日本人と縄文体質
281418 日本人が「キリスト教」の矛盾を突くことが出来たのは、祖霊信仰があったから
 
加藤弘行 ( 35 東京 会社員 ) 13/09/22 AM10 【印刷用へ
 宗教には、その宗教を生んだ気候風土とそこに暮らしてきた人々の生活の基盤となったものが色濃く反映されます。キリスト教は厳しい乾燥地帯である中東で生まれた石と灌木の地中海世界で育った宗教です。したがって、キリスト教にとって、森は「神」に従わない悪魔の住む場所であり、森を伐採したあとの乾燥地帯が一番快適な牧草地となります。
 つまり、「自然」はそのままでは悪であり、キリスト教徒によって征服されて初めて神の祝福を得た「善きもの」になるのです。

 一方、砂漠ではない、豊かな自然と四季のあるところ(日本を含めたモンスーン地帯)では、まったく異なった宗教が生まれました。そこには豊穣を極めた植物世界があり、人間も動物も循環する自然の中で生まれ、生き、死に、また再生し、続いてきたので、生命は永遠に循環するものと捉えられてきました。

 その自然のなかで、特に優れたものを神として敬ってきたのが、日本古来の宗教、神道です。江戸時代の人々は、この神道を通して、山や川などの自然や自然現象を敬い、それらに八百万の神を見出してきたのです。

 そしてこれらの思想は命あるものだけでなく、日頃大切に使ってきた道具が壊れて使えなくなった時に仏様の前で供養するという風習にもなっていきます。

 いまでも、子ども達がいたずらをしたり、ものを壊したり、生き物をいじめたりすると「仏様の(神様の)バチが当たるよ」と言って叱ることがあるように、日本人の心の根底に、神様、仏様、そして亡くなったご先祖様が、何時も身近で見ているという感覚があります。

 これは、西欧人とはまったく違う感じ方です。一神教では、亡くなった方ははるか彼方の天国へ行ってしまうため、もう残った者とはあまり関係がありません。そのため、命日に供養するとうこともありません。キリスト教に、没後何年、何回忌という考え方はなく、行うなら生誕何年、となります。

 これに対し、日本人は先祖の命日を大切にし、年忌法要を非常に重要視します。そんな日本人にとって、ご先祖様が洗礼を受けていないだけで地獄に落ちる、というとこは到底納得できないことだったと思います。そんな祖先を大事にする日本人だからこそ、全知全能の神と言いながら、ご先祖様も救えないキリスト教の「矛盾」(あくまで各個人と神の個別の契約であること)に気付くことが出来たのだと思います。
 
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