムを変える、その程度の差こそあれ、いずれも交換関係を通じて種間闘争圧を下げる、という適応戦略であるのは間違いないと思う。

また、採取時代の会議室で「ボトラッチ・贈与」について現在議論されているが、私は上記と同じく同類闘争圧力下での「共生」適応の一つではないかと考える。余剰生産物をあげるというだけでは説明できないような適応戦略。痛みを伴う交換によって、集団間の秩序と統合を図るという戦略ではないだろうか。

しかし、「市場原理」における「共生(取引)適応」というのは、生命体や「採取時代」に見られる「共生」とは、何かが違う。一体、それは何か。

市場における種間闘争というのが、どうも少し違う(ピンと来ない)。生産者と消費者、ブルジョアジーとプロレタリアート、権力支配者と被支配者? 女(原理)と男(原理)?、どうもこの線引きが極めてあやしい。これは、身分的な階層と捉えてもこの階層がどんどん変化していくからだろうか…。いや、そもそも市場には集団がないからではないだろうか。とことん始原集団が個に解体されていく中で、個体間闘争圧力下での「共生(取引)適応」ということではないだろうか。

つまり、市場における「共生適応」とは、個体間闘争圧力=性闘争圧力下での適応戦略であるがゆえに、集団(種間)闘争圧力下での「共生」と何か違うと感じるのだろう。
 
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