素人による創造
294733 追求のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 14/09/01 PM07 【印刷用へ
では、なぜ、勉強や仕事が強制課題になってしまったのか?
国家が登場し、私有権が成立すると、社会の物財はすべて私有の対象となり、私権(地位や財産の占有権)を獲得しなければ生きてゆけなくなった。そこでは、誰もが私権の獲得に収束する。その結果、この社会は私権追求の圧力で満たされるが、この私権圧力は否も応もない(それを獲得しなければ生きてゆけない)絶対的な強制圧力である。
しかし、本能や共認機能を源泉とする本源主体にとって、私権社会は全面的に不整合な世界であり、本源主体を私権圧力に整合させることは、原理的に不可能である。従って、私権圧力に対応するためには、どこかで出来合いの私権観念を導入し、折り合いをつけて(=私権圧力に部分的に整合させて)生きてゆくしかない。そこで、折り合いをつけるべく、良く聞くのが「がんばる」という言葉である。
しかし、それは諦めと妥協の私権観念であり、それでは全身全霊をかけて何かを自考し続けることなど、出来ない。しょせん仕方なく勉強(仕事)しているだけなので、本来の力の半分以下の力しか出せない。あるいは、部分的に整合させているだけなので、すぐに崩れて「がんばる」と言いながら頑張れない。

ところが、実は、1970年に豊かさが実現されて以降、私権圧力はどんどん低下してきている。今や、自然志向や健康志向や節約志向が(つまりは脱市場・脱私権の潮流が)最先端の潮流となり、私権圧力はとことん衰弱してしまっている。つまり、すでに「がんばる」と言っても何の為に頑張っているのか訳が分からなくなっているのが現状である。
ならば、そんなものは捨てれば良い。ここまで私権圧力が衰弱してしまったのなら、もはや諦めと妥協の私権観念など無用の長物である。私権観念を捨てれば、人類本来の本源主体が姿を現す。その本源主体に立脚して、秩序崩壊の危機に瀕しているこの社会を対象化すれば、誰の心にも『社会を守る』⇒その為には『世界を掴む』という志が芽生えてくる。
そして、ひとたび『世界(の構造)を掴んでやる』という大志が芽生えれば、教科書は認識の宝庫に変わる。教科書だけではない。全ての情報が学びと自考の対象となる。
例えば、勉強するにも、「本能と共認機能の表出である言語というものの真髄を掴んでやろう」「世界を数量的に整合させる数学というものの本質を掴んでやろう」「歴史の背景にある必然性を掴んでやろう」「自然現象の背後にある法則を掴んでやろう」等の目的意識(志)をもって各教科に挑戦すれば、未知収束⇒自考回路が作動して、自考力が急速に上昇してゆく。

類塾の自考型教育が目指すものは、それである。それは、明治以来の「教える→分かったつもり→自考停止」の悪循環を断ち切り、新しい自考力の時代に対応する最先端の試みである。
その目的は自考力の形成にあるが、未知なる世界への収束と自考の意志は、(先に見た『大志』がそうであるように)人々の期待に同化する中で形成される。その点、自考という言葉は、共認とは逆の自閉的なイメージを与えるが、事実は逆で、自考の原動力となるのは人々への同化と応合、つまり共認充足そのものである。
また、自考型授業というと、「それなら自分でやる」という生徒がいるが、実は一人では自考は続かない。なぜなら、上述したように、サル・人類の未知収束⇒自考回路は、共認充足や自考充足と一体になって作動するものだからである。だから、みんなとの課題共認や自考共認、あるいは『社会を守る』⇒『世界を掴む』という目的共認、更にはみんなからの「気付き」の発信などの刺激が、自考し続ける上で不可欠の条件となる。
それに、みんなと一緒に自考するのは楽しい。そこには、人類本来の未知収束⇒自考充足の世界がある。更に、その中で『社会を守る』⇒『世界を掴む』という志が芽生えれば、全身全霊を傾けて自考し続けてゆく地平が拓(ひら)かれる。つまり、100%の力を出し切ることができるようになる。
新しい世界に向かって、共に自考力を磨いていこう。
 
  List
  この記事は 294732 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_294733
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
先を読もうとすることで、全力で思考を動かすことができる! 「男と女の職場話」 16/01/26 PM02
307101 勉強への興味を失いかけた中学生 ⇒突破口は(強制でなく)自考を促す言葉 匿名希望 15/08/23 PM01
304911 「あなたは今日何をやるんですか?」 〜自考力・自己決定力を培うための集団内の習慣〜 竹村誠一 15/06/13 PM03
303872 マスコミ支配の現代,自考力は必要不可欠な能力 小平健介 15/05/11 PM00
300224 できるリーダーになりたかったら【1】毎朝、声に出して読みたい金言≪論語の言葉≫ 岡本誠 15/01/14 PM07
299974 大人は無能を自覚し、子どもたちに学ぼう 今村恵 15/01/07 PM03
299877 努力が成績に結びつかないのは、勉強が強制課題化しているから 匿名希望 15/01/04 PM08
298061 「頑張る」のではなく「掴む」のだ 多田奨 14/11/18 PM07

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、43年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp