西洋医療と東洋医療
287261 薬の意味・役割を歴史から考える
 
橋本宏 ( 20代 大阪 会社員 ) 14/02/13 AM08 【印刷用へ
薬の処方量世界一の日本、本当に健康になっているとは思えないこの現状から、改めて薬の意味を歴史を紐解いて考えます。薬の元を辿ると、その90%は植物由来であることから、人間と植物との関係から、薬を考えます。

◆動物(人間)の病気の原因
動物(人間)は多細胞生物であり、いわば無数の細胞の集合体です。この無数の細胞が、日々、生まれ変わること(代謝)によって私たちの身体が組成されています。また、この身体をつくり、運動を行うためにはエネルギーが必要であり、動物は他種動物や植物からその源を得ています。

しかし、ここで2つの問題があります。
1つは、細胞が生まれ変わるときに不正コピーが発生すること、あるいは古い細胞が変異して悪性化(ガン化)することにより、身体に悪影響を及ぼします。
もう1つは、外から食物を得たときに害となる物質が入ること、あるいは空気中のウイルス・細菌などが身体に入り込み害を及ぼすことがあります。
これら、2つの場合を、主に私たちは「病気」と呼び、「薬」を必要とします。

◆植物の外敵保護機能が、生物にも有効
次に、植物について考えてみます。
植物は、「動けない」という特性から、私たちよりも強固な外敵からの防御機能を持っています。
1つは、紫外線から細胞を守る機能です。つねに紫外線にさらされている植物は、活性酸素の防御に対する能力が動物よりもはるかに上回っていて、組織内に多くの抗酸化物質を持っています。ポリフェノール、カロテノイド、硫黄化合物などです。
この植物の細胞壁にある糖鎖(抗酸化物質)を摂取することで、私たちの細胞の酸化を抑制します。

もう1つは、植物が外敵から身を守るための防御物質(毒)の発達です。植物は、動物に食べられないように、また、ウイルス、細菌、害虫などの病気から身を守るために、防御物質を作り出す能力があります。例えば、モルヒネなどのアルカロイド(有毒物質)、フィトンチッド(殺菌)、ハッカ(防虫)があります。
この植物の防御物質をわずかだけ私たちの身体に取り入れると、体内の病原菌から身を守る作用など働きます。つまり、植物の毒が「薬」となるのです。

◆植物は、私たちの神経伝達物質を活性化または抑制する働きがある
では、この植物由来の効用はどのようにして私たちの身体に作用するのでしょうか。
先ほど述べたように、私たちの身体は無数の細胞によって構成されています。この細胞群を統括する中枢機関が神経・ホルモン・免疫があります。これらは電気的な情報伝達にて身体の各部に指令を送っており、その強弱によって身体の働きが変化します。

植物から取り入れた抗酸化物質や防御物質(毒)は、伝達系の信号物質に類似した物質を多く含んでおり、主にこの中枢機能に作用します。この信号がメッセンジャーに送られ、身体の各部の細胞を活性化または抑制する働きがあるのです。

このように、植物の外圧適応能力を活用して、人類は植物を「薬」として利用してきたのです。

まとめると、「薬とは、身体の制御機能を正常に作動させるための、神経伝達回路のスイッチ」であり、病気から身体を守る原動力はあくまでも身体に備わっている自然治癒力(外敵保護能力)なのです。

これを基に考えると、2つの問題が分かります。

@東洋医学は全体、西洋医学は部分
上記のような植物由来の働きを体系化・理論化したものが、東洋医学・漢方医学です。身体の全体の状況を見て、どの中枢機関にどのような信号を送れば身体が正常に働くのかを見極めた医学体系です。
一方で、西洋医学は、身体や物質を徹底的に分解・分断して考えたものです。中枢神経という全体から考える必要がある身体の仕組みを考えると、西洋医学は対処療法的なものであり、根本的に身体を正常化する作用が無いことが分かります。

A植物や野菜の作用は、外圧適応力に比例する
薬の作用や栄養源は、植物や野菜が外敵から身を守るための潜在能力をベースにしたものです。ですから、外から栄養を与えたり、温室で育てた植物は、その効用を発揮しないと考えるべきでしょう。
自然環境に対する適応力を有した植物を、私たちが食することにより身体への効果が表れます。地産地消が良いのはこのためだと言えます。

また、薬が身体を治すということありえないことが分かります。
「薬とは身体の制御機能を正常に作動させるスイッチ。治癒力はあくまでも身体から発揮される。」という認識が重要です。


参考:「薬のルーツ ”生薬”」
 
  List
  この記事は 281186 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_287261
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
287368 かつて日本では共認機能を強化するために薬が使われた 白海豚 14/02/16 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp