サル社会を解明しよう
273857 性の問題を力で解決するチンパンジーと、力に関わる問題をセックスで解決するボノボ
 
がっちゃん ( 大阪 ) 13/03/19 AM01 【印刷用へ
 ナショナルジオグラフィックの3月号で、ボノボが特集されていました。リンク
 非常に興味深い内容なので紹介します。

 コンゴ川の左岸だけに生息し、「セックスと平和を愛する」といわれる類人猿ボノボ。近年の研究で、その意外な素顔が見えてきた。

 人間に最も近いといわれる類人猿、ボノボは「セックスと平和を愛する」ユニークな生態で有名だ。他集団との争いや子殺しも辞さない好戦的なチンパンジーと近縁でありながら、なぜボノボはこんな風になったのか? コンゴ川の左岸にボノボ、右岸にチンパンジーとゴリラが暮らす現在の分布が、進化の謎を解く鍵とみる説も出ている。

 ボノボとチンパンジーの大きな違いは行動にある。なかでも目に付くのは性に関連した行動だ。飼育下でも野生でも、ボノボは驚くほど多様な性行動を行う。

 「チンパンジーの性行為はあまり代わり映えしないが、ボノボは古代インドの性愛の指南書『カーマ・スートラ』を読んだのかと思うほど、多様な体位でさまざまな行為を行う」とドウバールは報告した。たとえばボノボはあおむけになった雌の上に雄が乗る、いわゆる正常位で交尾することがあるが、チンパンジーではこの体位はほとんど観察されたことがない。ボノボの性的な活発さは、生殖目的の性交に限定されない。

 それ以外の、いわば社会的な性行動が実に多様なのだ。おとなの雄同士や雌同士、おとなと子ども、子ども同士など幅広い組み合わせで、キス、オーラルゼックス、性器の愛撫、二頭の雄がペニスをぶつけ合うペニスフェンシング、雄が雄の上に乗るマウンティング、発情期の雌同士が性器をこすり付けあうホカホカなどの行動が観察されている。

 こうした行動は通常オーガズムには至らず、コミュニケーションが主眼のようだ。敵意がないことを伝える、興奮を静める、挨拶する、緊張を和らげる、絆を深める食べ物を分けてもらう、仲直りをするといった目的で行うこともあれば、単に快感を求めて行う場合や、こどもの遊びが性交の練習になっている場合もある。

 頻繁に、たいていは無造作に行われる多様な性行動は、さまざまな場面で社会の潤滑油の役割を果たす。ドウバールによれば、「チンパンジーは性の問題を力で解決するが、ボノボは力に関わる問題をセックスで解決する」というわけだ。
 
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