日本を守るのに、右も左もない
295756 企業と地域社会の関係はどうあるべきか?(1)
 
岩井裕介 ( 42 山口 再開発プランナー ) 14/09/23 PM10 【印刷用へ
○「企業」と「地域社会」との関係は、これからどうあるべきか? 
○「事業体」⇒「地域」⇒「社会統合(国家)」という社会構造を考えた場合、事業体≒企業は社会の基盤(基礎単位)となる存在であり、地域社会との関係は極めて重要である。
○ところが現代の多くの大企業は、グローバル化を標榜するなど、地域に根ざすこととはむしろ逆へ向かっているように思われる。国の政策も同様であり、いまだ経済至上の旧いパラダイムにある。これでは地域社会は衰弱する一方である。
○一方で人々はこうした大企業やお上に背を向けはじめているように感じられる。意識の奥底では地域・社会の「秩序崩壊の危機」を感じ取り、自分たちで何とかしなければという、「自給志向」「自考・自行志向」が急速に高まっている。
○こうした本源回帰の潮流から、何かやりたい(実現期待)、自分たちで地域を守るといった意識を反映して、中小ミニ規模でのコミュニティビジネス、地域密着の社会事業が登場し注目を集めている。


■1.近代以前:生産も消費も概ね地域に根ざした事業体        

・日本には100年以上の歴史を持つ老舗企業が多い(世界でも極めて特異)。近代以前の事業体は、労働力・資源(生産)においても、商品市場(消費)においても概ね一定の地域に限定されている場合が多い。
・もちろんすべて自給自足というわけではなく、地域毎の産業集積、特産品も当然あるが、地域間分業の範囲である。もともと生活品は使うところの近くで適正な分業体制と規模でつくるほうが合理的である。つまり生産も消費も概ね地域社会に根ざした行為であったと言える。
・一方、市場(商業、商人)は地域・国家を越境するという本質も存在する(こっちで安く入手してあっちで高く売るetc)。ただしその特質が現れるのは嗜好品・贅沢品の類であり、生活品・必需品はもともと一定の地域内で生産消費が賄われるのが自然であった。

※参考投稿 
日本人の資質(勤勉性・共同性・充足性) リンク 
老舗企業の技術革新 リンク 


■2.近代工業化〜経済成長期:市場拡大に支えられた企業と地域の共依存関係                     

・企業と地域社会の関係が大きく変わるのは、近代工業化の時代である。
・大量生産の必要から、大量の資源・エネルギー、生産設備、労働力が集約される体制へ。工業地帯・工業団地の開発などが典型的である。一方で大量の商品を売る市場、消費の場は都会が中心となる。つまり、生産の場と消費の場が分化してゆく。
・生産を担う企業と地域社会との関係で言えば、企業は労働力や資源(土地、インフラなど)を期待し、地域は雇用と経済効果(税金、消費など)を期待、依存するという関係である。企業と地域の共依存、取引関係であるが、市場が拡大し経済が成長している間は双方に利点のある好循環をもたらした。
・企業の側も生産のために地域を利用するというだけでなく、企業城下町という言葉が典型であるが、企業が中心となって地域社会をつくる、地域全体の面倒を見ていくといった気概、器量も見られた。
・企業と地域の関係で特殊な事例では、原発誘致がある。原発を誘致した地方は、多くの雇用が保証され、補助金・交付金によってとても豊かになってゆくのだが、それによって原発なしでは生きて行けない地域となってしまった。経済=お金に依存しすぎると地域社会の自律性は損なわれてゆくという教訓でもある。

※参考投稿 
日本の建設産業・都市の未来はどうなる? リンク
日本の戦後産業史−1−1945〜1970年:市場拡大のメカニズム リンク
 
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