政治:右傾化の潮流
261386 為替介入は一体何のため、誰のためか?
 
猛獣王S ( バカボンのパパと同い年 ) 12/02/14 PM02 【印刷用へ
米国債を円に戻せない日本。為替介入による効果は皆無でしょう。

『為替介入は一体何のため、誰のためか?やはりこの国は国家の体をなしていない。』(いかりや爆氏の毒独日記)リンク
より転載します。
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安住淳財務相は10日の衆院予算委員会で、政府・日銀が昨年10月31日、歴史的な円高の進行を阻止するために実施した円売り・ドル買いの市場介入について「(1ドル=)75円63銭で(介入を)指示し、78円20銭でやめた」と異例の介入の具体的水準を明かにした。

安住財務大臣が為替問題について、どの程度理解しているのか知らない。

財務相は、介入で円高に歯止めがかかったとして「効果はあった」と指摘。今後については「必要であれば断固たる措置を取らせていただく」と述べ、欧米の通貨当局の協力が得られなくても、状況に応じて単独介入を辞さない姿勢を強調した。
 
為替介入効果について、

本ブログでは、介入効果はないことを何度も述べてきた。強いて言えば、介入はその場しのぎの無駄な愚策というか、アメリカへの貢献(貢ぎもの)のためではないかと疑っております。為替介入の原資は、「政府短期証券」の発行です、これは事実上の借金です。

財務省が一昨日(2/10)公表した平成23年12月末現在の国の借金残高は、国債782.1兆円、借入金52.7兆円、政府短期証券 123.8兆円 計 958.6兆円(そのほかに政府保証債務44兆円を加えると1千兆円を越える)。政府短期証券 123.8兆円がこれまで為替市場介入の結果のおおまかな合計額を表しています。 

昨年1年間(2011年1月〜12月)の為替介入額は財務省統計資料によれば、計14兆5570億円である。 昨年、年初の為替レートは1usドル約82円→年末は77円である。これでは介入効果があると言えるわけがない。

過去最大の介入額をしたのは、小泉・竹中時代の2003年1月〜2004年3月、この間に為替介入した金額(ドル買い円売り)は、財務省統計資料(外国為替平衡操作額) によれば、35兆2564億円です。これほど巨額の為替介入した結果が、この間の為替レートは、約120円→110円である、介入効果どころか、逆に円高になっている。

2004年4月〜2010年3月の丸6年間、介入額ゼロです。この間の為替レートは1usドル約110円→82円で30円近くも円高になっています。にも拘わらず、この間為替介入はしなかったことになります。

そもそも、アメリカ流の市場原理主義の根本理念は「市場のことは市場に任せる」、従って市場に政府が『手を突っ込まない』が基本原則です。従って為替介入は、彼らの流儀に従えば邪道のはずです。

過去最大の介入を実施したのは、前述した通り小泉政権時代の竹中金融担当大臣です、市場原理主義信奉者の竹中氏がいかにいい加減な経済学者であるかがわかります。

何故、筆者が日本の為替介入がアメリカへの「貢ぎもの」だというのかについては既におわかりいただけるかと思います。介入したカネは、財務省は明確にしていませんが、そのまま米国債に化けているものと思われます(外貨準備高の外貨証券はその殆どは米国債だと思う)。

昨日(2/11)の植草氏のブログは「貸した金を返せと言えない日本の土下座外交」と題して、この米国債に化けたカネが、為替相場の円高によって、昨年末の時点で、為替差損だけで53兆円に達すると述べています。

参考:「貸した金を返せと言えない日本の土下座外交」
リンク

この財源不足が叫ばれる時代に、財務省は為替の差損が53兆円もの莫大な損失が出ても誰も責任を取らない、そればかりか財源不足だからと言って消費税の増税を叫ぶ。まさに官僚無責任天国であると言わなければならない。その上、バカな財務大臣は、『介入で円高に歯止めがかかったとして「効果はあった」とか、今後については「必要であれば断固たる措置を取らせていただく」とノー天気なことを述べています、欧米の通貨当局の協力が得られなくても、状況に応じて単独介入を辞さない姿勢を強調した。オメデタイと言うほかありません。

さらに、問題点を指摘すれば、これほど財源に困っている中で、なぜ米国債売却の話が出てこないのか不思議です。政府が介入して得た米国債は市場に売って「円転」(円に戻すこと)は出来ない。いったん日本が購入した米国債は「円転」できない日米の何らかの暗黙の了解か密約?があるからだと思わせる。

介入資金は「政府短期証券発行(国の借金)」→「外貨準備高、外貨証券(米国債:貢ぎもの?)」に化ける。過去にも述べましたが、2003年の3月19日、ブッシュ大統領はイラク戦争を開始しました。そのイラク戦争の戦費を当時の小泉政権から調達したとみれば、当時の巨額の介入の辻褄があいます(このときの日本のドル買い円売りの「為替介入」は、表向きの理由にすぎない)。

日本が購入した米国債は、日本円に戻せないということは、事実上不良債権であると言っても過言ではありません。為替介入→米国債の購入(貢ぎもの化)は、この国が国家としての体を成していないことを象徴しております。

 〜後略〜
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