人工物質の脅威:大気・水・食品
260993 福島第一原発4号機の使用済み燃料プールに関する破滅的な事故の可能性
 
小澤紀夫 ( 40代 大阪 営業、企画 ) 12/01/30 AM10 【印刷用へ
 福島第一原発4号機の使用済み燃料プールには破滅的な事故の可能性があります。以下の記事は、元国連職員の松村昭雄さんと、著名な原子力専門家であるゴードン・エドワーズ博士が福島第一原発4号機の使用済み燃料プールの危険性について警鐘を鳴らすものです。


カレイドスコープ:4号機使用済み燃料プールがカタストロフィーに至るプロセスリンクから<一部引用紹介>します。



原子力安全性の分野では、常に原子炉の炉心に関する破滅的な事故を防止することと、それを分析することに目を奪われてきました。

それに引き換え、使用済み燃料プールに関する破滅的な事故のシナリオについては、ここ数年、ほとんど関心が払われていません。

1957年の「※ブルックへブン・レポート」は、まさに初めてアメリカで原子炉の安全性について研究されたものですが、これは、その後、1974年の12巻にわたる米・原子力規制委員会(NRC)の安全性調査(※ラスムッセン・レポート〔この記事下に注釈〕)につながり、現在に引き継がれている調査研究の結果のことです。

このレポートが発表されて以来、原子炉の安全性については、崩壊熱を出し続けている原子炉の核暴走、冷却液(水)の不足や漏出による事故、原子炉容器の破断や破壊、炉心溶融などに発展するような極端なコンディションに、すべての注意が向けられてきたのです。

※ブルックスヘブンというのは、ガンダーセン氏が、
「最悪の場合、4号機のプールから出火し、大量の放射線を撒き散らす可能性がある。アメリカのブルックヘブン国立研究所の警告のように、13万8000人ががんで亡くなる可能性があるという事態が、本当に起こるかもしれない」
と引用している調査・研究機関のこと。
ほとんどの原発技術者や原発の監督機関は、使用済み燃料プールに起因する破滅的事態の可能性について、数年間も軽視してきたため、自ら「盲点」を作ってしまったのです。

そのような考え方は、原子力の安全性分析の分野においては、原子力の技術者として、また、原子力技術者として、その後何年経験を積もうと、専門家として習熟することには大して役に立たないのです。

その結果として、炉心が溶融しないように、バックアップ・ポンプ、バックアップ電源供給システム、バックアップ冷却システムを備えているわけですが、使用済み燃料プールについては、これらのバックアップ・システムを備えなかったのです。

炉心溶融に備えて、十分すぎるほどの封じ込めシステムを持っているものの、使用済み燃料プールについては、それに比較できるほどのシステムを持っていないのです。

使用済み燃料プール用のバックアップ・システムを備えてないということは、使用済み燃料プールに特化した対策の怠り、また不測の事態に備えての対策を怠ってきた何よりの証拠になるのです。

しかしながら、使用済み燃料プールに格納されている核燃料は、原子炉に収められている核燃料より、ずっと多いのです。

冷却液(水)が継続的に失われたり不足すること、あるいは冷却循環の過程で冷却液(水)が失われることは、燃料の過熱につながり、広範囲に核燃料にダメージを与えることになります。

使用済み燃料プールには、放射性物質の封じ込め対策が施されていないわけですから、大気中に放射性生成物が放出されてしまうという重大な結果を招くことになります。

さらに、使用済み燃料プールの冷却液(水)が失われるということは(それが漏出であろうと、こぼれたものであろうと、あるいは、冷却水が沸騰して蒸発したものであろうと)、使用済み燃料プールの四方八方、何百メートルもの範囲内に、人間が立ち入ることができないほどの強力なガンマ放射線が放出されることになります。

その結果、適正な処置を取ることは、大変難しくなってしまうでしょう。

こうした逆境の下では、使用済み燃料プールの核燃料がメルトダウンさえしかねません。
もし、2800℃あたりまで温度が上がれば、それは放射能の放出が膨大に増えることになり、はるかに広域にわたって放射能が拡散されることになってしまうのです。

プールの中の使用済み核燃料が過熱すれば、核燃料棒のジルコニウム被覆と、水が過熱して出てくる水蒸気との間で極度の発熱が起こり、さらに使用済み燃料プール内の核燃料を熱する可能性が出てくるかもしれないし、約1000℃になると、壮絶なジルコニウムの火災が発生することさえあるのです。

そうなれば、使用済み核燃料の放射性微粒子(パーティクル)が大気中に放出されることになるかもしれません。

これらのホット・パーティクル(ときどき「核のノミ」として言及されている)の直径次第ですが、その放射性の超微粒子が風に乗ってかなり遠くまで運ばれ、使用済み燃料プールから数百キロメールの範囲の人口に影響を与えることになりかねません。

これらのホットパーティクルが、いったん環境に散らばってしまえば、何世紀にもわたって、放射線被曝と環境汚染をもたらすことになるでしょう。

(原子力技術者や監督機関が、長い間、一顧だにしなかった)ジルコニウム火災の可能性に加えて、もうひとつのもっと危険な可能性があります。

それは、プールの中の※使用済み燃料棒の間隔が、わずかといえども重大な意味を持つほど狭められた(記事下に注釈あり)ことによって、使用済み燃料の幾何学的な配置が変更されてしまい、このことが、プールの中で連鎖反応を再び起こす可能性があるのです。

この“偶発的な臨界”は、温度を急激に上げるだけでなく、一瞬の発熱が次々と起こることによって、核分裂生成物が連続的に補充されていくことになります。

このことが、核燃料の損傷を加速度的に速め、熱負荷を拡大し、燃料プールのメルトダウンの確率を高めて、大気中への放射能の放出を膨大に増やしてしまうのです。

通常、使用済み燃料が溶融点に達するまでには数日かかり、必要ならプールに水を再び満たすことはシンプル・マターであると見なされています。

このため、使用済み燃料プールに関する、どんな緊急事態が起こっても、対策を講じる時間は、“たっぷりある”だろうという仮定を基にして、これらすべての可能性を考慮し、事態を回避することは原子力産業においては標準的な作業技術に過ぎないと考えられています。

これは、(プールを支えている)主要な構造物が損傷を受けて、ひとたび、水の防護遮蔽がなくなってしまえば、致死量のガンマ放射線が発散されることによって、使用済み燃料プールに近づくことさえできなくなってしまうという事実を無視しています。


物理学者のゴードン・エドワーズ博士は、「核に対して責任を持つカナダ連合」(CNNR=Canadian Coalition for Nuclear Responsibility)の創始者にして会長で、2006年の「核のない未来賞」の受賞者でもあります。

<引用終了>
 
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