試験・身分制度の根深い害
295511 【書籍紹介】『メディアとプロパガンダ』(ノーム・チョムスキー著)〜世論なんてちょろい 〜彼らが政府・企業と結託する理由
 
ムカシ若者 ( 海の彼方 ) 14/09/18 PM02 【印刷用へ
295510のつづき

リンクから一部引用

***
エリートは「合意の捏造」がお好き

本書は月刊誌に掲載されていた、チョムスキーの短い論考からなるメディア批評である。メディアの発する情報がいかに権力に依拠し、国民を無力化と無関心に誘うかを事例に即して批判している。その上で、まず指摘するのは、アメリカのメディアの特徴だ。

〈支配政権を疑ってみるという、この仮説はだれでも何も知らなくても構築可能なものなのに、それを表明することは許されず、その証拠を議論することもできない〉
なぜならメディアには、〈自分で独自に考えて異議を申し立てる人を厄介者扱いして除去するさまざまなシステムが完備されている〉。

しかも、高い知的訓練を受けた人ほどそうなる可能性が高いというのだが、それは高等教育という、「合意の捏造を育む馴致機関」によって、すっかり教化されているからだと推測している。

「合意の捏造」とは聞き慣れない言葉だが、これはマッカーシズムやベトナム戦争への批判で知られるジャーナリスト、ウォルター・リップマンの造語だ。リップマンによると、民主主義は「合意の捏造」と呼ばれる統治に関する実践的な技術を開発したという。これにより物事を単純な善悪の問題に作り替えておいて、民意を問う。あるいは、感動しやすいストーリーを作り上げ、それに浸らせ、事実から目を背けさせることができる。

そもそも間接制民主主義には、国家の行く末を左右するような重要な意思決定や公益について、民衆は理解し、冷静に判断することができないのだから、政治家やテクノクラートといった専門家に任せるべき、というエリート主義が孕まれている。

エリート主義的な指向をもつ指導層にとって、民主主義国家の健全な運営のために必要なのは、あくまで民衆を形式的に選挙に参加させることであって、無知な大衆を政治上の選択に関わらせることではない。

チョムスキーによれば、「アメリカ合衆国憲法の父」と評される、第4代アメリカ合衆国大統領・ジェームズ・マディソンは1787年、憲法制定会議で「富裕な少数派を多数派から守ること」と発言。また、建国の父のひとり最高裁初代長官のジョン・ジェイは「国家の運営は所有者にまかせるべき」と言い放った。

こうした国家を領導するエリートは、政策実現のためならば、「合意の捏造」もいとわない。とはいえ、「合意の捏造」自体は、いかにも権力者が考えそうなことであり、それを非難したところで、目新しくはないだろう。

だが、アメリカのメディアの特性は、統治技術としての「合意の捏造」を産業として確立させたことだ。民衆を宣撫する工作をプロパガンダというが、それを産業化したのがテレビ、新聞などの大手メディアというわけだ。

***引用終り
これは、アメリカの問題ではない、日本の現実とも言える。
 
  List
  この記事は 295510 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_295511
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
「経済破局に至る基本構造」
銀行国有化しかない
金貸しの没落=私権原理の終焉
2008年、世界金融危機は何を意味するのか?
西欧近代:宮廷ユダヤが王族への借金をカタに近代国家システムを形成
日本銀行の通貨発行の仕組み
影に隠れて暴走してきた金貸しの支配が明るみになった
TPPをめぐる俗論を反証する@〜横行する数字のトリック、おかしな議論への反証
TPPをめぐる俗論を反証するA〜「国益VS農業保護」論は、国益に反する
国破れてTPP在り
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼル@
忘れられた経済学者シルビオ・ゲゼルA
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(2)カール・ポランニー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(3)ミヒャエル・エンデ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(5)エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(7)サティシュ・クマールその2
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(8)ヴァンダナ・シヴァ
脱金貸し支配・脱市場原理の経済理論家たち(9)宇沢弘文
江戸時代の思想11 大衆支配のための既成観念を全的に否定し、新概念を創出しようとした安藤昌益
現状の経済システムに問題あり
作られた物欲
過剰消費のもう一つの理由
消費社会と受動社会がつくり出す、矛盾と危険性
国債残高
貨幣の問題をめぐってC
貨幣の問題をめぐってD
長期金利の上昇は本当に起こるのでしょうか?
市場「原理主義」の限界
市場は等価交換ではない、外部不経済を捨象している
等価交換など存在しない
消費の自由のいかがわしさ。
消費が変わる。消費を変える。
「所有価値」から「利用価値」への転換
市場社会は人間の欲望を飽くことなく増幅させるーーー金銭犯罪の五つの類型
フェアトレードは市場拡大の幻想取引ではないか?
自我経済学から共認経済学へ
「需要発から供給発へ」
諸外国の公共事業民営化はなぜ失敗したのか?

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp