西洋医療と東洋医療
288017 大手製薬会社の「臨床試験のデータと異なる広告宣伝」1/3
 
斎藤幸雄 HP ( 50 愛知 建築設計 ) 14/03/05 PM05 【印刷用へ
医薬品最大手の武田薬品工業が「臨床試験のデータと異なる広告宣伝」をおこなっている、と告発する報道がありました。

大学も関与する「臨床試験のデータの改ざん」(リンク)、そして今回の大手製薬会社による「データと異なる広告宣伝」。このような“騙し”がまかり通るのが医薬業界の実態のようです。

この件に関して詳しく解説している、ブログ「郷原信郎が斬る」〜NHK報道で追い詰められた武田薬品リンク より転載します。
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■医薬品トップ企業の誇大広告を暴いたNHK報道

医薬品最大手の武田薬品工業が、14年間での売上が1兆4000億円余りに上る高血圧治療薬「ブロプレス」に関する「重大な犯罪」、そして、医薬品メーカーとしてのコンプライアンスの根幹に関わる「重大な不祥事」に直面している。

同社のトップ長谷川閑史氏は、経済同友会の代表幹事、日本製薬工業協会会長を務める財界のリーダーであり、政府の産業競争力会議の民間議員として、安倍政権にとっても重要な地位にある。

そういう日本の財界のトップ企業を追い詰める報道を行ったのが、籾井会長の失言問題によって公共放送としての組織のガバナンスの根幹が問われているNHKの報道班だ。

2月27日の午後6時のニュースで、「大手製薬会社、武田薬品工業が販売する高血圧の治療薬が、狭心症などの発症をどのくらい抑えられるのか調べた大規模臨床研究のデータが、薬の宣伝広告に使われた際、一部、病気を発症するリスクが低くなるよう変わっていたことがわかりました。」などと報じたのに続いて、翌28日の午後6時、7時のニュースでは、「ほかの製薬会社の薬と比べた臨床研究の結果を、平成18年ごろ、薬の宣伝広告に使った際、一部、病気の発症を抑える効果が高くなるようデータが書き換わり、研究の結果と異なるグラフが作られていたものです。さらに広告では、複数の専門家がこのグラフの意味を解説する形で、ブロプレスをより長期に使うと、狭心症などになる割合が減っていくなどと、臨床研究の結果と異なる宣伝をしていたことが新たに分かりました。」と報じた。

決定的なのは、28日のニュースで、「臨床研究結果の解説をしていた1人で、臨床研究を行ったチームの代表者だった猿田享男慶応大学名誉教授が、NHKの取材に対し、『広告の記事内容は誤りで、事前にチェックすべきだった。』と話しています。」と、広告の記事が誤りであることを正面から認める研究チーム側のコメントを報じたことだ。

■ノバルティス社に続く誇大広告薬事法違反の表面化

昨年、ノバルティスファーマ社の高血圧治療薬ディオバンの臨床試験に関して、全国6大学の臨床試験データが改ざんされていたことが明らかになり、狭心症などへの効能に関して事実に反する宣伝広告が行われていた問題について、厚労省が同社を薬事法違反(誇大広告)で東京地検に告発、東京地検特捜部は、同社と、臨床試験を行った大学等に対して、捜索差押を行っている。

それと同種の高血圧治療薬の臨床試験に関しても重大な不正が行われていたことを報じたNHKの報道は、最近の企業不祥事報道の中でも特筆すべきものと言えよう。

当ブログ記事【ノバルティス社告発、真相解明を検察に「丸投げ」した厚労省】【ノバルティス社告発、何が「犯罪」なのか】でも述べたように、ディオバンの事件については、同社社員が大学での臨床試験データの改ざんに関わっていたとしても、その事実が、同社において宣伝広告を行う部門において認識されていた事実がなければ、法人としての同社について違反に問うことは困難であり、刑事事件での起訴のハードルは高い。

しかし、今回、NHKが報じている武田薬品の問題は、臨床試験データの改ざんなどというややこしい問題ではない。論文で発表された臨床試験のデータを、一部、病気の発症を抑える効果が高くなるようデータを書き換え、研究の結果と異なるグラフを作り、事実に反する広告宣伝を行ったという極めて単純な話だ。報道の通りだとすると、それが社内のどのレベルまで関与して行われたかは別として、武田側に誇大広告の薬事法違反が成立することは否定し難いのではないか。

薬事法の誇大広告に関する罰則は、「2年以下の懲役」、「2百万円以下の罰金」のいずれか又は併科であり、公訴時効が3年なので、論文のデータと異なったグラフを用いた広告宣伝が2011年3月以降まで継続していことが条件となるが、それが充たされている限り、ノバルティスファーマ社の事件の捜査の対象が、武田薬品に拡大することも十分にあり得る。

 ====================================================つづく
 
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