次代の活力源は?
294049 福祉施設の農業への取り組み
 
山田徹 ( 会社員 ) 14/08/18 AM01 【印刷用へ
農業は生活に必要な仕事で、国民の期待も強く、雇用を広げる有力な手段だと思います。また、農業は集団作業で、人と人と結びつける役割もあり、高齢者の健康維持にも役立ちます。
そのような視点で、福祉施設と農業の取り組みについて、紹介します。

農業と福祉〜全国の先進事例を参考に
リンク
より、以下引用。

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◆福祉施設の作ったチーズが世界の一流ブランドに
 
 福祉施設の農業への取り組みを調べました。私はそれらの実践例は四つに分類できるのではないのと思っています。第一の分類は日本を代表する世界に誇れる農業、いわば成功している事例です。北海道新得町にあるNPO共働学舎の例で、宮嶋望さんが、30年くらい前から知的障害者など70人と一緒にやっている牧場です。農業組合法人としていろいろな立場の人たちが共同生活をしています。米国の大学を出た宮嶋さんが工夫して作り始めたチーズが、今では「さくら」をはじめ一流ブランド製品になっている。東京駅の前に北海道のアンテナショップがありますが、そこで一番売れているのがこのチーズです。2年前の洞爺湖サミットで各国の首脳にも出されました。

 それから企業的な成功をしているのは八ヶ岳の麓にある施設、社会福祉法人緑の風です。武田薬品の役員を務めた武田和久さんが始めたものです。大変自然環境の良いところで、花も栽培し、自然農法による小麦の栽培もしています。武田さんは経営者として辣腕を振るわれたので、知的障害者の就労場所としても、経営的に満足のいくものにしたいと努力をされています。千代田区役所1階ではパンの販売もされています。
 
◆地域の活性化、まちづくりにつながる取り組み
 第二の分類は、まちづくり、まち全体を巻き込んで農業をやっているケースです。社会福祉法人フォーレスト八尾会の試みです。おわら風の盆で有名ですが、富山県八尾は絹の名産地の一つでした。そこで桑の栽培を始めました。今さら養蚕はできませんので、桑の菓子を作り、桑は大変健康に良いので桑茶も作って販売しています。桑茶は地元の老舗の薬屋さんの広貫堂の協力を得て、地元の名所として喫茶店の経営などもしています。まちづくりとしてうまく農業を使っている例だと思います。

 もう一つの例は、岡山県玉野市にある社会福祉法人同仁会のぞみ園です。ここは最近、雑穀のアワ、ヒエを作っています。地元の農家の人たちが自分の畑も使ってよ、と技術指導も一緒にやってくれる。地元を巻き込んでまちおこし、まちづくりの一環としてこれがうまく回りつつあります。

  第三の分類は三重県四日市の呼夢です。知的障害者が働いていますが、成功のポイントは餃子の材料にする低農薬の野菜づくりです。白菜、ショウガ、キャベツ、ネギを調理して水餃子の中身に使われています。野菜を作るだけでなく餃子まで作っていて、大変評判が良いのです。

  四番目は園芸農法の実施、地球温暖化防止など、環境によいことをする取り組みです。私は社会福祉法人済生会の理事長ですが、山形市でやっている済生会のながまち荘では、園芸療法で効果をあげています。岡山市の社会福祉法人旭川荘では、節電対策、地球温暖化防止をねらって、窓辺に600本のゴーヤを植え、そして1万粒のゴーヤの種を採取して近所の人にも配っているそうです。
 
成功のための四つの条件
 
 以上のように成功しているケースから条件を四つにまとめてみました。一つは農作物の差別化です。やはり売れるものを作る。ジュンサイ、たらの芽、キノコ類は商品価値が高くなります。それから、無農薬の野菜づくり、放し飼いで鶏を育ててみる。安全・安心であるということで高く売ることができます。二つめは、農産物の付加価値を高める商品化も大切です。例えば、お米は生産者価格で60sが大体1万円だと思います。しかし米60sをおにぎりにすれば1,500個作れます。1個100円とすれば15万円になります。15倍です。三つ目に販路の確保です。社会福祉法人は苦手とするところですが、公的機関、役場、生協、企業との協力・連携で成功することができるでしょう。四つめは、技術面の指導者が必要です。マニュアルがたくさん出ていますが、ぬくもり福祉会たんぽぽ(4〜5ページ参照)では農業ソーシャルファームの実践マニュアル、技術指導もあります。こういうものを活用していくのが大事だと思います。
 
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