西洋医療と東洋医療
289444 製薬企業と大学病院の癒着〜グローバル市場経済が不正の増加を生む〜
 
匿名希望 14/04/19 PM06 【印刷用へ
生涯成長リンクより。

 臨床研究不正 製薬企業と医師の根深い癒着の根深さに驚くばかりである。東大病院などが実施した白血病治療薬の臨床研究に、販売元のノバルティスファーマ社の社員が関与していた問題で、同社の外部調査委員会が報告書をまとめた。ノバ社の社員が、研究計画書や患者向けの説明・同意文書を作成するなど、研究に深く関与していた実態が明らかになった。

 特に問題なのは、ノバ社が重大な副作用を把握しながら、厚生労働省に報告していなかった点だ。薬事法に違反する可能性がある。患者の健康被害をもみ消すかのような行為は言語道断である。ノバ社が患者全員の個人情報を取得したことも、個人情報保護法に抵触する疑いがある。不正の発覚後、患者アンケートを廃棄するなど証拠隠滅を図っていた問題も許し難い。

 ノバ社は、高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改竄(かいざん)で刑事告発されている。この問題が表面化し、社員を研究に関与させないと決めた後も、白血病治療薬研究への関与は続いていた。企業として倫理観が欠如しているというほかない。スイスにあるノバ社の本社は、日本法人の社長ら経営陣を更迭した。「問題の背景に日本法人の企業文化がある」と説明したが、本社のガバナンス(企業統治)に問題はなかったのか。大学病院側の責任も重い。今回の研究は、医師が自主的に行う「医師主導臨床研究」だった。それにもかかわらず、ノバ社の丸抱えだった。研究を公正に進めるという意識が、あまりに希薄だ。

 ノバ社は、東大病院の担当教授の研究室に、3年間で800万円の奨学寄付金を提供していた。製薬企業は研究成果を薬の宣伝に使いたい。その見返りに、大学病院は資金を得たい。両者の利害の一致が、不正の背景にある。ディオバン問題をはじめとするこれまでの研究不正にも共通した構図である。

 厚労省は、臨床研究に関する倫理指針を設けているが、強制力はない。今回の問題を受けて、臨床研究の法規制についての検討会を発足させるという。効果的な不正防止策を打ち出してもらいたい。その際、法規制が研究の自由を縛らないかという視点を忘れてはならない。日本学術会議は、臨床研究を中立的に運営する公的機関の創設を提言した。厚労省はその実現可能性も検討すべきだろう。(4月6日読売新聞社説)

 上の記事は、ノバ社による臨床研究不正問題を解説した読売新聞の4月6日社説です。その中で、「製薬企業と大学病院の癒着の根深さに驚くばかりである」という、ノバ社の外部調査委員会の報告に、多くの人は今さら何ですかと感じただろうと思います。それくらい多くの人が製薬企業と大学病院の癒着ぶりの話題を耳にしてきたことだと思います。にもかかわらず、防止できなかったことに大きな問題を感じたはずです。その意味では、日本の政治や行政やマスコミなど不正を摘発し是正する機能の弱さを改めて強く感じた事件だと思います。言うまでもなく、グローバル自由市場経済システムの発展は、競争の激化を招き多様な文化や価値観の広がりを伴うものであることから、いわば不正や不適正の増加は十分に予想された事象ということだと思います。

 それに対して、どのような準備や対策が用意されてきたというのでしょうか。関係機関は、それぞれに個別に、しかるべく対応はしてきたと説明するのでしょうか。また、そのような対応で十分であると判断してきたというのでしょうか。日本が抱える様々な問題や課題を総じて考えてみたとき、全体を俯瞰する視点とか、部分と全体の連携関係とか、事象の掘り下げ不足とか、といった点に問題を感じます。このような観点を欠いたとき、恐らく、解決不足という事態が生じてくるのだと思います。 その意味からは、現状では、日本が誇る、治安の良さ、高い安心安全、高信頼性、高品質、高い絆などの確立に不可欠な、不正の防止の獲得に懸念があるというものだと思います。

 2020年の東京オリンピック開催は、一つは、世界が日本に、グローバル化し多様化する社会における、高度な「不正防止」社会の構築を期待したと受け取れるのではないでしょうか。そうでなくても、そのように受け止めて、そのような社会への道筋をつけることが日本の発展につながるのだと思います。立派な道路や施設ができても、不正の防止に進展がなければ、尊敬され信頼される社会にならないことは言うまでもないことだと思います。進展した成熟社会とは、高度な選択肢を持つ多様化社会であり、そこでは様々な面で高度に適応する社会を構成していると定義できるのではないでしょうか。日本が目指すべき社会とは、そのような進展した成熟社会であると思います。
 
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