収束不全:やりたいことが見つからない
260830 5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 12/01/25 AM00 【印刷用へ
ところで、’02年には、本能回帰の潮流上でも、節約志向(もったいない)が顕現しており、一つの大きな画期となった年であったが、いったいどういう年度だったのだろうか。
’70年の貧困の消滅と同様に、’02年も、その契機となった特別な事件は見当たらない。バブルの崩壊後、’90年代を通じて私権の衰弱と社会の閉塞感が強まっていったが、強いて言えば、その突破口として期待されていたニューヨークバブル=世界バブルが’02年に崩壊し、私権期待の最後の可能性が潰えたということだろう。つまり、半数の人々は’90年代に私権拡大の可能性は消えたと感じていたが、残る半数が最後の期待を繋いでいた世界バブルも崩壊したのを見て、私権拡大の終息が大多数の状況認識となって共認されたということである。

しかし、私権拡大の終焉がどうして遊びを終息させ、課題収束を顕現させたのだろうか?
共認充足だけではなく本能さえ歪めて驀進してきた市場の原動力となっていたのは、私権拡大=自我充足の可能性であったが、この私権自我のうち、私権欠乏は飢餓の圧力を下敷きにしているので豊かさが実現されると衰弱してゆくのに対して、自我肥大は(私権拡大の可能性によって生み出されたものではあるが)自我中毒に他ならないので、私権欠乏が衰弱してもなかなか中毒から抜け出せない。それが’70年代から登場していたヒッピーや環境運動が実現し切れなかった原因であり、また’90年代になっても「自分探し」が生き残っていた理由でもある。

しかし’02年、私権拡大の可能性が閉ざされたことによって、ついに自我肥大=自我中毒も自らの誘引先を失い、出口を塞がれて終息する。
従って、’02年の私権の終焉とは、正しくは自我の終息(=自我中毒からの脱却)である。
自我は他者否定と自己正当化の塊であり、従ってまた身勝手な要求の源泉である。心底の自我が(否定意識や要求意識もろとも)終息すると、心底が収束不全に陥り、すぐさま共認収束を加速させて次の収束先=仕事課題に収束する。こうして課題収束の潮流が生起した。
従って、’02年とは、自我が終息したことによって、一気に共認収束が加速し、課題収束の潮流を顕現させた画期的な年である。(それに比べれば、この頃の小泉フィーバーなど、マスコミのカラ騒ぎに過ぎず、潮流として取り上げる価値はない。)

この共認充足や本能充足への回帰は、全て潜在思念の根源回帰であるが、同時に観念の根源回帰をも促すはずである。実際、観念の根源回帰は、’02年以降、観念原回路に近い位相にある予知やアセンションへの収束として一部に顕現しているが、精霊信仰を原型とする観念原回路だけでは、滅亡の危機を突破することは出来ない。そこから先は観念機能を駆使した観念内容の根本的な組み換えが必要であり、そのためには、人類の全文明史を根本から見直し、突破口=新しい共認社会の実現基盤を発掘できるまで、徹底して歴史事実の追求に向かう以外に道はない。

なお、歴史構造の解明という根本追求に向かうことなく、予知や宇宙人やアセンションに飛びつくのは、神頼みならぬ困ったときの魔術頼みにすぎない。シャーマンの時代と違って、現代では、たくさんの知識が蓄積されており、本当に現実を突破しようとする課題意識があるのなら、その構造化に向かうべきであって、超常現象に頼るのは、あまりにも安直である。
西欧では、中世から近世への転換期に魔術頼みが蔓延ったことがあるが、近代観念が確立するとともに消滅した。その近代観念が無効になると再び魔術頼みが出てきた訳だが、答えが見つからないとすぐ魔術頼みに走るのは、彼ら自我私権派に染みついた騙し回路の習性なのだろう。少なくとも、彼らには本気で現実社会を変革する気などないことだけは確かなようである。その意味では、彼らの発信そのものが、やはり一つの騙しだと言えよう。
 
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