近代市場の拡大
285843 明治からの日本は日本では無い(6)
 
垂心 ( 東京 ) 14/01/05 AM01 【印刷用へ
「維新」と云う幻想(リンク)からの引用続きです。


◎維新後

新政府軍、国民の不満を抑えるため赤報隊に「新政府は年貢半減」と呼ばわせる。
その後、豪商らからの苦情に慌てた明治新政府は赤報隊を解散、幹部を処刑し公約はなかったことにした。
これは現政権民主党が「政権交代」「国民の生活が第一」をスローガンに、出来もしないマニフェストを掲げ国民の支持を得たのと同じである。
そして江戸市中砲撃をやめる代わりに江戸城を開城させ、史料捏造を開始する。
この政権交代以後、国際金融資本の傀儡政府である明治新政府は、政府とは別個の軍事組織である総督府を勅命で組織し、官軍を名乗り戊辰戦争と云う目を覆いたくなるような「侵略戦争」を開始、江戸を攻め、会津を攻め、東北、函館へと蹂躙し、略奪暴行虐殺を続け、植民地とする。
この総督府には、軍令、軍政に関する一切の権限、並びに民政一般にわたる広範囲な裁量権まで与えられた。
この軍事組織である総督府は、後の植民地経営にも応用され、台湾総督府、朝鮮総督府として受け継がれる。
政府ではなく総督府が戊辰戦争を取り仕切った理由は、政府内部には慶喜に味方する意見や東征反対論があったため、政府自体が戦争指導を行うと、反対派らの意見によって戦争遂行が妨げられるから別立ての組織を整えたのである。
後の大日本帝国憲法は、この軍・政分離の仕組みを明文化したものであった。
即ち軍隊を統帥・編成し、宣戦布告や和平を結ぶ権限を天皇が独占して、議会は、予算面における関与だけで軍部をコントロールする道が閉ざされてしまったのである。

実際には軍事を支配する者たちが、天皇の御名を利用して、議会からの干渉を排除し、自分たちの軍事行動の自由を確保するために定めたものであった。
昭和に入って政治問題化した統帥権独立の議論は、帝国憲法の軍・政分離とシビリアンコントロール排除の規定に起因するものであったが、これらは、根源的には、戊辰戦争時の総督府に由来するものである。
即ち明治新政府の成立過程で既に内在化されていたものなのである。
既に幕府が消滅し「攘夷か開国か、尊皇か佐幕か」の争点に決着がついている以上、明治新政府が東北諸藩を攻める理由は、今や全く無い。
にもかかわらず恭順を申し出る東北諸藩を呵責無きまでに攻撃した。
死んだ者の埋葬を許さず、埋葬した者を罰し、降伏したものを虐殺し、そこかしこで女達を「分捕り」として強姦しまくり、少年達の首を刎ね、その生首を肴に酒盛り・・・。
東北諸藩は搾取と隷属の対象とされ、明治新政府の方針は「搾れるだけ搾れ!」であった。
戦国時代さながらである。
これが近代化を目指す者たちのやることであろうか。

戊辰戦争は、公議輿論に基づく公議体制樹立を阻み、我が国の良き伝統である祭祀王としての天皇のあり方を崩し、天皇の御名を利用して薩長のテロリストとその後継者である藩閥・閨閥・財閥出身の政治家が長く政治を支配するシステムを確立し、国民に対する政治責任を忌避し、我が国の近代型立憲主義の運動を歪め、その発展を遅らせた。
「四民平等」をスローガンに掲げたのにも関わらず、現実には華族・士族・平民と新たな階級をつくり、華族を特権階級化して権勢を振るった。


◎誇り
維新に於ける僅かな誇りとすべきは、旧幕府側が公議政体論を掲げ、新政府内の倒幕派に非を唱え、まさに血の贖いによって「五箇条の御誓文の発布」を政府から引き出したこと。
そして戊辰戦争では短期間で崩壊したとはいえ、会津と奥羽越列藩同盟が郷土防衛のために一致協力して公議体制を樹立し、近代型議会主義のさきがけとなったこと。
新政府の悪辣非道なやり方に異議を唱え、尽忠報国を貫き、老若男女一丸となって薩長土の侵略軍に対して最後まで奮戦した会津藩や、忠義のため、誠のために五稜郭で最後まで戦い抜いた方々によって武士道の誉れを後世に輝かせたことである。


◎保守主義
黒船来航から遡ること64年前、フランスでは「自由・平等・友愛」をスローガンに革命が起きた。
穏やかなスローガンとは裏腹に略奪暴行虐殺の嵐で、ギロチンによる恐怖政治の幕開けとなるものであった。
このフランス革命における革新思想に対してイギリスでは保守主義の父、エドマンド・バークが『フランス革命についての省察』を公表し、保守主義を大成した。
『フランス革命についての省察』に於けるバークのフランス革命に対しての批判はそのまま明治維新にも当てはまる。
何故なら明治新政府が行ったことは、フランス革命後の恐怖政治と非常に酷似しているからである。

つまり「維新」とは今さら言うまでもないが極左テロリストによって政権転覆させられた「革命」のことなのである。
「文明開化」や「脱亜入欧」などのスローガンのもとにあれほど多くの欧米の哲学者・思想家の著書を翻訳刊行し流布せしめたにもかかわらず、英米の保守主義のみはほとんど排除された。
明治憲法の運用なども、上からの改革を推進するためドイツ法を範にされることになり、その後東大法学部はドイツ憲法学を中心として英国憲法学を排除した。
そのためコークやウィリアム・ブラックストンとともにバークなどの保守思想は東大のカリキュラムから排除され、ドイツ観念論やマルクス主義がもてはやされた。
これなどはバークなどの保守主義が出回ると革命政権である明治新政府はあらゆる意味で不都合が生ずるからである。

このことは昭和に入っても同じで、日本の知識層と軍部中枢が社会主義一辺倒となり、全体主義(社会主義、共産主義)と対極にある保守主義は、これまた時代に反逆する思想でしかなかった。
また戦後になってもこの傾向は変わらず、ことにマルクス主義に汚染された学界は英米系保守主義の研究を意識して積極的に排斥し、「検閲」と「弾圧」が陰湿に実行された。
我が国に左翼が多いのはこれが原因である。


◎伝統文化の破壊
新政府は思想統制と自らの権威付けの為に「神道国教化政策」を実施、神仏分離令や神社統合令などの大悪法を発令し、それに伴う廃仏毀釈によって神仏を無理矢理分けられ、我が国の心の拠り所を破壊されまくった。
明治新政府の権力を笠にきた神主どもや役人どもによる寺院破壊や仏像破壊等で多くの国宝が失われた。
そして皇室からは古代からの神道に拠るものや仏教、陰陽五行に拠るものなど、即ち神仏習合思想に拠るものを全部撤廃してしまった。
現代の日本人が精神を病みやすいという原点はこの我が国が誇るべき神仏習合思想などの心の拠り所を奪われたからに他ならない。

以上
 
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