共同体社会の実現
280961 都会ではなく、田舎こそが日本の最先端!!「里山資本主義」
 
dou ( 30代 ) 13/09/15 PM06 【印刷用へ
企業活動にしても、より広い経済活動にしても、最近の事例で新しさを感じるものは、いわゆる田舎で行われていることが多い。この背景には、田舎には、
・第一次産業=自立的な生活基盤があること
・生活基盤があることによる、精神的な安定・余裕
・共同体的な仕組み(血縁、地域のつながりetc.)の残存
など、経済的にも機能的にも一定の自立を保っていることが大きいように感じる。市場からの自立基盤が、自給志向のIターン者やUターン者を引き寄せ、巻き込んで、より自立的・先進的な取組みを実現させている。エネルギーシステムの自立を志向している事例も多い。
この先進的と我々が感じる事例のほとんどは、改めて考えると、かつての共同体社会の営みに近い、本源回帰的なものであることも重要なポイントだろう。
経済的にはダウンサイジングだが、実際は市場競争に過度に追い立てられない、豊かな生活ができる。

そのような地域システムを「里山資本主義」と呼び、紹介、分析している書籍の紹介です。以下、真理を求めて20年(リンク)より引用です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
里山資本主義──日本経済は「安心の原理」で動く』(角川書店)にはこうある。〈世の中の先端を走っていると自認してきた都会より、遅れていると信じ込まされてきた田舎の方が、今やむしろ先頭を走っている〉──。一体どういうことだろうか。

(中略)

 本書はこう唱える。2008年のリーマン・ショックによって「マネー資本主義」の限界があぶり出された。マネー資本主義とは、もともとはアメリカで生まれた、お金でお金を生み出す経済システムのことだ。また、2011年3月の東日本大震災によって、私たちが当たり前に利用している食料やエネルギーの補給路が実は極めて脆弱であることが明らかになった。だからこそ、今、日本では新しい経済システム、社会システムの確立が求められている。本書はそのシステムが日本の田舎で勃興しているという。「過疎」地域とも言える中国地方の山間地で生まれ、立派に機能しているというのだ。

 そのシステムが「里山資本主義」である。定義すると、〈かつて人間が手を入れてきた休眠資産を再利用することで、原価0円からの経済再生、コミュニティー復活を果たす現象〉のことだ。

山の枯れ枝や不要な木材を集めて燃料をつくる人、耕作放棄地で野菜を育てて近所の人たちと分け合う人、それらの野菜を調理してレストランで客に振る舞う人、空き家を活用してお年寄りのためのデイサービスセンターを運営する人・・・。本書は、そうやって地域の資源を活用して田舎で生き生きと暮らす人たちの姿を通して、私たち一人ひとりの意識と生活様式の変化が地域再生、ひいては日本再生につながることを解説している。

(中略)

井上:取材しながら「なるほど」と気づかされたことがあります。今まで日本人は、どうやって稼ぐか、どうやって収入を増やすかということばかり考えていた。けれども、別に収入を増やさなくても、支出を減らしていけば生活の収支は実はどんどん良くなるということです。
 食品やエネルギーを買ってくるのではなく、身の回りのもので置き換えていけば、収入はそんなになくてもけっこうな暮らしができます。地方ではそれがすごく簡単なんです。だから里山資本主義というのは、ある意味「支出を減らすと生活が楽になって、豊かになります」「特に地方だとやれることがいっぱいあります」ということなんだと思っています。

──田舎に行くと“宝”がいっぱい眠っていることを実感しますか。

井上:それはもう眠っていますよね。目の前の山は手をつけられていないし、耕作放棄地はいっぱいあります。空き家の数もすごいですよ。それらのスペースを自由に使って暮らすというのは、発想を変えれば非常に贅沢なことだと思います。

──本書では、里山資本主義はマネー資本主義のサブシステムであり、バックアップシステムである、と位置付けています。マネー資本主義を捨てて全面的に里山資本主義に移行しましょう、ということではないんですね。その点はとても現実的だと思いました。かつてのヒッピー運動のような反進歩主義でも極端な理想論でもない。

井上:僕たちはマネー資本主義を完全に否定しているわけではないんです。今からマネー資本主義から足を洗うとか、マネー資本主義と決別するというのは無理だと思うんですよ。電線を切って原始生活に戻ろうとか、そういうことを言っているのではありません。この本に出てくる人たちは、夜になったら電灯はつけるし、洗濯機も普通に回しています。だけど、使わなくて済むものだってけっこうあるよね、ということなんです。
 今の日本人は様々な強迫観念に襲われて、いつも精神的に追い詰められている状態だと思うんです。経済の繁栄こそが正しいという価値観の中で、みんな、収入を増やさなければならない、もっと高い評価を得なければならない、とぎりぎりしている。同時に、水、食料、エネルギーが手に入らなかったらどうしよう、 年金がもらえなかったらどうしよう、という不安もあるわけですね。バックアップシステムを持つことで、少しは安心できる状態になるのではないでしょうか。
 
  List
  この記事は 270306 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_280961
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
286903 優秀な学生が地方回帰〜地方に目を向け始めた若者たちは日本の救世主になる 橋口健一 14/02/02 PM10
286297 激動の時代、『「優れた価値を生み出せる人が勝つ時代」「良い人が勝つ時代」がやってきます』 14/01/17 PM06
284716 「里山資本主義」の事例からみる森林資源活用の可能性 三島史路 13/12/02 PM07
地方からの挑戦!実現思考の時代〜Wall Art Festival in SAKURA 2013 〜その1 「これからは探求の時代」 13/11/10 PM09
283220 複雑なシステムは、一旦マヒすると崩壊。貨幣経済に依存しないサブシステム・里山資本主義が必要だ レオンロザ 13/11/09 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp