日本人の起源(縄文・弥生・大和)
291357 誓約(うけい)の本質とはなにか?
 
やっさん 14/06/16 AM02 【印刷用へ
日本の歴史書(日本書紀・古事記)には、誓約(うけい)という言葉が多々登場する。

「せいやく」と書いて、「うけい」と呼ぶ。

異なる部族間で手打ちが行われるときに行う慣わしであるが、現代人の感覚でいうところの「せいやく」とは意味合いが異なると考えられる。

教科書的には、誓約の意味を、「占いの結論や神に対する祈りの誓いの事だ」としているが、実は本質を知っていてその結論を表記する事を避けている向きが多いのではないだろうか?

では、いったい誓約の本質とは何か?

以下、「皇統と鵺の影人」リンクより引用します。
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古来この国では、口先だけの仲は「真の仲間」とは言えない。
この国には、伝統的に「誓約(うけい)」の概念が介在して来た歴史がある。

人間の認識など変えうるものだから本人が「これが正解」と思い込んで居るだけで、本来常識とか普通と言うものは存在しない。
そこを念頭に物事の発想を始めないと、思考の柔軟性を自(みずか)ら縛る事になる。

大抵の解説で、誓約(うけい)を安易に「占いの結論や神に対する祈りの誓(ちか)いの事だ」としているが、実は本質を知っていてその結論を表記する事を避けている向きが多い。

神話や伝説の類を良く読んで見ると、誓約(うけい)はロイヤリティ(忠誠心)を示す為のもので、誓約(うけい)の結果として新たなる神や子供が誕生する事が多い。
つまり、性交を伴う現実的な忠誠の証が誓約(うけい)なのである。

大和朝廷成立前後の古(いにしえ)の日本列島は、民族(部族)の坩堝(るつぼ)だった。

古い時代に住み着いた在来部族と、後期に渡来した進入(流入)部族の生きる為の争い。
その手打ち式が天の岩戸の宴席、岩戸神楽だった。

日向の地で決戦に破れ、高千穂の天岩戸で手打ちを行い、誓約(うけい)を持って、心身ともに和合する事で「両者統一に向かった」とするなら、ドラマチックではないか。

異民族の王同士の結婚、これは民族の和解を意味し、双方が滅びないで済む究極の和解であり民族同化の象徴である。
この誓約(うけい)の概念が、実はその後の二千年の永きに渡り日本の民(民族)の形成に大きな影響を与えて行くのである。

基本的に、人類は「群れ社会」の動物である。
人間の行動の全ては、生き行く事の恐怖心から始まっている。
食料の確保、外敵、傷病、全てが生き行く為の恐怖に繋がっているから群れて「共生」して来たのである。

人類は群れて生きる共生動物だからセッション(交流)が大事で、そのセッション(交流)の最たる形態的象徴が性交を手段とする誓約(うけい)である。

誓約(うけい)のそもそも論は「対立の解消」にあり、その究極の証明形態が契(ちぎり/性交)に拠るコンプライアンス(要求や命令への服従)の実践で、後に恋愛感情に発展する事は有っても初期の段階では恋愛感情とは全く別のものである。

誓約(うけい)のコンプライアンス(要求や命令への服従)であるそれは、群れ同士の対立を解消し和合して行くマッチング(相性/適合)の証明手段であり、群れの長(おさ/リーダー)に対してのロイヤリティ(忠誠心)や群れの仲間に対してのペイ・リスク(支払うべき危険負担の代償)だったりマーキング(烙印や標識を付ける行為)だったりする。

今日のスワッピング(夫婦交換)プレィと日本各地に存在した村落公認の「夜這い制度」におけるセックス・セッション(乱交)は筋が違う。
あくまでもこれは、集(つど)いて行為の時間を共有するセッション(共演/協議)である。

セッションには(協議や会議)の意味もあり、言わば「語らい」である所から、性行為を通じて親近感を醸成し「意志を通じ合う」と言う意味もある。
つまり「夜這い制度」や「寝宿制度」に拠るセックス・セッション(乱交)は、群れとして解り合える為の究極の手段なのである。

この国には、二千年の永きに渡り特殊な性文化が存在した。
元を正すと、縄文末期に日本列島に数多くの征服部族が渡来して縄文人(原住民・/エミシ族)を征服し、それぞれが土地を占有して小国家を打ち立てた。

その征服部族の出身が、中国大陸から朝鮮半島に到る極めて広域だった事から、被征服者の縄文人(原住民・/エミシ族)を含めそれぞれが対立したこの環境を、武力を背景にした強姦や性奴隷化ではなく、双方の「合意に拠り創り出す知恵」が、誓約(うけい)だったのである。

太古の昔、人間は小さな群れ単位で生活し、群れ社会を構成した。

その群れ社会同士が、争わずに共存するには性交に拠る一体化が理屈抜きに有効であり、合流の都度に乱交が行われて群れは大きくなって村落国家が形成されたその事情が、仲間として和合する為の誓約(うけい)の性交を産みだしたのである。

弥生期初期の頃は、大きく分けても本来の先住民・蝦夷族(えみしぞく/縄文人)、加羅族(からぞく/農耕山岳民族)系渡来人、呉族(ごぞく/海洋民族)系渡来人の三つ巴、その三っも夫々(それぞれ)に部族集団を多数形成していた。

つまり最大の政治(まつりごと)は、それらの勢力の争いを回避する手段の発想から始まり、その和解の為の最も実効があるツール(道具)が誓約(うけい)の性交に拠る血の融合だった。

そしてその誓約(うけい)の性交は、新しい併合部族の誕生を呪詛(祈る)する神事と位置付けられて、主要な「祀(祭・奉)り」となった。

語呂合わせみたいな話だが、祀(祭・奉)り事は政治(まつりごと)であり、政治(まつりごと)は性事(せいじ)と言う認識が在った。

直前まで争っていた相手と急激に互いの信頼関係を構築する証としての方法は、性交に拠り肉体的に許し合う事をおいて他に無い。

つまり日本民族は、日本列島に流入してきた異民族同士が現地の先住民も巻き込んで合流し国家を作った。
 
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