私権社会の婚姻制
284633 戦国時代の後、天下統一を成し遂げたのは「小家族」であった。
 
猪飼野 ( 50歳代 東京 営業 ) 13/11/30 AM01 【印刷用へ
日本の歴史上、「家族」は何時出来たのでしょうか?

調べてみると、戦国時代の後、天下統一が可能となったのは「家族」ができたからとも言えるようである。

つまり、戦国時代が終わり天下統一の前捌きとして、大家族農家の構成員(隷属農民)が小農家に独立していく。ここが、大衆の「家族」の始まりと言えるかもしれない。

その為には、
・生産力の拡大(農耕器具の整備、開発による農地の増加)が成される。
・食えるようになった隷属農民は、皆が結婚でき独立した結果として小家族が多く発生。

◆そのお陰で、支配者は土地の所有権を支配者と同じ父系制で登録させて徴税システムを作ることができて(太閤検地)、天下統一が可能となった。

◎但し注意して欲しいのは、「家族」は集団に帰属しないと存続できない。よって集団帰属意識は村落共同体が対象であった。

つまり、表面上は現代的な「家族」形態だが、村落共同体が家族的な帰属集団であり、課題は村に役立つことであり、娘は村の娘であり、子供は村で育てる「村の子供」であった。

その辺りを、「家族と結婚の歴史」と言う書籍には次のように表現されている。
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■「家族と結婚の歴史」関口優子・服籐早苗・長島淳子・早川紀代・浅野富美枝著 森話社
より引用

V近世 第二章 家族 
1小農業の特徴
近世の庶民は、地域による相違が大きいが、ほぼ17世紀後半から18世に初めを画期に、実名・家産・家業を一体として、それを直系男子による単独相続を原則に、代々継承していく社会の単位として形成された。 

大多数を占める農民の家は、中世後期から戦国期にかけて、家父長的大経営や名田地主経営内に包摂されていた傍系親族や名子・被官・下人などの隷属農民が、生産力の拡大努力の中から小経営主として自立する過程で創出されたものである。

16世紀末の秀吉の太閤検地や近世初期の検地は、これら小農民の自立への動向なしには不可能であり、統一政権の基礎固めである農民の保護・育成策も手伝って、広域な地域・階級で小農経営が展開されたのである。この経営の特徴は、以下の4点にまとめられる。

まず一に、耕作面積は再生産に必要な約一町歩(約一ヘクタール)であること。

第二にその経営は、夫婦とその子供からなる核家族は、あるいはその親を含む直系家族の労働によって維持・継承されたこと。この二種の家族形態は、構成員の年齢によって核家族から直系家族へ、またその逆のコースを絶えず流動化している。したがって構成員は、核家族の場合4、5人程度、直系家族でも6、7人程度である。

第三に、鍬、鎌などの小農具の使用による人力の工作方法を採用したこと。

第四には、耕地が錯綜し、かつ零細な為に、多肥料・多労働を投入する集約農法によって生産力を高めるという方式によらざるをなかったことである。

・・・・・・・・・・中略・・・・・・・・・・・・・

しかし、多くの農家の場合、家産はその家の経営基盤として不十分であり、家業としての農業を勧めるだけでは、家の存続は困難であった。そのために男女ともに、余稼ぎやその土地に応じた作物からの稼ぎにも心がけたのである。

このように絶えず没落の危機と隣り合わせの家を維持するためには、村落共同体や五人組制度(五戸一組を原則とし、キリシタン、日蓮宗不受不施派などの異教徒や犯罪人の防止・告発、貢納確保の連帯責任及び相互扶助の組織)、あるいは親族組織による労働力の交換や、ユイ・モヤイなどの相互扶助の体制が不可欠であり、家自体が単独で存在することが出来なかったのが近世の家の特徴である。

<以上 引用>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
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