今まで、私たちは学校・社会で石油有機由来説を教えられ、地層的に化石が少ない日本は、石油も天然ガスもない無資源の国であると信じ込まされてきました。そして、石油枯渇という危機を煽ることで、化石燃料から原子力へとエネルギー転換を強いられてきました。
そもそも、この石油有機由来説は本当なのでしょうか?
近年、注目をされているのが有機由来説とは真逆の無機由来説です。
この説は「地球の深部に元々ある炭素元素と水素元素が染み出し、湧き上がってくるものである。」という説で、地球上どこでも徹底して深く掘れば必ずや石油が見つかし、特に大陸のプレートの境目が比較的浅いところで見つかる、というものです。
つまり、石油・天然ガス・石炭の由来は、太古の生物の死骸(有機起源説)ではないという事です(※もし、この説が本当であれば、日本列島はプレート境界にあり実は適地ということになります)。
そもそも、石油“無機”由来説は、旧東側諸国では従来から定説とされていた学説でしたが、旧西側諸国では、定説とされてきた石油“有機”由来説に真っ向から反対するものであったため、長く顧みられることがなく、その後トーマス・ゴールドが取り上げたことで、西側諸国でも脚光を浴びることとなりました。
天文物理学者であるゴールドの説く石油無機由来説は、
・惑星が誕生する際には必ず大量の炭化水素が含まれる。
・炭化水素は地球の内核で放射線の作用により発生する。
・この炭化水素が惑星内部の高圧・高熱を受けて変質することで石油が生まれる。
・炭化水素は岩石よりも軽いので地上を目指して浮上してくる。
というものである。
無機成因論の根拠としては
・石油の分布が生物の分布と明らかに異なる(生物化石がない火山由来の岩石の中から原油が見つかっている)。
・化石燃料では考えられないほどの超深度(5,000m以上)から原油がみつかっている。
・石油の組成が多くの地域でおおむね同一である。
・ヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなど、生物起源では説明できない成分が含まれている。
などが挙げられる。
この無機由来説に基づけば、一度涸れた油井もしばらく放置すると再び原油産出が可能となる現象を説明することができます(※実際、ロシアは枯渇した油田を再度掘り直して甦らせているそうです)。
また、超深度さえ掘削できれば、日本はもちろんのこと、世界中どこでも石油を採掘できる可能性があることになり、膨大な量の石油が消費されたとしても、掘削技術の問題さえ解決されれば枯渇する危険性はほぼ皆無であるとされているのです。 |
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