共認心理学:現代の精神病理
290153 性的刺激を求め続ける病気・持続性性喚起症候群(PSAS)と16年間闘った女性の壮絶な人生と、悲しい最期〜新たな社会構造の変化が生む、新たな病気か
 
戌年 ( 56 長野 会社員 ) 14/05/12 PM09 【印刷用へ
近年、何らかの原因から体のホルモンバランスが崩れることによることが原因ではないかと思われる、新たな病気が増えてきている。
この病気も、もともと正常な人ならだれでも普通に生じる性的興奮が、何らかの原因で長期にわたって継続的に起こり、欲し続けてしまうというもの。これらは特に何らかの病原菌やウィルスなどが原因というより、社会構造の変化により、人間の持つ正常な機能を維持する為のホルモンなどのバランスが崩れて起こるのではないかという気がしてなりません。(たとえばそれにより生じるストレスなどが原因?)
そうであれば、これに対処するのは薬などによる治療ではなく、変化する社会構造にいかにして適応してゆくかということになります。

性的刺激を求め続ける病気・持続性性喚起症候群(PSAS)と16年間闘った女性の壮絶な人生と、悲しい最期リンクより引用します。
********************************
先週末、アメリカ・フロリダ州で、16年間、持続性性喚起症候群(PSAS)を患っていた女性が、自宅で自殺しているのが発見された。

■持続性性喚起症候群(PSAS)とは?
持続性性喚起症候群(PSAS)とは、聞きなれない症状だが、2001年に初めて発表されたばかりの新しい症状で、呼んで字のごとく、持続的・継続的に性的興奮を感じてしまう症状のことだ。

これだけ聞くと、なんて羨ましい!こんな彼女が欲しい!なんて思う人もいるかもしれないが、その性的興奮は極めて強烈で、長期に渡って継続する為、当然ながら、そんな状態で物事に集中することはできなくなり、患者は日常生活がままならなくなる。自慰や性交渉でオーガズムを迎えることで、一時的に症状が緩和されるが、それもほんの一時的なもので、体はまたすぐに性的興奮を欲する。

また、心理的な性欲とは関係なく、肉体のみが性的興奮を欲している状態である為、自らの症状に嫌悪感を抱く患者も多い。

■実際にPSASを抱えた女性の壮絶な人生
今回自殺した女性グレッチェン・モラネンさん(39)の人生も、苦痛に満ちたものだったようだ。
彼女は自ら命を絶つわずか1週間前に、タンパ・ベイ・タイムズ紙の取材に答えていた。
それによると、彼女がPSASを発症したのは23歳の時で、その症状は彼女の人生のスイッチを完全に切ってしまった。
「私は自分の人生を楽しんでいました。でも、この症状が私の人生を破壊してしまいました。これで、生きているなんて言えません。いつも自殺することを考えています。」
唯一の症状緩和方法であるマスターベーションを、何時間も立て続けに行うことは、彼女に羞恥心しか抱かせなかった。

母国語の英語のみならず、フランス語、ドイツ語、スペイン語も堪能な彼女は、翻訳や通訳の仕事に就くことを望んでいたが、PSASの症状に対応するには、一時的な仕事に就くしかなかった。
それでも何とか普通の生活を送ろうと努力していた彼女だったが、症状は一向に治まらず、1999年、継続的な症状に対応する為に働くことを辞め、ほとんどの時間を、自室にこもって、バイブレーターと共に過ごすことしかできなくなってしまった。

性的興奮をコントロールできず、50回も連続でオーガズムを迎えた最悪の日もあった。コップ一杯の水を飲みに中断することすら、できなかった。体は痛み、心臓は激しく動悸しっぱなしだった。
「もう自分は死に向かっていると感じた、最悪の日でした。」

■PSASの闇と患者の苦悩
PSASの患者は、その症状に羞恥心や嫌悪感を抱き、なかなか人に相談できない為、患者一人で症状を抱え込み、悩んでいるケースが多い。
彼女も同様で、10年間、症状を隠し続け、3度も自殺未遂をした。両親には、まだPSAPのことは伝えていない。
「両親に話せたら、どんなにいいか。部屋にこもって人生を無駄になんかしていないって、伝えたい。」
彼女は、涙をこぼしながら話した。

また、PSAPは稀な症状である為に、広く認知されておらず、医療補助を受けることも困難だ。
PSAPの為に正社員で働けないグレッチェンさんは、2度障害者申請をしたが、2度とも受理されなかった。
働けない彼女に代わって、ボーイフレンドが全ての支払いを行っていた。
そのボーイフレンドとはもちろんSexはするが、彼とのSexで自分の物理的要求を満たしている感も否めない為、Sexの後は、いつも罪悪感が残った。

彼女は、タンパ・ベイ・タイムズ紙の取材を受けることで、MRI検査を受ける資金を提供してくれる人を募り、その検査結果で、裁判官に症状を納得してもらって、障害者認定を受ける心積もりだった。

実際、彼女への取材記事が発行されると、多くの人が彼女への援助を申し出た。
だが残念ながら、もう必要なくなってしまった。
彼女は、先週土曜日に友人へ自殺をほのめかす電話をかけた後に自殺を図り、電話を受けた友人が駆けつけた時には、もう手遅れだった。

■PSAPの現状
グレッチェンさんのように周囲には話さないケースが多い為、実際にはどれくらいの人がPSAPの症状に悩まされているかは定かではないが、専門家は数千人の人がPSAPの症状を持っていると推定している。
PSAPの原因は様々で、医療薬の副作用や更年期が原因の場合もあるが、不明な場合も多い。
治療法としては、薬の服用の他に、性的興奮を健全なものとして受け入れ、PSAPと上手く付き合っていく為の心理療法などがある。

比較的新しい症状であることや、多くの症例が報告されないことなどから、PSAPの原因と治療法は、まだ確立されていないのが現状だ。

症状が症状だけに、最初は、面白い・興味深いと思う人が大半だと思うが、実際にPSAPを抱えている人達の闇は深い。せめて、もっと多くの人が、この症状について知っていたら、グレッチェンさんの人生も、少しは違うものになっていたかもしれないと思うと、無念でならない。
 
  List
  この記事は 289992 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_290153
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
339629 290153(持続性性喚起症候群) お礼 もるもっも 18/10/01 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp