現代意識潮流を探る
270295 学生に与う1 いま、社会の基底部で何が起きているのか
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 12/11/04 PM09 【印刷用へ
 深刻化する環境汚染、そしていつ崩壊するかも知れない世界経済、にもかかわらずこの社会の指導者たちは何の答えも出せず、その果てに暴走し始めた。明らかに時代は大転換期に突入しているのに、学者・官僚・マスコミのどこからも答えが出てこない。そこで誰もが(答が見えないので)目先の可能性に飛びつく。おそらく、就職を前にした学生諸君もそうだろう。
 しかし、’40年代の繊維・石炭、’50年代の鉄鋼・造船、’60年代の家電、’70年代の自動車、’80年代の金融・商社、’90年代のマスコミ・IT、これら花形産業と呼ばれた産業で現在も花形であり続けている産業は、一つもない。だから、必要なのは、少なくとも50年先まで見通すことのできる確かな時代認識であろう。
 また、目先の安定に飛びつくのも同様で、これほどの大転換期には何が起こるか分からない。重要なのは、いかに状況が変化しても答えを出せる柔軟な認識力であり、そのような能力こそが、真の安定基盤になる。従って、そのような認識力を育む土壌が出来ている企業を見抜き、そこで認識力を身に付けることが、真の安定への道だろう。

 では、現代=大転換の時代とは、一体どういう時代なのか、まずはそれを明らかにしておこう。
 ’70年代から積み上げられてきた国の借金は、今や1000兆円に達している。この社会を差配する学者・官僚・マスコミ等の統合者たちは、借金して作ったこの1000兆円を市場に注入することで、経済成長を装ってきた。だが、騙されてはならない。毎年のGDPの伸びから、人工的に注入して作り出した需要分=借金分を差し引けば、実体経済はゼロ成長となる。つまり、’70年頃から市場は実態的には拡大停止状態に陥っていたのである。

 では、いったい40年前=’70年頃、何が起きていたのか?
 それは、先進国における貧困の消滅(豊かさの実現)である。
 それまで人類はほぼ一貫して飢餓の圧力に晒されて生きてきた。そこでは、社会は飢餓の圧力を下敷きにした私権(財や地位などの私有権益)を確保しなければ生きてゆけないという、否も応もない私権の強制圧力で埋め尽くされ、誰もが私権の獲得という目標に収束する。この私権圧力に対応する私権追求の活力は、この時代を貫く最大の活力源であり、市場の拡大もこの私権追求を動力源としてきた。
 
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