世界各国の状況
296930 中国の軍事費年12%の伸び率は異常か?
 
山根教彦 ( 25 大阪 会社員 ) 14/10/23 PM07 【印刷用へ
中国の2014年の国防費予算は8082.3億元(約1317億ドル)で、前年比12.2%(約150億ドル)の増加。
5266億ドルのアメリカに次いで2位である。3位以降のイギリス・フランス・ロシア・日本が500億ドル台なのに対し、あまりに異常な数値を示しているように見える。

調べてみたところ、結論としては、中国の経済成長に起因するものであり、
ここ数年の国防予算のGDP比は2%程度で推移しており(アメリカは4.7%、ロシア3.9%、日本1.0%)、年12%の伸び率は米国、日本などにとっては大きな数字ではあるが、中国にとっては異常値ではないということが分かる。

とはいえ、中国はこの経済成長に合わせて、軍事兵器の生産技術が高まり、通常兵器の輸出額がフランスを抜き世界4位に躍り出ている。無人機などハイテク兵器をアジア、中南米など35カ国まで、販路を拡大している。

現状、中国の軍事費には急速な発展または軍事的野心の強化の兆しはまだ見られない。
しかし、中国は虎視眈々と世界各国、あるいは金貸し勢力と戦う力を蓄えているのではないだろうか。

<参考>
@日本の武器輸出新原則と増大する中国の軍事費 (20140405) リンク
■中国の国防予算に関するストックホルム国際平和研究所の最新データ
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のサイトに掲載された中国の国防予算に関する最新データについて、以下にまとめてみた。中国政府は3月4日、全国人民代表大会に2014年度の予算を提出した。

今回全国人民代表大会に提出された2014年度予算の総額は2兆5,000億ドルに上り、そのうち国防予算は1,320億ドルだった。この数字は2013年の国防予算に対して12.2%の増加となる。国防予算額は中央政府の歳出だけを表しているように見えるが、実際その中には地方政府の予算も含まれている。

■中国が軍事力の近代化を重視する理由
中国は現在、世界第二位の経済大国であり、世界の大国と見なされている。中国の軍事費の著しい増大とそれと並行して進められている軍事力の近代化は、それと同時に起こっている急速な経済成長を反映している。実際、中国の公式な政策においては、軍事力の近代化は国内の経済発展次第であり、また経済発展よりも下位の優先順位となっている。

中国の軍事費は過去十年間に経済成長率とほぼ同じ水準で増大している。そのため、軍事費の対GDP比はかなり安定した数値を保っている。中国は2014年のインフレ率を3.5%に設定している。この数値の場合、国防予算が名目上12.2%増大したとすると、実質的には8.4%の増大という計算になる。これは経済成長率7.5%という目標数値をわずかに上回る数字だが、この数値の差は一般的なトレンドが変化したことを表すまでのレベルではない。

中国の2014年度の国防予算は中央政府の予算総額の5.3%に当たる。これは2013年の5.1%と比べてわずかに増加しているが、これも大きく変わっているというわけではない。いずれにしても、経済成長優先という軍事の相対的な位置づけが変わっていないことは確かであり、経済面での不平等や環境破壊といった多くの重要課題を抱えている中でも、その相対的な重要性はわずかに増しているかもしれない。

A中国が世界4位の武器輸出国に (2) (20140319) リンク
中国が少し前に公表した軍事費の伸び率も再び取り上げられている。
ある仏紙は「アジアは近年、世界の軍備・武器輸入の注目地域であり続けている。
1つには、かねてより地政学的駆引き地帯であるため、長年の摩擦や紛争が多い。
もう1つには、この地域では中米の競争が日増しに激しくなっており、中国の軍事費が1992年から現在までに7倍に増加したことも、周辺国をさらなる武器・装備輸入へと促した」と指摘した。

あるオーストラリア誌は「より理性的に統計を分析する」よう提言。「中国の軍事費の名目成長は昨年と大して変らず、実際には2000年以降の平均伸び率(15%)を下回る。これは中国が軍事大国として台頭していることを否定するものではないが、重要なのは、少なくとも現状を見ると、中国の軍事費には急速な発展または軍事的野心の強化の兆しはまだ見られないということだ。年12%の伸び率は米国、日本、またはオーストラリアにとっては大きな数字だが、中国にとっては正常だ」と指摘した。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_296930
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
超国家・超市場論1 新しいまつり場は、国家と市場を超えられるか?
超国家・超市場論2 闘争(能力)適応 と 共生(取引)適応
超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ
超国家・超市場論4 同類闘争の圧力と共認統合の限界
超国家・超市場論5 私権闘争・掠奪闘争をどう止揚・統合するのか?
超国家・超市場論6 生存圧力に基づく同類闘争から、同類圧力に基づく同類闘争=認識競争へ
超国家・超市場論7 私権闘争を統合した 力の序列共認
超国家・超市場論8 国家(力の序列共認)と その統合限界
超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である
超国家・超市場論10 何をするにもお金がかかる社会
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある
超国家・超市場論13 人類の新たな活力源=圧力源
超国家・超市場論14 外向収束⇒認識収束に応える『認識形成の場』
超国家・超市場論15 『認識形成の場』こそ、新しい社会統合機構の中核である
超国家・超市場論16 ゼロから、自分たちの『場』を作る活動
超国家・超市場論17 新しい社会統合機構が、国家機関を吸収・解体する
超国家・超市場論18 認識形成の『場』を構築することこそ、真の社会活動である
超国家・超市場論19 もう、傍観者=インテリ統合階級は、要らない
超国家・超市場論20 認識形成は遊びではない、生産活動である。
超国家・超市場論21 『認識形成の場』が、なぜ有料化されるべきなのか?
超国家・超市場論22 お金は、現実の必要度を測るモノサシ
超国家・超市場論23 『必要か、必要でないか』という真っ当な判断の土俵が出来てゆく
超国家・超市場論24 必要か否かの『判断の土俵』が、国家と市場を呑み込み、解体し、再統合してゆく
超国家・超市場論28 新しい可能性が顕在化するとは、どういうことか?
超国家・超市場論29 新しい『場』は、古い評価指標の洗礼を受けて、はじめて顕在化する
超国家・超市場論30 実現の論理
判断の土俵と解体・再統合 大学の例
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
社会統合組織の史的総括 国家と教団
社会統合組織の史的総括 市場と演場
大衆の期待の変化に応じて統合力も変わってゆく
マイナス原因構造とプラス実現構造という両輪
支配階級の私有権は絶対不可侵だが、庶民の私有権は剥奪され得る

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp