否定脳(旧観念)からの脱却
285744 アイデンティティとは“共同体意識”
 
ぴぴ ( R40 ) 14/01/02 PM05 【印刷用へ
「アイデンティティとは“共同体意識”」ねづさんのひとりごとリンクより。
(以下転載)

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わたしたち日本人には、わたしたち日本人が失ってはならない価値観がある、のです。それがどこにあるかといえば、歴史の中にある。

歴史を失った民族が滅びるというのは、その国家国民が、その国の「歴史伝統文化によってつちかわれた価値観」を失うことを意味します。
つまりそれは、国家国民としてのアイデンティティの喪失です。

アイデンティティを喪失するとどうなるかについては、アイデンティティの概念を提唱した米国の心理学者のエリック・エリクソン(Erik H.Erikson 1902-1994)が明確に説いてます。

それは、
========
アイデンティティが正常に獲得されないと、自分のやるべき事が分からないまま日々を過ごしたり、時に熱狂的なイデオロギー(カルト宗教や非行など)に傾いてしまう。
========
です。

(中略)

では、「アイデンティティ」とは何でしょうか。
心理学用語としては、「自己同一性」とか、「自我同一性」などと訳されているようです。
「自己同一性」とは何かというと、「これこそが本当の自分だという実感」などと説明しています。

けれどそう聞いて、意味が分かる人なんていないと思います。私も「自己同一性」と説明されても意味がさっぱりわかりません。

ではアイデンティティとは何かといえば、それは「共同体意識」です。
自らを優れた共同体の一員とすることで、自己をその中に同調させ、成長する意欲に結びつけて行く。
それがアイデンティティです。つまり「共同体意識」です。
これなら理解しやすくなります。

かつての日本社会では、この「共同体意識」を非常に大切にしました。
小さな子供のうちから、その意識を育成していました。
最初は、家族という共同体の一員として。ですから父母は、父、母と呼んだし、兄はおにいちゃん、姉はおねえちゃんと、親もそのように呼びました。
家庭内で、個人がバラバラに生きているのではなく、家庭という共同体の一員として、ひとりひとりの位置づけを明確にし、共同体意識を高めていました。

そしてある程度の年齢になると、寺子屋や学問塾や道場などに通うようになり、そこでの共同体の一員としての意識を芽生えさせていました。
さらに長じれば、武家ならお家、商人なら商家のため、農家なら近隣共同体の一員として、周囲のみんなとともに力を合わせてきたし、社会全体も、そのための工夫が随所に施されていました。

そして大きな共同体は、藩という国を超えた天下であり、天下の頂点には万世一系の天子様がおいでになり、ひとりひとりは、その天子様の民であり、天子様も、天子様に選ばれた殿様も、領民も、みなが家族のように一体となって、日本という共同体をしっかりと支えて行こうという大きな共同体意識が日本にはありました。それが「君民一体」です。

こうした「君民一体」という共同体意識が、日本に完全に定着したのが7世紀です。
この頃、わたしたちの国は、日本国を名乗り、元号もわが国独自の元号を定めるようになりました。元号というのは、他国の領土ではない、独立国であることの証です。その最初の元号が、大化元(645)年です。

西欧では、国民国家という概念は、実はフランス革命以後に発達しました。
それまでの西欧諸国は、国民国家ではありません。
王と呼ばれる領主がいて、その王が支配する範囲が領土であり国でした。
ですから、領民も、領土も、王個人の私有物です。

その王が死ぬと、王の財産(領土、領民、私財)を巡って争いが起きました。そして王の力が弱まると、隣の国がその王の領土、領民を奪いに来ました。そして王と王の戦争が始まる。
王が持つ兵は、王の私物兵でした。
ですから兵が全滅したら、王様は丸裸になってしまいますから、ちょっとだけ戦って、負けたら、消耗戦に入る前にさっさと戦いを止めて、降参し、今回は、この領地はあんたにあげるよ、といって、話をつけていました。その繰り返しが、西欧の中世だったわけです。

ところが、そうした王がすべての支配者であるうという王政に対して、市民たちが反発して起こしたのがフランス革命です。

(中略)

そして、フランスは一体だと唱えて、フランスのために戦おうと手をあげたナポレオンが皇帝になりました。
ナポレオンの兵は、かつての王様たちの兵のような私有兵ではありません。フランスを守ろうと立ち上がった、つまり国家国民のためにと主体的に立ち上がった兵たちです。これが強かった。

王様の私有兵は、ただ王様から給料をもらっているだけの兵です。
これに対しナポレオンの兵は、ひとりひとりがフランスという共同体を背負った兵です。覚悟が違う。

だからナポレオンの軍は、ヨーロッパを席巻しました。
そして「国家国民を背負うと兵が強くなる」とを学んだヨーロッパの王たちが編み出した新方式が、立憲君主制です。
王も領民も、等しく憲法の下にいる。王の国は、俺たちの国でもある、という概念が登場したのです。

これによって、何が変わったかと言えば、「王の領民」が、「国の民」に変わったのです。そして国という形而上学的な存在そのものは、政治権力を持ちません。
国の頂点に立つ者が、政治権力者となるという仕組みができあがりました。これが近代国家の登場です。

この概念の登場によって、ヨーロッパは強力な軍事力を手に入れました。
そしてそのエネルギーは、またたく間に有色人種社会を席巻し、1800年頃には地球の陸地の約35%を、1914年の時点では、地表のなんと84%を支配下に治めるようになったわけです。

つまり、近代国家が国民国家を意味する理由がここにあります。
そして直接には政治権力を持たない何かが、政治権力者を選任し、民衆は、その政治権力を持たない何か(これを国といいますが)の民であるという概念は、よくよく考えてみれば、日本では7世紀に誕生した律令制と、実は似ています。

日本では、天皇は政治権力を持ちません。政治権力者を親任するお立場です。そして日本のすべての民は、天皇の民(皇民)とされたのです。
このことはこれまでにも繰り返し述べてきましたので、ここでは詳しく書きませんが、なんと日本は、ヨーロッパ諸国が国民国家を生み出すよりも1100年も前に、国民国家を生み出し、究極の民主化を実現し、国民国家を形成していたというのです。すごいことです。

そして西欧諸国が、国民国家としての強さを身に付けたとき、その有り余るエネルギーを他国の征服に向けたのに対し、日本は、自国内での技術力や芸術や精神文化の向上にそのエネルギーを使いました。
そうすることで、日本は、世界に類例のない高度な精神性を持つ文化を発展させたのです。

そういうことを、歴史を学ぶとよくわかる。
そして、日本という共同体に所属していることが、とても大切なことと、普通に認識できるようになる。
それこそが、教育というものなのではないかと、思います。
 
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