新しい男女関係(→婚姻制)の模索
285308 明治政府は、「国家」と「家族」を急造した。
 
猪飼野 ( 50歳代 東京 営業 ) 13/12/20 PM10 【印刷用へ
■明治政府は「国家」と「家族」を急造した。

◇その目的は、欧米からの侵略対策の為の国家急造
・欧米と対等に折衝する為に、「欧米式の文化国」となる為。
 ⇒日本式の多彩な家族やおおらかな性(≠欧米文化)を一対婚に
・欧米の侵略に対応する為に、国家統合意識が必要だった。
 ⇒天皇は国家の父、家族は家父長制に

◇江戸時代の庶民は、地域や職種毎に多彩な「家族形態」をもっていた
・生産形態や資産を維持継承する為の様々な婚姻制度(婿入り、核家族、複合家族など)
・おおらかな性文化(若衆宿、夜這い婚、貞操観念はない)


◇明治政府の政策で、「家父長制」の形態に統一された
・家父長制で直系長子相続(儒教文化)
・一対婚(キリスト文化)
・貞操観念+処女性(キリスト文化)

◆上記の、江戸時代のおおらかの性が払拭されていく様子が良く分かる文章を紹介します。

<以下引用>〜〜〜〜〜〜〜〜〜・〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■おおらかな江戸期の性風俗 (明治大学文学部准教授:平山満紀)リンク

 幕末維新期、少なくない西洋人が日本にやってきて、もの珍しい日本の人々や風物についての記録を詳細に書き残している。陽気で生き生きとした、質素だが清潔で、礼儀正しい当時の日本人の姿は、彼らの興味をひきつけてやまなかった。

 欧米人が特に驚いたのは、日本人が裸体や性について、羞恥心や罪悪感をまったく持っていなかったことだ。ペリー艦隊に、珍しがって集まってくる人たちが、からかって大笑いしながら、春画をそのボートに投げ込んでみたり、岸から性的な冗談を叫んだり、女性が着物をまくりあげたりもするので、ペリー一行はショックを受けたという。

 また、人々は路地で裸体をさらして行水をし、男女混浴の銭湯に平気で入るので、アダムとイブが追放される以前の楽園かなどと言われた。大人も子供も性的な冗談を言っては屈託なく笑ったり、女たちもまったく悪びれずに春画を見て楽しんでいること、遊女が蔑(さげす)まれていないことも、多くの人が驚きをもって書き留めている。

 そもそも西洋キリスト教では、性は夫婦が子孫を残す手段としてのみ許され、厳しく規制されるものだった。日本の民俗宗教では性は神聖なもので、楽しむことを肯定されて、性の意味は全く対極的である。明治以前の日本では、家族制度上も厳格な一夫一婦制はなく、結婚外で生まれた子供も差別されずに育てられていた。

明治政府は、欧米人から野蛮だと見られるのを恐れ、維新後に早速、混浴、裸体、春画販売などを禁止していく。その後、夜這いや若者宿も各地で禁止された。一方さまざまな西洋文化の流入の中で、西洋の性科学の翻訳、翻案も続々となされた。性の解剖学、生理学、医学やそれにもとづいた性生活の指南の本の出版がブームになる。

 キリスト教にもとづく、近代的一夫一婦制を支える性道徳が、科学的な装いをもって広まっていった。根拠のない、えせ科学的な情報も少なくない。手淫や多淫が、多種多様な怖ろしい病気の原因になり、未婚の処女が異性に触れると身体には不可逆的化学変化が起きるなどの説が流布し、性は多くの人にとって、他人に言えない苦悩の種となっていく。性を笑いとともに大らかに楽しむ姿は、暗い悩みを神経症的に抱える萎縮した姿にかわってしまった。

 現代日本でみられる、「性は暗くはずかしいもの」という考えの元は、この明治以来の性科学や性道徳だといえるが、今となっては西洋以上に日本でこの考えが強まっているのは、皮肉なことだと思う。
 
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