日本人の起源(縄文・弥生・大和)
27767 弥生の統合様式と私有意識
 
岡本誠 ( 48 兵庫 経営管理 ) 02/03/30 AM02 【印刷用へ
 平野さんの「縄文→弥生で集団の統合様式は変化したのか?」(27552)の提案について考えたいと思います。
>こうして日本では「上部構造は容易に転換するが、下部構造はなかなか変わらない」という構図が定着していきます。(平野さん27242
 中村先生も27652で引用されている平野さんの投稿の通り、上から押しつけられた体制・制度も庶民層にはなかなか浸透しないようです。いかに縄文体質が後世まで残存しているか、弥生以降も含めて見たいと思います。

 まず西日本について。
 2000年前には部族連合国家が乱立し、力による覇権争いが始まっています。最初の統一国家邪馬台国の王卑弥呼は、各部族の間から選挙に近い形で選ばれ、強制的色彩は薄く、しかも巫女であった。武力による強制的・一元的統合国家ではあるが、他方各部族とも自治制は高く、統合のためには軍事より占い信仰が上位に立つ構造(いわゆる祭政一致の政治形態)を示しています。血縁関係にはない被支配部族をも含めた統合のためには、それまでの自然的精霊信仰を一気に統合する守護神を設定し、共認統合軸にする必要があったのでしょう。道教=天の概念を統合軸として、天の命令を全うするものとしての巫女を、女王に祭り上げ利用したと考えられます。

 しかし被支配層には、あくまで武力を背景にした租税制という収奪制度がとられます。大人・下戸・生口(奴隷)の身分制や、卑弥呼が死んだとき奴婢100余人を殉葬したともされています。ただ氏族共同体の単位は崩れておらず、土地も共有され共同耕作されていました。婚姻制も支配層は妻問婚(母系制の上位集中婚)が行われているが、庶民層は縄文以来の集団婚が続けられています。

 大和政権の646年「改新の詔」が発布され、班田収受法と統一税制が施行されます。徴税の必要から戸籍が統一され、ここに徴税単位が集団から複合的大家族(戸主をはじめ20人程度からなり、内部は2〜3の単婚家族に細分化されている行政的な単位)に移行します。そして父系継承を前提とした一対婚が法律によって定められますが、家屋財産の継承をはじめ経済的な実態は母系集団によって支えらており、母系制を基盤とする集団婚は続けられています。

 743年(奈良時代)に「墾田永年私財法」が発布され土地の私有化が拡大、そして12世紀末(平安時代末期)には農民の小作権が世襲制に組み直されたことから、農民の土地に対する私有意識も本格的なものになり、財産の父系継承という一対婚の土台が形成されます。母系的生活単位は解体され一対婚が実態を伴ったものへ移行していきますが、夜這いという集団婚は継続され、生涯固定の観念も希薄で、くっついたり離れたり、実状は重婚というような状態が江戸末期まで続きます。このように庶民層の私有意識は800年間に過ぎないと言えます。
 
  List
  この記事は 27552 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_27767
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
【縄文の集団に学ぶ〜その9】縄文から弥生にかけて何が変わったか 「縄文と古代文明を探求しよう!」 10/08/25 AM00
ネットサロン:婚姻の歴史を追求中!「縄文〜弥生時代の境目がポイント!」 「ブログ de なんで屋 @東京」 08/12/13 AM02
193906 形式は従うが、本源性を決して捨てなかった縄文人 猪飼野 08/12/03 PM08
96789 部族連合と国家の違い 雪竹恭一 05/09/03 PM10
96659 私権統合が必要に迫られた 峯川満章 05/08/31 PM10
90756 環濠集落の実態 石川笑美 05/05/15 AM00
84924 魏志倭人伝 ミスター 05/01/31 PM02

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
素人の社会活動11 マスコミの共認支配
三文脚本家としてのマスコミ
小泉の支持率と目先の秩序収束
マスコミの煽動報道と、その最後
マスコミのからくり:::露出≒人気
電通を媒介にしたアメリカによるメディア支配
ネット工作員の正体。
特権階級の自家中毒
なぜ学問は退廃するか
あれは、そうだったのか! 学者と報道の謎が解ける
構造認識の現況2 特権知識階級の商売道具と化した「構造認識」
それがどうした、いんちき教授!
潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)
原発:近代科学原理主義者たちの産物
『科学はどこで道を誤ったのか?』(9)近代U〜国家体制に組み込まれ、専門化体制の中で無能化した学者〜
なんで、こんなことになってしまったのか?⇒科学者たちの信じられないアホさ加減
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
「観念力を鍛えるには?」(4) 求道者と解釈者では思考の自在さが全く違う
詭弁を説明しようとするから難解になってゆく
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
朝日の捏造・・・1 何らの被害の声も出ていない類塾に、突然襲い掛かった朝日・・・
「報道の自由」を盾に、社会秩序を根底から破壊してゆく者たち。 
国民の「知る権利」を踏みにじる捏造報道
テレビが考える時間を奪う(清水幾多郎)
テレビが人間を愚鈍にさせるというのが科学的に証明された
「小沢を切れ」と合唱する大新聞この国の大新聞は常にデタラメだった
新聞社による偽装の実態〜「押し紙」による販売収入と広告収入の不正取得
NHK解説委員・長谷川浩氏の変死事件
恐るべき全人類監視ツール『Facebook』の危険性
LINEはなぜ無料なの?完全無料の通話アプリが儲けを出す「危険なカラクリ」が分かった。

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp