生物学を切開する
265033 AiPS細胞とは?〜ドリーの誕生〜
 
YouTaro HP ( 25 奈良 学生 ) 12/06/04 AM08 【印刷用へ
ES細胞の研究が行われている一方で、生物学の常識を覆す大事件「ドリーの誕生」が起こってしまいます。どのような常識が覆されて、どのような事実が明らかになったのか、解説していきます。
参考資料:Newton「iPS細胞」

〜ドリーの誕生〜
・「分化した細胞は、戻らない」という常識
ヒトは受精卵という1個の細胞から発生しているので、全ての細胞は同じ遺伝子を持っているのだが、細胞の機能はそれぞれで異なっている。
同じ遺伝子にも関わらず、機能の異なる細胞が存在しているのは、遺伝子が修飾(化学的に変化)されて、機能が制御されているから。つまり、最初の受精卵から分裂していくに従って、遺伝子が修飾されていき、それぞれの細胞は専門性を持っていくのである。(このように細胞が専門化していくことを、生物学では「分化」という。)
そして、これまでの事実として「髪の毛の細胞」から「目の細胞」は作れないし、「皮膚の細胞」から「神経細胞」は作れない。
つまり、「一度分化した細胞は元に戻ることができない」というのが常識であった。
*カエルでは分化が戻る(初期化)ことはわかっていたので、厳密には
 「哺乳類では」ということになる。

・「分化した細胞は、戻らない」という理論に対する、反証が成立
カエルの細胞で分化が戻ることは、1962年に発見されていた。そこでの実験をヒントに、羊で実験を行うことになった。
実験内容は、羊Aから卵子を取り出して、遺伝子を取り除いて空の状態にした卵子(遺伝情報は無い)に羊Bの体細胞(すでに分化した遺伝子)を入れる、という内容である。この実験で子供が生まれれば「分化した細胞が元に戻らない」という理論に対する反証が成立する。
1996年、ドリーが誕生したことにより「分化した細胞が元に戻る」ことが事実として明らかになった。

〜ドリーの誕生、終わり〜

この大発見をきっかけに、ES細胞の研究に変化が見られます。
次は「クローンES細胞」です。
 
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