法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
279779 異常な児童相談所のシステムC
 
777 ( 35 岐阜 ) 13/08/03 PM06 【印刷用へ
続きです。


   したがって児童相談所にしてみれば、親が泣き寝入りしてくれれば裁判などの面倒がなくて一番いいわけであり、そのために児童相談所は子どもを一時保護する際に、「後で騒動を起こしそうな家庭」(=社会的立場や経済力がある家庭)をあえて避けている傾向がある。児童相談所職員のすることに反抗せず、言いなりになるような親ばかりであれば、たとえ虐待ではなくて子供を一時保護したとしても、そのことで騒がれる心配がないからだ。

   そしてこうしたことが、松島さんのように国家賠償裁判を起こし、児童相談所の不当な行為を訴える人がほとんど現れない理由になっていると考えられる。松島さんは児童相談所から子どもを取り返すために、25年間勤続した海上保安庁という国家公務員の仕事を辞め、それ以来人生のすべてをこの問題の解決のために捧げている。しかし被告である国と静岡県、静岡市側から審議の長期化を強いられており、家族4人の生活は楽ではない。

   児童相談所職員は単なる公務員であり、「児童福祉の専門家」ではないばかりか、法律の知識のない素人の集団である。当然、児童相談所の職員は地方自治体の人事異動によって決められるが、実はこういった福祉部門への希望者は非常に少ないという実情がある。しかも特殊な公務に加え、エンドレスな仕事のために、同じ給料をもらうのなら他の部署で楽をしたいという本音がある。しかし欠員を作るわけにもいかないので、辞令によってある程度強引に配属させられることになる。

   そして結果的に、「他の部署では使えない人」や「病気などの特殊な理由を持っている人」がそうなる可能性が高く、いわゆる「姥捨て山」という側面を持つのが児童相談所ともいえる。そうした職員が児童相談所に配属されたとたんに、警察が持つ権限よりもはるかに強大な権力を振るうようになる。しかもそれによって起きた問題に対しても、一切責任を負う必要はない。こうして国や地方自治体は、児童相談所の持つ本来の使命からかけ離れた、本末転倒のやりたい放題をさらに加速させているのだ。

   そしてその背後には、そういった状態を加速させる見落としてはならない事実がある。
   それは児童相談所に一時保護されることで子どもを「預ける」と、1人の子どもにつき1ヶ月約40万円のお金が下りるシステムになっていることだ。そのために有無を言わさず、一時保護という名目で子どもを引きとる行為が増長されているのである。そして子どもを親に返さずに、何年もの長期にわたり「保護」し続ける理由もまさにここにあるのだ。児童相談所におけるこうした予算システムは、明らかに異常である。

   もう5年も子どもを拉致されている松島さんは、自分の被害をインターネット上で公開したところ、全国から今までで約300件の反響が寄せられているという。そして「ウチも子どもを取られました。どうしたらいいんでしょうか」というような多くの相談が、メールだけでなく電話やさまざまなメディアを使って届くという。  

   次に挙げるケースは、児童相談所による「拉致」の別バージョンである。
   当時10歳の被害児B君の母親は、B君を連れて再婚した。B君は母子家庭で母親が育てた子であったが、生活環境が安定しなかったこともあり多動で落ち着きがなく、両親や先生の言うこともまったく聞かない「育てにくい子ども」であった。母親の再婚後、B君の行動はさらにエスカレートし、しばしば学校や家庭でも暴れるようになった。小学校高学年の男子であるB君の力はかなりのもので、両親はB君から日常的に、打撲や擦り傷を負うほどになっていた。

   両親はこのようなB君の養育に困り果て、児童相談所の育児相談に通うことにした。
   B君の両親は児童相談所を信頼していたので真面目に通った。しかし児童相談所の職員は親身になって話は聞いてくれるものの、具体的な指導や提案は一切なかった。そして1年以上が過ぎてもB君の状態は何も改善されなかった。両親は、「なんとか解決策を見つけてほしい」と児童相談所職員に詰め寄ることもあった。

   そして児相側が提案したのが、「お母さんも育児に疲れているから、少しの間B君を里子に出して離れてみてはどうか?」という一時しのぎ案だった。両親はその提案に賛成したわけではなかったが、確かに疲れきっていたので、B君を里子に出すことで子どもと距離を置くことにした。しかしその後児童相談所側は何のケアもせずに、そのまま放置したのであった。

   B君と離れて暮らし始めた両親はすぐに、「子どもと離れていたのでは心も離れてしまう。これは根本的な解決にはならない」ことに気づき、児童相談所に対し、「子どもを家庭に帰してほしい」と要求するようになった。しかし児童相談所はなぜか、B君を家庭に返さないだけでなく、突然、「B君がおかしくなったのは、B君の両親が虐待をしていたせいだ」と言い出したのである。もちろん両親は虐待などしてはいなかったが、児童相談所は自ら言い出した虐待の調査も一切することなく、両親が虐待していると決めつけた。

   そして次に児童相談所は、B君の母方の祖父母に両親には内緒で連絡を取り、「孫であるB君が両親からひどい虐待を受けている」と伝えたのであった。その話を信じたB君の祖父母は児童相談所からの助言に従って、B君の両親から親権剥奪をするために家庭裁判所へ民事審判の申し立てを行なった。そして家庭裁判所もまた、何の証拠もない児童相談所と祖父母の証言だけを鵜呑みにし、両親がB君を虐待していたと認定して親から親権を剥奪し、B君の親権者を祖父母とする決定を下したのである。

   ここでもまた児童相談所は、「里子制度」というシステムを使って無理やり「拉致」をしている。児童相談所にとってこの結末は里子制度の延長なのであり、なぜ里子システムから元に戻してB君を両親に返さないかというと、児童養護施設への入所を含めた利権を保持したいからなのだ。

   当時8歳のF君は知的障害境界域と言われていた。
   一時期、不登校などの時期もあったが、母親自身も子どもが不登校になる前から精神科に通院しており、精神薬の多剤処方を受けていた。そして当然のように母親は、薬の投与以来状態がおかしくなっていったが、そのころは複数の薬剤を投与されてもまだ精神科医を信じていたので、医師に言われるがままに薬を飲み続けていた。

   しかしその影響が出始めて精神状態が悪化したために、母親は子どもの世話をほとんどすることができなくなった。子どもは一時的に児童養護施設に引き取られる時期もあったが、子どもを育てたいという母親の意志と努力によって再び家に戻れる時期もあった。状況が激変したのは、F君が思春期にさしかかった頃、精神科でてんかん発作はないにもかかわらず、脳波検査でてんかん波があるという理由から抗てんかん薬の処方がされた後からだった。





Dに続く
 
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