ジャーヒリーヤ時代のアラブ世界で人にあらざる存在であり、なおかつ人のように思考力をもつとみなされる存在、すなわち精霊や妖怪、魔人など一群の超自然的な生き物の総称である。(Wiki リンク)のジンという存在。イスラム無明時代のアラブ人の崇拝対象であったという。クルアーン自身は認めているという。イスラムは遊牧民族でありながら、共同体を残存させた民族とするならば、人類が最初に畏怖の念をもって自然を対象化しようとした精霊信仰は、存在すると考えられる。また、彼らのイスラム以前や以後の観念を形作る最初の精霊信仰は、高い自然外圧や同類闘争圧力の違いにより、その視点がかなり異なると思われます。日本では精霊や自然は恩恵を与え、恐怖を感じる対象であり、全てをつかさどる全的な超越存在でありましたが、神の一ランク下の存在と認識され、悪さする存在であるという認識が高かったように思います。
悪魔や精霊達(リンク)のサイトからご紹介します。
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千夜一夜物語の中で度々登場するジン。
ジンは精霊とも悪鬼とも訳され、悪なすのか善をなすのか 定かでないように思います。
千夜一夜物語に沢山の精霊が出てくる理由として考えられるのは
@インド・ペルシアの多神教の神々の活躍をアラブで説明 するときに精霊に置き換えられた。
Aアラブで古来から盛んに精霊信仰があったことがあげら れます。今でも中東の人は精霊を信じています。コーランに精霊は いると書かれているからです。
精霊はあらゆるものに化け人を惑わします。
イスラム教の成立後はこのような行為に及ぶ理由として、神に逆らい人間の傍に暮らす ようになったからとあります。
イスラム教が成立してからは精霊にキリスト教の悪魔や天使の要素が絡み 更に複雑になりました。
悪魔や精霊は人間と同様に「最後の審判」を受けるそうです。
精霊とはどんな生き物なのか:
人間は神が土から造りましたが、精霊は神が炎から造りました。
神は精霊に人間に仕えるように命令しましたが、土からつくられた人 間になど仕えたくないと反旗を翻したのが悪魔やイフリートといわれています。
命令に従ったのが天使といわれる精霊だったかと思います。(天使は光から造られたという説もあります)
精霊はあらゆる点で人間よりも優れています。
しかしソロモンにだけは敵わず、鎖でつながれたり、箱詰め、瓶詰めにされたりしました。 (『黄銅の城』に出てきました。)
アラジンのランプの精も恐らくソロモンに閉じ込められたのでしょう。 『ソロモンの護符』はこの辺りから来ているのでしょうね。
赤い精霊は強くて悪い精霊だとか、マリード・イフリート・サタンの順に強い等、 精霊には階級があって調べてみると楽しいです。
『アブー・イスハーク・イブラーヒーム・アルマウシリーと悪魔アブー・ムッラの物語』 では悪魔によって霊感をもたらされます。
>優れた才能は神か悪魔の啓示があったからに違いないと思う話は よくありますよね。
イスラーム辞典からの抜粋です。
”ジン に取り憑かれた人をマジュヌーンといい、その語は後にもっぱら「狂人」の 意味で用いられるようになったが、取り憑かれたジン の種類によってその特徴は異 なる。マジュヌーンの一般的特徴は雄弁多才なことだとされ、詩人、歌手、巫女、占 い師、説教師などは触霊によるとみられた。しかしジン の中にはムスリムのジン もあるので、こうした善性のジン に啓発された者は、ムスリム社会にとっても益をもた らすのであり、狂人が「聖者」扱いされる例がみられるのは、この観念の反映であった。”
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