脳回路と駆動物質
268266 右脳左脳の機能分化について 〜左脳は「パターン化した日常的な行動」をコントロールし、右脳は「天敵に出くわすなど突然の場面での行動」をコントロール〜
 
渡邊真也 ( 35 神奈川 建築設計 ) 12/09/02 PM00 【印刷用へ
右脳左脳機能分化について調査を行っています。
一般的に、右脳は感情や感覚、左脳は主に言語、論理を担っているとされています。
しかし、実際あらゆる生物に対する実験を通して、脳は「パターン化した日常的な行動」をコントロールし、右脳は「天敵に出くわすなど突然の場面での行動」をコントロールするといった役割があるとある論文において発表されています。(267995参照)

以下、出典もとの論文を参考に記します。
(出典:Scientic American 2007年7月、日経サイエンス2009年10月)

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■天敵からの回避は右脳の働き
脊椎動物の進化の初期に、右半球が予想外の刺激を感知しそれに反応するための機能をもつようになったという仮説はどの程度有力なのだろうか?さまざまな動物で捕食者に対する反応を調べた研究から論拠が得られている。魚類、両生類、鳥類、哺乳類はすべて、左視野(脳の右側で処理)に見えた捕食者に対して右視野の天敵より大きな回避反応を示した。また、ワシントン大学のフォックスらはこれらの研究をまとめた総説で、ヒトの警戒システムは右半球にあると結論づけた。警戒システムは、即座の行動が必要となるような予想外の刺激に対して右利きのヒトでも左手(右半球の支配下)の方が右より早く反応したのだ。

■仲間を認識するのも右脳の力
天敵の突然の出現以外に、初期の脊椎動物がすばやく反応しなければならない大切な場面は、同種の仲間との出会いだった。魚類や鳥類では群れの仲間を認識し、すぐに反応する必要があるような社会行動を右半球を支配している。従って顔の認識における右半球の役割は、比較的初期の脊椎動物がもっていた、同種の仲間の外見を認識する能力に由来するに違いない。鳥類にはお互いを認識する能力がある。担っているのは右脳半球だ。
英国ケンブリッジ大学にあるケンドリックは、ヒツジが他のヒツジの顔を記憶をもとに認識できること、また、これには右半球がかかわっていることを明らかにした。
最近になって、ヒトでは、顔を認識する機能が右半球にあることが明らかになった。相手の顔を認識できなくまる「相貌失認」は右半球によることが多い。

■部分か全体か
ヒトの右半球は「場面の全体像」を把握し、その環境の全体的な状況に注意を向けていて、限られた少数の特徴にはあまり注目していない。この能力のため、右半球は空間関係の分析では、かなり優位に立っている。右半球に蓄えられた記憶は、1つ1つの項目がつながったものというより全体的なパターンとして体系化され、想起される傾向がある。対照的に左半球は環境の部分部分に注目する傾向がある。イスラエルのハイファ大学のナボンが考察した実験から全体か部分かというヒトの脳の二分性に関する驚くべき事実が明らかになった。約20個の小さなAが大きなHを形作るように並んだ図を脳損傷患者に見せ、それをまねた図を描いてもらった。左半球が損傷した(右半球が働く)患者は、小さなAの文字をまったく含まない単純なHを書くことが多かった。右半球が損傷している患者は、小さなAの文字を紙全体にばらばらと書いた。これにより、右半球が全体を認識し、一方で左半球は部分に着目する傾向があることがわかった。
 
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