近代観念の齎す、絶滅の危機(260955)。その真っ只中にあり、最先端で淘汰圧力に晒される存在。それは、市場原理の上で適応してきた企業だろう。
金融バブルの崩壊はかろうじて延命措置が図られているものの、物的飽和限界を迎えた市場縮小の構造は、変りようが無い。しかも、豊かさの実現によって、私権原理までもが崩壊を迎えたことにより、資本力を背景に形成された序列原理も無効化しつつあり、従来の利権構造を土台とした固定的な力の行使は、もはや通用しなくなってきている。
この流れは、根本的に企業間闘争の構造に大きな変化を与えている。
今や、企業間闘争は僅差の評価を巡っての評価闘争が勝敗を握る。そして、この評価こそが、序列ではなく共認闘争へと変っているため、評価を巡っての争いは日々形を変え、求められる答えをも変化させていくという意味において、非常に難しい舵取りが要求される時代へと変った。
つまり、現在の企業を取り巻く外圧は、市場縮小という土俵の変化に加えて、共認闘争を勝ち抜かなければならない、という二重の淘汰圧力が働いていると考える必要がある。
この逆境を乗り越える為の突破口は何か?
実は、めまぐるしく変化する評価共認の世界こそが、企業活力を分かつ大きな分岐点となる。評価の入口は、対象から発せられる「期待」であり、この期待圧力こそが、無限化し始めているという事を示している。
つまり、どんな期待にも応えていけるか?
あるいは、それだけの組織力を形成できるかどうか?に、すべてが掛かっている。
もはや、個人の能力などは全く通用しない。無限の期待に応えていく為には、企業の成員すべてが状況認識を共有し、即座に課題・役割を共認できなければ、応えていく事が出来ない。
この鍵を握るのは、組織の統合力であり、答えを出す為の土台となる認識を、トップから末端に到るまで着実に浸透させる事であろう。状況認識は勿論のこと、誰がどの課題を発掘し、どのように役割分担が行なわれ、その進捗状況はどうなっているか?これらを、常に全社員が把握することで、柔軟に変化する期待へと適応していく。
これら、逐一変化していく状況を常に共認する為のツールとして、社内ネットは必須であり、さらには期待圧力を活力に変え、さらに無限期待への答えを出す為にも、時代を読み解く概念装置が必要となる。 |
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