世界各国の状況
299227 バルダイ国際会議におけるプーチン演説(2)
 
THINKER・鶴田 HP ( 40代 名古屋 自営業 ) 14/12/15 PM04 【印刷用へ
 国際政治の世界において、私たちは様々な異なる解釈をし、慎重に考え、沈黙する時期に入りました。国際法は、法律に対する強力な虚無主義を前に幾度となく、その効力を失っています。客観性と公平さは、政治的都合を優先するため、犠牲にされました。法規範の代わりに、勝手な解釈や偏った見解が、まかり通っています。同時に、世界のマスメディアが完全にコントロールされているため、必要に応じて、白が黒となり、黒が白と表現される有様です。

 一国とその同盟国や衛星国が支配する状況下においては、世界の諸問題を解決するための行為が、むしろ、彼らの様々な指針を全世界に強制することにとって代わられます。このグループの野心は肥大しており、自分たちが決めた指針をあたかも全国際社会の見解であるかのように提示し始めたのです。もちろん、それは事実ではありません。

 「国家主権」の概念は、ほとんどの国にとって相対的な価値に過ぎないものになりました。つまり、お決まりの方式で、国家の価値も決められています。現在の独占的な世界権力に忠実であればあるほど、その国家や政府の正当性も認められるというわけです。

 後ほど、自由討論をします。質問には喜んで答えますし、こちらからも質問させてもらいます。今、私が述べた見解に反論したい人は、次の討論でお願いします。

 この世界権力への服従を拒否した者に対する処遇は、多くの人が知る所であり、過去に何度も繰り返し行われてきました。その中には、武力制裁を始め、経済制裁、プロパガンダによる圧力や内政干渉があり、世界各地の紛争への違法介入や不都合な政権の転覆を行う際には、それを正当化するために法を無視したような合法性を訴えかけます。最近でも、複数の要人に対して、明らかな脅迫行為があった証拠をわれわれは手にしており、その数は増え続けています。「ビッグブラザー」と呼ばれる世界権力のグループが、最も身近な同盟国まで含む全世界を監視下に置くために何十億ドルも使う意味はここにあるのです。

 自問してください。これが心地の良いことですか。私たちは安全ですか。この世界で暮らすのは幸せですか。これが公平で理にかなったことだと言えますか。それとも、むやみに心配したり、議論したり、気まずくなるような問いかけなどする必要はないのでしょうか。特別な地位にあるアメリカが遂行しているリーダーシップは、私たちみんなに良いことで、彼らが世界各国に介入することで、平和や繁栄、発展、成長、民主主義がもたらされている、そう信じて、ただリラックスして楽しめば良いのでしょうか。それは違います。絶対に違います。

 一方的な絶対的命令と自分のシステムを強制することは、逆の結果を生み出します。紛争は解決される代わりに激化し、国家は安定する代わりに、秩序の混乱が広がっています。そして、民主主義ではなく、ネオファシズム派からイスラム過激派といった非常に怪しげなグループが支援されています。

 世界権力のグループは、なぜこれらの人々を支援するのでしょう。それは、過激派を自分たちの目標を達成する道具として使えるからです。しかし、火遊びが過ぎて、いまや彼ら自身がやけどをして、たじろく有り様です。われわれのパートナーである彼らが、同じ熊手を踏む様子に私は驚きを隠せません。ロシアでは、同じ失敗を何度も繰り返すことをそう表現します。(訳注:熊手の先を踏むと梃子で跳ね上がった柄で頭を打つ)

 彼ら(世界権力グループ)は、かつてソビエト連邦と戦うためにイスラム過激派運動を支援しました。そのグループはアフガニスタンで戦闘経験を積んで、後のタリバンとアルカイダになりました。西側が支援しなかったとしても、少なくとも彼らの動きに目をつぶったのです。そして、国際的テロリストである彼らにロシアと中央アジア諸国を侵略するために必要な情報を与え、政治的、財政的支援をしました(われわれはこのことを忘れていません)。そして、恐ろしいテロ攻撃がアメリカの国土を襲った後、初めてアメリカは世界に潜在するテロリズムの脅威に目覚めました。あの911の悲劇の時、アメリカ国民の友人、パートナーとして初めに支援活動を起こしたのは、ロシアだったことを思い出してください。

 世界規模の挑戦として、欧米のリーダー達との会話をするとき、常に私はテロリズムとは一致団結して戦うことが必要だと訴えかけてきました。テロの脅威にはけっして屈してはなりません。二重基準を活用して、テロを許容したり、しなかったり区分けするなどもってのほかです。このわれわれの方針に欧米諸国はいったん合意を示しましたが、その後、すぐ振り出しに戻りました。イラクへの軍事攻撃が始まり、次にリビアが攻撃されたのです。リビアは、国家がバラバラになる所まで追い込まれています。どうして、リビアがこのような状況に追い込まれたのでしょう。今日のリビアは、崩壊の危機にあり、テロリストの訓練場と化しています。

 中東では、エジプトだけが過激派の蔓延から守られています。このアラブの主要国では、現リーダーの決断と賢明さが功を成し、秩序が保たれています。シリアでは、これまでと同様、アメリカと同盟国が、反乱軍に直接、資金と武器を援助し、世界各国から傭兵を連れ込んでいます。これらの反乱軍は、どこから資金や武器や軍事専門家の援助を得ているのでしょう。一体、どこからでしょう。悪名高いISIL※は、どうやってここまで強大な組織となり、真の軍事力を得るまで成長できたのでしょうか。
(※訳注:イスラム教スンニ派過激組織「ISIS(イラクとシリアのイスラム国)」の別名。国際テロ組織アルカイダの分派で04年イラクで結成後、シリアのアルカイダ系武装組織「ヌスラ戦線」を統合。現在の呼称は一致しておらず、欧米メディアは、「ISIS」および「ISIL(イラクとレバントのイスラム国)」を使用。日本メディアは、「IS(イスラム国)」を使うことが多い。組織側は14年、ISISおよびISILの呼称を廃止。イスラム国家の樹立を宣言し、自らを「IS(イスラーム国)」と命名。国際社会からの承認を得ないまま、税金の徴収、省庁、警察組織の創設、独自パスポートの発行を実施、独自通貨の発行を計画し、国家の体裁を整えつつある)

 (過激派の)資金源について言えば、国際連合軍がアフガニスタンに駐在して以来、麻薬の製造は数%どころか数倍に増加しています。麻薬だけではありません。あなたが方も知っての通り、テロリストは石油の販売からも資金を得ています。テロリストの統治下にある地域で生産される石油は、不当廉売されます。彼らから石油を買う者は利益を得ますが、彼らは、自らが支援するテロリスト達が、いずれ自分の土地を侵略し、破壊しにやって来ることを考えもしないのです。
 
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