日本人と縄文体質
298666 縄文文化と樹木1〜ナラ・ブナ1〜
 
匿名希望F 14/12/01 AM00 【印刷用へ
『縄文文化の森・一部(「森の日本文化)安田 喜憲著抜粋)」(リンク))』よりご紹介します。フナナラと言われる樹木と我々の関係の歴史は長い。縄文時代初期からこの温帯の落葉広葉樹は、ドングリを実らせ、食用となり、土器の発達に関与しているようです。
------------------------------------転載
■@ナラ林文化と縄文文化
●森の文化の原点はナラ林文化 (気候と人間)
 日本文化は、いったい何時頃からナラ林と深い関わりを持ち始めたのであろうか。それは凡そ一万三千年前頃の晩氷期と呼ばれる氷河時代の終末期にまで遡る。それ以前の氷河時代においても、亜間氷期と呼ばれる比較的温暖な時代には、ナラ林の拡大した時代が存在したことが明らかになっているが、そうしたナラ林と岩宿文化との関わりは、今のところ明白ではない。

 氷河時代の一万八千〜一万三千年前、東日本を代表する森は、エゾマツ・アオモリトドマツ・コメツガ・五葉マツなどの亜高山帯針葉樹の粗林であった。西日本では冷温帯林の分布域となっていたが、それは主としてヒメコマツなど五葉マツの粗林と、ミズナラなどの落葉広葉樹を混合した森林だった。そして岩宿時代のナイフ型石器をもつ人々の主要な居住舞台は、こうした粗林の間に展開する草原であった。

 ところが、約一万三千年前、北緯40度以南の日本海側の多雪地帯を中心として、ブナの温帯の落葉広葉樹が拡大を始めた。しかし、北緯40度以北の日本海側や東日本の太平洋側は、カバノキ属やハンノキ属が優先し、北海道は依然として亜高山帯針葉樹林に覆われていた。又、西日本の太平洋側もヒメコマツなどの五葉マツ亜属やナラの優先で特色付けられた。そして、南九州や南四国には照葉樹林が北上を開始していた。

 晩氷期のこの時代、ブナやナラの温帯の落葉広葉樹の拡大地域が、日本海側に中心がかたよっている原因の一つは、雪にあると考えている。凡そ、一万三千年前頃、気候の温暖化と共に海面が上昇し、対馬暖流が流入を開始した。このため現在の多雪地帯から、まず降雪量の増加が始まった。これによって、北緯40度以南の日本海側の多雪地帯では、ブナやナラを中心とする温帯の落葉広葉樹に適した海洋的気候が成立し始めた。まずナラ林が拡大し、遅れてブナ林が拡大した。そして注目されることは、日本最古の土器が、このドングリのなる温帯の落葉広葉樹林が最も早く成立しやすかった北九州で発見されていることである。目下のところ、日本最古の土器は、長崎県泉福寺洞窟遺跡の豆粒文土器(12400年前)や福井洞窟遺跡の隆起線文土器(12700年前)である。日本最古の土器が出現する時代が、日本海に対馬暖流が流入を開始し、ブナやナラ林の成育に適した海洋的気候が成立し始める時代と対応していることも興味深い。そして、こうした最古の土器文化は、日本海側を急速に北上している。現在は豪雪地帯となっている新潟県内陸部や山形県内陸部にまで、こうした土器文化の分布が見られる。このことは、当時の積雪量が現在ほど多くは無かったことを示している。
------------------------------------2に続く
 
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