健康と食と医
266452 日本人は炭水化物を制限してはならない
 
柳瀬尚弘 ( 30代 神奈川 建築設計 ) 12/07/12 PM00 【印刷用へ
アメリカでのブームを経て、ここ数年糖尿病や肥満の改善、ダイエットの目的で、「低糖質食」や「低糖質ダイエット」が注目されています。

このダイエットは、糖質とも呼ばれる炭水化物を控えて血糖値の上昇とインスリンの分泌を抑える事で、やがて体が血糖に変えて脂肪が分解されたケトンをエネルギー源にする体質になり、脂肪を燃焼しやすい体になるという仕組みのようです。

現代人が何かと食べすぎなのは間違いありませんが、日本人と欧米人の歴史的な食文化の違いや身体の働きの特徴を考慮せず、安易に飛びつくと却って糖尿病になる危険を孕んでいるようです。

『日本人は炭水化物を制限してはならない』より引用
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※※※※※※※※※※※以下引用※※※※※※※※※※※※※※※※
(前略)日本人に糖尿病が増えたのは、肉・牛乳や乳製品・卵などからタンパク質や脂肪を大量に摂るようになったために、炭水化物の摂取量が少なくなってしまったことに原因がある。

炭水化物の摂取量が減ると、身体のインスリン感受性が低下する。そのため、もっとインスリンを分泌せよと、身体は膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞に指令をだす。インスリンは体内に脂肪を貯めこむホルモンのため、インスリンの分泌が増えると、内臓に脂肪が貯まって身体は肥満する。

内臓脂肪によってインスリンの働きはさらに悪くなる(インスリン抵抗性)。身体はさらなるインスリン分泌を要求する。β細胞はこの要求に応えようと必死に努力するが、やがて疲れ果ててダウンしてしまう。これが糖尿病である。

日本人はもともとインスリンの分泌が少ない。日本人の膵臓のランゲルハンス島は小さく、さらにその数も少ない。日本人のインスリン分泌量は欧米人の1/2〜2/3 と言われている。これは日本人が古来、インスリンをあまり必要としない穀物中心の食生活を送ってきた生理的適応の結果である。

だから、私たち日本人は,米と雑穀を中心とする食生活で生き延びて来られたのだ。「ごはん(炭水化物)をたくさん食べればインスリンがたくさん要るのではないか」と誤解している人もいるだろう。

真実はその反対で、炭水化物中心の食生活ならインスリンは少量で足りるのだ。炭水化物をたくさん食べるとインスリンの働きがよくなるからである。だからこそ、日本人は1000年以上の長きにわたって、インスリン分泌が少なくてもなんの不都合もなく過ごしてきたのだ。

肉や脂肪をたくさん食べるようになると、必然的に炭水化物の摂取量が減少してインスリンの働きが悪くなる。そのため、インスリンの必要量が増える。もともとインスリン分泌能の低い日本人が、多量の肉や脂肪を食べていると、β細胞が身体のインスリン分泌要求に応じられなくなり、インスリンが相対的に不足して、やがて糖尿病になってしまうのである。

現在の欧米人は基本的に肉食で炭水化物の摂取量が少ない。したがってインスリン分泌の要求が高い。彼らのインスリン分泌能力は高いから、膵臓ランゲルハンス島はどんどんインスリンを分泌する。

インスリンは脂肪を貯めこむ働きがあるので、インスリンが多くなると肥る。腹まわりが180cmを肥えるかと思われる男女がアメリカにたくさんいるのは彼らが肉や乳製品をたくさん食べるからだ。

お腹に脂肪が貯まるとインスリンの働きがさらに悪くなる。そこで膵臓のランゲルハンス島が頑張ってもっとインスリンを分泌するようになる。これが高インスリン血症である。こうなると、インスリンは内臓脂肪を蓄積する性質があるため、ますます肥る。欧米の糖尿病患者の多くは肥満と高インスリン血症を経験している。
ところが、インスリン分泌能の低い日本人・アジア人は、肥満と高インスリン血症を経験することなく簡単に糖尿病になってしまうのだ。

※※※※※※※※※※※以下引用※※※※※※※※※※※※※※※※
身体のメカニズムを取り上げ、効果を理論的に謳っているような健康法も、その理論の前提条件や効果の範囲を認識し、歴史的な事実も踏まえたもっと広い視野で判断する必要があります。
 
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