’70年貧困の消滅と私権の衰弱
263178 国の借金とGDPグラフ(最新2010年版) 借金による水脹れを除けば、一貫して縮小している市場
 
小暮 勇午 ( 34 滋賀 なんでも屋 ) 12/04/20 AM00 【印刷用へ
政府が発表している最新のデータに基づいて、国の借金残高と実質GDPのグラフを更新しました。

■国の借金残高・実質GDPグラフ(1965年〜2010年)リンク
(元データは全て「国民経済計算確報」内閣府リンク

【GDPグラフ】
折れ線グラフで描かれているGDP(国内総生産)は、国内で生み出された付加価値の総額を示しており、国内の生産力を表している。企業がその営為の結果、生み出した売上げは、労働者に給料として分配され、支出に回される。よって、GDPは生産力を表すと同時に、消費力を表している。

高度経済成長期に当たる1965年〜1970年は、10%前後の成長率を示しており、1970年以降から1990年バブル崩壊までは4〜5%の成長率が維持されている。しかし1990年バブル崩壊以降は2%前後の低成長が続いており、特に2008年世界経済危機以降はマイナス成長に陥っている。

【国の借金グラフ】
棒グラフで描かれている国の借金は、中央政府と地方自治体の公債(国債・地方債)及び直接の借入金の総合計としている。
国の借金は、1970年以降、バブル期の2年間を除いて一貫して膨れ続けてきたことが分かる。2010年現在、借金総額は1036兆円にも上る。

〔この内、約1兆ドル=約90兆円は、米国債に投資されている。これには、為替介入の際に用いられる政府(国庫)短期証券約150兆円が使われていると言われている。実際、政府短期証券の残高は、米国債購入が始まったとされる中曽根時代の1990年前後から急速に増え続けている。〕

政府は借金し金を作ることで、公共事業の発注から仕事を生み出し、あるいは社会保障費として国民に分配することによって消費を刺激してきた。つまり、政府は財政赤字を垂れ流して(政府の借金を増やすことによって)、GDPを押し上げている。

〔※中央政府による歳出総額は、約140兆円あるが(重複を除いた一般会計予算と特別会計予算の合計。国債償還費を除く)、政府の財政支出は、全てGDPに含まれるので、GDP約500兆円の内およそ3割を中央政府が担っていることになる。GDPを支えている最大の主体は今や政府。〕

【GDP増―借金増】
政府の借金の増加分をGDPの増加分から引けば、借金増によるGDP増の影響を消すことができると考え、これを1965年から累積させていけば、「GDP増―借金増」という折れ線グラフ(四角と点線)を描くことができる。
これは、借金増がGDP増が上回り始めた1975年以降から下がり始めており、(バブル崩壊前後では一時的に回復しているが)1991年から急角度の下降線を辿っている。1996年からは遂にマイナスに突入し、2010年時点で▼593兆円となっている。
但しこの数字は、借金の増加分がそのままGDP増に直結していると仮定した場合に成立する話であり、実際にはストックの増がフローの増に直結する訳ではない。かなり低めに、日本経済を評価していることになる。

【正味生産高】
そこで、新たな指標を用いて、日本経済の生産力を測る。つまり、借金による水脹れ率を経済成長率から除いて、成長率を補正し、この補正成長率を掛けたものを「正味生産高」として経年で計算していく。

正味生産高(兆円)
                 GDP増加額   借金増加額
 =前年度の正味生産高×(100%+ ----------- ― ------------)
                  前年GDP    前年GDP

この折れ線グラフでは、GDP成長率を借金増加率が上回り始めた1974年から一貫して下がっている。バブル末期には若干持ち直したが、1990年以降からは再び下降し、今や底這い状態である。

★日本政府が公表しているGDPから、借金によって水脹れさせた分を除けば、日本経済の実体は1970年以降、ほぼ一貫してマイナス成長となる。1970年以降の市場は、豊かさの実現によって縮小するしかなくなっている。

この数字を企業に例えるなら、借金増率を除いた売り上げ増率とも言える。つまり、1970年以降は(バブル期を除いて)「借金をしなければ売り上げ増が達成できない」「借金の増分を除けば、売上げが縮小する」サイクルに入っていることを意味している。
 
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