近代科学を切開する
292613 エントロピーはゆらぐ-決定論の世界から抜け出す新たな構造論−
 
Sugafield ( 24 建築設計 ) 14/07/21 AM01 【印刷用へ
微生物による特殊条件下での、生体内核変換や常温核融合が現代物理学や現代生物学では否定されています。
その、論拠として挙げられているのは「何かの現象が起こるとき、エントロピーは必ず増大する。また、勝手に減少する事は無い」という法則です。

しかし、1977年にノーベル化学賞を受賞したロシア出身の科学者イリヤ・プリゴジンは、既存物理学から導かれる古典的予測ではなく、実際の観測から論理をまとめ上げ、物質はランダムに動いているだけであり、エントロピーが増大するのは、増大する確率が高いだけであって、逆の傾向も存在している可能性もあるという論を完成させました。


エントロピーの増大が絶対の原理でないとすれば、いままで解明できなかった様々な事象も解き明かすことができるのではないでしょうか?


以下<リンク>引用
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なぜこの宇宙には秩序や構造があるのか?その創造はなぜなされるのか?

 原子は放っておけば、無秩序に向かうとされるが、実際には放って置かれている原子などあるのだろうか?

どこかおかしい……

 少なくとも生物学的な世界はますます成長し組織を失うのではなく、より組織化されつつあるではないか!

 こうした疑問を持ち続けた化学者がいた。イリヤ・プリゴジンである。

物理学と生物学、可逆な時間と不可逆な時間、秩序と無秩序、偶然と必然を一つの枠組みにいれてその相互関係に注目するとき、雄大な理論が作られた。それは議論にあたいするのは当然だが、この場合はさらに強力で威厳のあるものとなった。

彼はその研究である「散逸構造論」で1977年にノーベル化学賞を受賞した。相対性理論、量子論以来の最重要科学的発見とされている。

 
ニュートンのモデルも当時の知的ゆらぎから派生した「文化的散逸構造物」のひとつであった。


“散逸構造論” 

ビーカーの水が底から温められて、暖められた温水だけ赤く変色し、ゆらゆら対流が起こりはじめた姿を想像してみるといい。

ビーカーの水の中にインクを垂らしてみるといい。たちまちの内にいっぱいに広がり、決して自らは元の一滴にもどることはない。

この均質さの度合いをはかるのがエントロピーだ。

エントロピーの法則では、この均質に至るプロセスは初期状態を与えれば全ては予測できるとする決定論にある。

しかし、インクは自ら水全体に広がろうとしているのではない。ただランダムに動いているだけなのだ。ではなぜランダムな動きの中から、増大という一方方向の規則性が生じるのか?

ランダムな運動は相互に打ち消しあい、残ったのもの方へ、その傾向を生じさせるのである。

つまり、増大するのは、増大する確率が高いだけであって、そのことはいつも逆の傾向も存在している可能性もあるのである。

このエントロピーに逆行し秩序を形成するシステムの可能性を「ゆらぎ」という。

無秩序と混沌の中に常にある「ゆらぎ」が「ポジティブ・フィードバック」を引き起こした時、「自己組織化」の過程を通して、混沌から秩序ある構造が自発的に生じてくるのである。そしてこれは同時に線形的決定論も崩壊させるものである。世界は決定論でもなく自由論でもなく、どちらにも働くことを示すものである。





“開放系” 

さて、もう一歩考えを進めてみる。

非平衡状態にあるほど、「ゆらぎ」による「自己組織化」の可能性が高い。

つまりエントロピーが増大すると、非可逆性が強くなる。

確かに系にわずかに含まれているゆらぎはビーカーのような閉鎖系の中ではごく短い時間でエントロピーに打ち消されてしまう。

では、ビーカーの無い開放形のシステムではどうなるのか?

そうお察しのとおり、非平衡状態が保たれるのである。

これには常にエントロピーの入力と出力の格差の部分に発生するもであり、静的状態が保たれるのでなく、動的なプロセスが保たれるのである。

内部でエネルギーを消費(散逸)させる為、散逸構造論と呼ばれる。

窓の外を見てごらん。ハリケーンがきているだろ?これも太陽からのエネルギーによって自己組織化するシステムである。つまり、自己組織化の原動力は自己強化にあるのである。つまり、ある環境下では、小さな影響は除去されずに、強化されさえするのである。
こうしたポジティブ・フィードバックとネガティブ・フィードバックの結合はパターンを生まざるを得ない。

例えば水を少しお盆に落としてみてごらん。これには重力を受けて広がろうとする力と、表面張力で水玉になろうとする第2の力が働いている。何回繰り返しても消して同じ水滴のはじけ方をしないのは、お盆の上のほんの小さな凹凸や空気中のほこりなのの微少な変化がポジティブ・フィーバックによって増幅されるからだ。
┌───────────────────────────────────────┐
| ■古典的予測                                |
| ・分子の対流                                |
| 混沌とした衝突がランダムに起こり、中間的な色になる             |
| ・分子間の影響                               |
| 分子は互いに隣り合ったものにだけ影響すると考えられていた。         |
|                                       |
| ■実際の観測                                |
| ・分子の対流                                |
| 分子の移動は規則的であり、ビーカーを上から覗けば赤い渦巻きの連続になる。  |
| ・分子間の影響                               |
| 隣あわない分子にも影響をあたえ、ビーカーのなか全体として振る舞っていた。  |
└───────────────────────────────────────┘

この観測は、イリア・プリゴジンによって「散逸構造論」としてまとめあげらて、アインシュタインの相対性理論以来の現代科学の革新となり、1977年にノーベル化学賞を受賞した。

この観測は、より生物系にしか見られないと思われていた、自然に複雑な構造を構築するという力が、非生物にも現れるという驚異の発見であった。

そしてこの発見はいままで解明できなかった様々な問題を解き明かす鍵となったのである。


<引用終了>
 
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