サル社会を解明しよう
273858 豊富な食料が、ボノボをセックス好きで平和を愛する種に進化させた。
 
がっちゃん ( 大阪 ) 13/03/19 AM02 【印刷用へ
 ボノボとチンパンジーには、ほかにも大きな違いがある。ボノボの集団では雄ではなく、雌が社会的序列の最上位を占めるのだ。

 チンパンジーでは若い雄が一時的に同盟を結び、上位の雄を倒してその地位を奪うといった策略がよく見られるが、ボノボの雌の地位は互いの友好関係を通じて確立されるようだ。

 ボノボたちは、縄張りが近接する他の集団に攻撃をしかけることはない。昼間はチンパンジーよりも安定した、規模の大きな集団で採食行動を行う。ときには15〜20頭がまとまって食べ物を探しながら移動し、夜は安全のためか一ヶ所に固まって、樹上にねぐらを作って眠る。

 食べるものはチンパンジーとほぼ同じで、果実や葉を主食とし、たまに狩に成功すると動物性たんぱく質も摂取する。チンパンジーと明らかに異なるのは、ボノボは年間を通じて、林床の植物を多く食べることだ。クズウコンなどのでんぷん質の地下茎やみずみずしい茎、栄養のある新芽や若葉。茎の内側の髄の部分も、たんぱく質や糖分たっぷりのごちそうだ。

 つまり、ボノボはいつでも豊富な食べ物にありつけるということだ。チンパンジーのように食料不足や飢えに苦しんだり、食料をめぐって争ったりすることは少ない。こうした食性が、ボノボの進化に大きな影響を与えてきたようだ。

 ボノボとチンパンジーは、私たち現生人類(ホモサピエンス)と最も近縁な動物だ。約700万年前、アフリカの赤道地方の森林にはボノボ、チンパンジー、ヒトの共通の祖先が暮らしていた。そこからまずヒトの系統が枝分かれし、約90万年前までにはボノボとチンパンジーの進む道も分かれた。

 両者が分かれる直前の祖先が体や行動の面で、現在のチンパンジーとボノボのどちらに近い動物だったのかはわからない。この謎に迫れば、人間の起源についても何らかのヒントが得られそうだ。

 私たちはどちらの系統に連なるのだろう。平和を愛し、セックス好きで、雌が主導権をとる類人猿か、それとも好戦的で赤ん坊殺しも辞さない、雄優位の集団を作る類人猿か。
 
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