暴走する悪徳エリートの所業
280192 「学歴エリート」は暴走する(1)
 
安冨啓之 ( 大阪 ) 13/08/20 PM09 【印刷用へ
「学歴エリートの暴走ぶり」がよくわかる記述がありましたので紹介します。

「学歴エリート」は暴走する 著:安冨歩 
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■東大卒リーダーが激減中

東大卒の地盤沈下−−実はそれを象徴するようなデーターがあります。

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表1 上場企業の社長数のデーター推移 1位〜3位

   1985年   1995年   2010年   2011
1  東大413   東大369   慶應299   慶應280
2  慶應160   慶應237   早大177   早大178
3  京大144   早大150   東大170   東大155


表2 役員数データー推移 1位〜3位

   1985年   1995年   2010年   2011
1  東大4591  東大2523  慶應2149  慶應1323
2  京大2182  慶應2243  早大1832  早大1107
3  早大1865  早大2220  東大1740  東大945

※「プレジデント」(2011年10月17日号 大学と出世・就職)より引用
_________________________________

それにしてもなぜこの時期に企業経営の場から一斉に「東大卒」が消えたのか。もちろん複合的な要素はあると思いますが、私は金融機関の減少と無関係ではないと思います。

ご存知のようにバルブ崩壊によって不良債権が増加して1997年から98年にかけて北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債権信用銀行が次々と破綻。破綻や合併を行えば当然、「役員」の数は減ります。現在のメガバンクの役員の多くが東大卒であることからわかるように、金融機関のトップには昔から「東大卒」が山ほどいました。そんな人々の座る椅子自体が、この時期に大量に減ってしまった。
さらに金融機関同様に「東大卒」が幅を利かせてきた証券会社でも同じ現象が起きました。

銀行や証券会社という金融機関の衰退をと「東大卒の地盤沈下」というのは表裏一体です。

■成長企業の「東大卒」の限界

しかし、このような話をすると疑問を持たれる方も多いかもしれません。
他業種へ行っている「東大卒」が社長や役員として経営にあたってリーダーシップを発揮するケースだって多いはずでは?
もっともな指摘ですが、残念ながらそれは違います。「学歴エリート」が社長や役員などの「幹部」として出世できる業界は、実はみなさんが思っているほど多くないのです。

霞ヶ関の中央官庁、銀行、保険会社、証券会社などは「東大卒」がフィットするのですが、経営のスピードや決断力が必要で、さたに責任がともなう成長業界や、実力主義の外資系の場合は、フィットどころか適応することができずに、幹部になることなど到底できないという悲劇が散見されます。

たとえば『週刊現代』で元マイクロソフトの日本法人社長の成毛氏がこんなことを言っています。

「僕が社長の時代、東大の役員はたくさんいたけど部長以上は一人もいない。東大卒は会社に『いても損はないけど、偉くしたくない』という感じでした。理由は事務仕事にメチャクチャ向いているけど、新しいことには向いていないからです。完全に新しいことを考える企画屋には、デタラメな学歴の人の方が向いている。

会社が成長している最中は正解のないところで仕事をするわけです。東大卒は正解のある問題をうまく解くことはできるけど、答えのない問題や質問そのものを考えるとう局面になると難しい。人生でそいいう訓練をしたことがないんでしょうね」
 
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