私権社会の婚姻制
2795 夜這いの解体と一夫一婦制の確立1
 
矢野聡子 ( 29 福岡 営業 ) 01/04/05 AM03 【印刷用へ
現代の結婚制度を客観視するために、現代の結婚制度の確立前の男女関係の様式である夜這い解体と一夫一婦制の確立について、触れておきます。
夜這いの解体と一夫一婦制の確立1〜4は、「村落共同体と性的規範」赤松啓介 からの引用です(省略部分あり)。
明治政府などに対しては、厳しく書いてありました。


<江戸時代 性民俗は多重的>
夜這いというのは、ムラで一人前に育った男と女との性生活を、どうして維持したら最も矛盾が少なくできるだろうかという実践的方法論である。したがって、そのムラの創成の歴史、社会構造の基盤、住民の意識構造の違いによって、いろいろ変化するのが当然であった。厳密にいえば、一つとして同じものはないことになる。

すくなくとも、徳川後半の日本の全国のムラでは、夜這いは、ありきたりの、どこでもやっていた性民俗なのである。

だいたい夜這いは自村、ムラウチ限りが主体で、他のムラへ遠征するのは法度である。村内婚を主とした段階では、夜這いも一つの結婚形式というべきもので、排除されるような民俗ではない。私は夜這いが次第に固定されるようになったり、妊娠などの機会に同棲生活になったと思う。つまり結婚などという儀礼に固まったのは極めて新しい大正以後の習俗で、古くは夜這いの積み重ねによって自律的に夫婦と同棲関係に移ったのである。したがって徳川時代には三婚、五婚などという重婚も珍しくない。もとより三婚、五婚などというのは幕府の法意識による査定で、農民たちには無関係であった。要するに農民の男女の共同、共棲意識は極めて流動的なものであって、儒教的夫婦意識ではとても理解できなかったのである。彼、彼女たちの共同、共棲関係は、常に流動的、相互的であって、子供は母が養育したので、不特定多数の男たちの責任を追求する意識はなかった。そうした現実を直視しない限り、夜這いの実在を認識する方法も、手段もない。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_2795
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
『日本の婚姻史に学ぶ、共同体のカタチ』シリーズ ~夜這い婚を支える【学び】と【導き】~ 「共同体社会と人類婚姻史」 11/10/29 PM07
夜這い婚 〜日本人の集団性を育んだ婚姻制度〜 「共同体社会と人類婚姻史」 11/01/05 AM02
現行の『婚姻制度』〜その中身と成り立ち(2) 夜這いの解体1 「感謝の心を育むには」 10/02/02 PM09
225348 キリスト教における結婚観→一対婚家庭の崩壊は見えていた 斎藤一浩 10/01/29 PM00
225346 儒教が抱える婚姻制度の問題 匿名希望 10/01/29 AM11
218516 夜這い婚は充足発の事実認識 澤根和治 09/10/30 PM02
207466 外圧状況によって変わる男女の形態☆ なでしこ☆ 09/05/26 PM06
110227 夜這いをムラ集団の生存関係に位置付けるとどうなるのか? 原田昭雄 06/04/26 PM09
108666 性のあり方や婚姻形態も、みんなの評価を羅針盤に組替わる 中瀬由貴 06/04/07 PM11
108614 夜這い婚ってすごい 高井春香 06/04/06 PM10
108572 会社のシステムなどは流動的に捉えられても、婚姻制度だけは流動的に捉えられない。これこそまさに、固定概念 西田美和 06/04/05 PM10
107316 具体的に詰めていく必要がある 立石裕美 06/03/13 PM10
107257 夜這い婚の衰退も、集団を超えた統合原理が生み出せなかったがゆえ 田宮昌明 06/03/12 PM10
107169 夜這い婚の「婚」の由来 呉珍之 06/03/11 PM09
103702 現実直視の民俗学者 三ヶ本万州夫 06/01/06 PM08
100046 一対婚制度が当たり前はおかしい ミスター 05/10/30 PM00
96467 夜這い婚に見られるこれからの男女関係のヒント 斎藤一浩 05/08/26 PM09
94403 「夜這い」から学んだコト 走馬灯 05/07/13 AM00
93810 夜這いと出来ちゃった結婚 高木玲 05/07/02 PM11
男女引力低下には「性は悪いもの」といった観念支配も関係する? 「イマドキの男女事情!?」 05/05/24 AM00
85931 夜這いから一夫一婦制 若林勇夫 05/02/18 PM10
84144 赤松啓介 沼田竜一 05/01/17 PM09

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp