暴走する悪徳エリートの所業
268712 福島県産は今や一番もうかる作物
 
加藤弘行 ( 34 東京 会社員 ) 12/09/16 AM08 【印刷用へ
 福島県は、原発事故前まで、米をはじめ、野菜、果樹、畜産など多数の品目で農業産出額全国4位の農業県だった。だが、原発事故以来、飛散した放射能によって全品目で価格が暴落。たとえセシウム検査をして安全性が確認されたものであっても「福島県産」というだけで買い手が付かない状況に追いやられてしまった。

 それでも、「農業の衰退は地域の衰退。生産者があきらめたら終わりだ。」と知恵を振り絞って復活の道を探ってきた。そして、今年、米の収穫期を迎えた福島県内では、たわわに実った稲穂が風に波打つ光景が広がり、今月末から始まる収穫を待つばかりとなっている。

 そんな福島農家に新たな壁が立ちはだかっている。以下は、長州新聞の記事「風評騒ぎで米も牛も暴落」リンクからの引用です。

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 伊達市保原地区で米を作る70代の男性は、「今年は全袋検査になっているが、どういう結果が出るのか気が気でない。この辺りは粘土質で地力があり、コシヒカリでも1等米として1俵(60`c)1万3000円くらいの高値で取引されていた。ところが昨年は、一部の地域から基準値超えが出たことで、安全な米であっても1俵が5、6000円の半額以下にまで下がった。ただでさえ農機具も燃料も値上がりするなかで、米の値段だけはどんどん下がっていく。そのうえ、セシウム汚染が加わって“もうやっていられない”と絶望してやめていく人もいた。でも、農家が米作りをやめたらこの辺りは草が生い茂り、水路の整備もされなくなって人が住めない町になる。地域の存亡にかかわる問題だ」と話す。

 兼業する畜産でも、牛の飼料にする稲ワラからセシウムが出た騒ぎを発端にして、700`もある牛が子牛よりも安い値で売られていくというひどい値崩れだという。「1キロあたり2500円だった牛が600〜700円という半値以下になったままいまだに下げ止まりしている。この状況が続けば畜産業も壊滅するのではないか」と憤りを語った。

 同じく作付け制限された二本松市の農業者は、「セシウムが検出されたのは、山間にあって土地が痩せているうえに、肥料をやらず、原発事故後も山水をかけていた一部の田からで、きちんと田を管理さえすればセシウムは米に吸収されない実態がはっきりしている。とくに土壌が粘土質で地力のある田からは検出されていない。地域の農家で“試験的に作らせてくれ”と談判しても、県からは“作ってもいいが青田刈りする”といわれ、農家は手足がもがれた状態。“福島の復興なくして国の復興なし”と口先でいうだけでまったく先が見えない」と怒りを語る。だが作付け制限されても、田を一年放置すれば稲作ができなくなるため、トラクターで耕す作業を欠かしたことはない。
 「諦めたらそこで終わり。たとえ金をもらっても農家が田を捨てたら生き甲斐も捨てることになる。国はTPP参入にもっていくつもりだろうが、農薬漬けの外国産よりも検査した福島産の方が絶対に安全だと自信を持っていえる」と話した。

 労力をかけて安全管理を徹底し、「安全でも売れない」という風評被害に農家が苦心するなかで、流通資本による買い叩きも露骨なものになっている。

 二本松市の野菜農家は、「この地域のキュウリは東京築地でも一流品として扱われ、通常5`1500円の値が付いていた。ところが、昨年は半額以下の700円に下がり、今年も600円という今まで経験したことのない暴落状態が続いている。名産の菊も一番競りから外されて半額になり、業者に資材や燃料費も払えない状況。ところが、イトーヨーカドーなどのスーパーに行けば、私たちが1本6円で卸したキュウリが他県産と同じ42円で売られていて唖然とした。福島県産というだけで生産者からは安く買い叩いて、市場では“福島支援”といって通常価格で売るというビジネスになっている」と指摘した。

 稲作と畜産を営む男性は、「流通業者のあいだでは、福島県産は今や一番もうかる作物になっている。スーパーや業務用では、産地の明示義務がないので福島県産も“国産”として店頭に並べられる。生産者から買いとる段階では、セシウム検査を徹底しても“福島県産は売れない”とさんざん文句をいわれて安く買い叩かれ、売る段階では一般と変わらない値段で売るという流通業者による相場操作が米から肉牛、野菜に至るまで共通してやられている」という。

*********************引用終了************************
 
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