日本人と縄文体質
290792 日本社会は、父性原理よりも母性原理の強い母性社会
 
ET 14/05/31 AM02 【印刷用へ
>日本は家族(同族)企業大国であり、婿養子大国でもある。(290658)

家庭(生殖・消費)も企業(闘争・生産)も元はと言えば生殖と闘争を包摂した共同体集団であった。
市場化のなかで生産と消費の場に、それぞれ分断された。
にもかかわらず、如何に分断されようと家庭も企業も、その紐帯となっていたのは共同性であり、集団性であり、母性であった。
これは今現在も変わることのない、日本人の特質であり、可能性である。
今後の共同体社会を考える上での一つのキーワードが共同体の根幹を成す母性、母性原理ではないだろうか。


ブログ:孤高なカラスリンク〜「ハリボテの男社会」より紹介。
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日本社会は、父性原理よりも母性原理の強い母性社会だ。
つまり、社会的には父性よりも母性のほうが優位になっている。
豊かな自然で海に囲まれた島国、歴史的に母子密着、稲作農耕中心の社会。
集団主義(みんな一緒)、情緒的思考、受動的、共感・協調性・コミュニケーションの重視、安全第一、相互監視、近視眼的、場の空気の論理(空気を読む、察する)、恥の文化などといった母性・女性性が社会に基づいている。
さらに、年功序列、終身雇用制といった母性的システムによって競争力を低下させている。

母性社会だけではなく、母権社会の面も大きいのではないか。
日本では、夫の財布は妻が握って家計を管理し、夫が妻からお小遣いを貰うという家庭が多い。その家庭は少なくとも6、7割ある。
財布は夫が握り、妻は夫からお小遣いを貰うという、欧米などの専業主婦家庭事情とは違う。
欧米型主婦は家政婦・メイドに近いが、日本型主婦は官僚・管理職に近い。
妻が家計を管理するのは、江戸時代の武士家庭でもそうだったようで、世界的にも珍しい。

明治時代には家父長制が確立された。
家父長制とは、父親が家庭内の長として家族員を支配する家族形態のことだが、日本の家父長制は本当に家父長だろうか。
ルース・ベネディクトの著書『菊と刀』によれば、戦前でも、家庭では一家の金銭管理は姑(母親)がやっていた。
家風に合わぬ嫁を一方的に離縁させるのも姑である。
育児権限も母親にある。父子の紐帯よりも母子の紐帯のほうが強い。現代でも親権は母親にある。
これは家父長制としての機能がなく、見かけだけである。家父長制の中の姑中心社会、実質上母権社会と言える。

平安時代までの日本は妻問婚(通い婚)や招婿婚が行われていた母系社会だった。
鎌倉以降の武士の時代になっても、女性の地頭は少なくはなく、財産は夫婦別々、相続権は女性にもあった。
武士の時代は父系の象徴だが、その時代でも夜這いが行われていた。処女性が重んじられないと「父の子」を問う父系社会としては困るはずである。これは古代の母系社会の名残なのではないかと思える。

日本には、老舗企業や古い名家が多く残っている。
なぜこんなに老舗があるのかという理由は、『養子』制度があったからこそである。
跡継ぎには実子ではなく、婿養子・娘婿を迎え入れて家業を継がせていたところが多かった。
そのため、商家では女児が生まれることを望んでいた。有能な婿養子を選んで継がせることができるからである。
武家でも血統には拘らず、婿養子を取ることは盛んだった。
現代でも、経営者家族が婿養子・娘婿を迎えることは少なくはない。

妻が夫の姓に変える、夫の実家に入るのが一般的だが(今は核家族が多いが)、近年では、夫の親とは同居したくないというのが結婚の条件になったり、ネットの普及や交通の発達などにより、母と娘の絆が保持されるようになった。
夫婦共働きの家庭が増え、子供を預ける保育所が少ないことが問題になっている。そこで頼りにされるのが妻の母(か実家)である。姑夫より母娘が社会的に優勢になり、これからは女系社会化していくと思われる。
 
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