生命原理・自然の摂理
297959 胎盤は無菌ではなかった。胎児の段階から継承される腸内細菌
 
日比野努 14/11/16 AM03 【印刷用へ
セルロースを分解できない牛が腸内細菌の働きによって吸収を可能とするように、人も腸内細菌が不可欠。DNA変異(分解酵素の変異)よりも、腸内細菌の獲得による方が遥かに食性の領域≒適応の可能性は広がるのでしょう。人類の場合は、人類史99.9%を占める極限的な餓えに適応するために一般生物なら手も出さないような食性を獲得してきたことからも、この時代に今の私たちに繋がる腸内細菌の体系が出来上がったのだと思います。これからの調査課題ではありますが、人類の腸内細菌は、他の哺乳類と比べても、多様な世界が広がっているように思われます。

また、腸内細菌との共生・バランスが、適応戦略であるゆえに、親から子への継承が胎児にとって何より重要なのだと思われます。これまで胎児は無菌状態であると考えられていましたが、既に胎盤にも細菌が存在し胎児の段階から腸内細菌が継承されていることが明らかになってきています。また胎盤細菌は、出産のタイミングすらも関与しているともあり、細菌の働きによって生体がコントロールされているといっても過言ではないでしょう。


〜健康ニュース〜
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■胎盤は無菌ではなかった。 早産にも胎盤細菌が関与か

(2014年5月) 胎盤はこれまで無菌である(胎児が無菌状態で育つ)と考えられていましたが、"Science Translational Medicine" 誌に掲載された米国の研究によると、健康な妊婦の胎盤にも多様な細菌からなる小さなコミュニティーが存在します。

 胎盤に存在する細菌の大部分は人体に普通に存在する善玉菌で、胎盤の細菌の有無が早産のリスクに関与している可能性もあります。

赤ちゃんが生まれるときに母親の細菌が赤ちゃんに移りますが、普通分娩で生まれた赤ちゃんと帝王切開で生まれた赤ちゃんとでは細菌の種類が異なることが知られています。

これまでの研究でも母親から赤ちゃんへの細菌の移動が体内で既に始まっている可能性は示唆されていましたが、それでも胎内は無菌であると考えられてきました。


■帝王切開で生まれた子供は腸内細菌が不足し、免疫系の発達に支障をきたす

生後の赤ちゃんの腸内に住む細菌は、分娩時に赤ちゃんが母親の産道を通ったときに赤ちゃんに移動するのだと従来考えられてきましたが、研究グループの以前の研究によると、膣に住む最も一般的な細菌ですら、新生児の最初期の腸から見つかる細菌と合致していません。 そこで「赤ちゃんの腸内細菌はどこからやってくるのか」という疑問が生じたのです。

今回の研究では、細菌の DNA を調べる技術を用いて320の胎盤サンプルを分析し、胎盤に存在する細菌の種類と量を調べました。

 胎盤に住む細菌の数は人体の他の場所に比べて少なく、住んでいる細菌もヒトの腸に普通に見られる E. coli などでしたが、驚いたことに胎盤の細菌叢に最も良く似ているのは口腔の細菌叢でした。

このことから、母親の体において、口の中に住む細菌が血流中に入り込み、それが胎盤にまでたどり着くのではないかと思われます。


■歯周病の妊婦では早産や低体重児のリスクが増加

研究者によると、胎盤に住む細菌は種類によって様々に異なる作用があるようです。 例えば、栄養分の代謝(栄養を胎児が吸収できるような形に変えているということでしょうか)を行う細菌や、イースト菌(胎児にとって有害?)や寄生虫に対する毒性がある細菌、早産の抑制などです。

 早産だった妊婦から採取された89の胎盤では、有益だと思われる細菌のうち数種類が顕著に少なくなっていました。
 
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